だんだんと秋が深まり、スーパーマーケットに並ぶ食材もサンマに秋鮭に牡蠣、栗や松茸などこの時期ならではのものが多く、食いしん坊にとっては食材を眺めるだけでニヤニヤしてしまう日々です。
このブログでも何度も書いているように「旬のものを食べることは最高の食養生」になります。
今回はじつはあまり食卓にあがらないと言う「牡蠣」(滝野調べ)について書きます。牡蠣嫌いの人も、ぜひご一読いただけたらと思います。
牡蠣は栄養豊富な優秀食材!
私は自宅でお料理教室を開催していますが、参加されるみなさんが牡蠣をあまり食べないという話をよく聞きます。理由はやはり「子どもたちが喜ばないから」「レシピがわからない」というものです。私としては「なんともったいない!」と嘆いてしまうばかりでした。
牡蠣は栄養豊富で有名ですね。牡蠣の特筆すべき栄養素は亜鉛・鉄・ビタミンB12。牡蠣100gあたり(大粒で5個、小粒で6個くらい)には亜鉛14㎎、鉄2㎎、ビタミンB12は28㎍が含まれます。成人の推奨量は亜鉛10g・鉄10㎎・ビタミンB12は2.4㎍なので牡蠣が優秀な食材だということがわかります。中でも牡蠣と言えば亜鉛。亜鉛も普通に食事していれば不足しにくい栄養素なのですが、食品を加工する過程で失われてしまうので、インスタント食品やファストフードがメインの食生活や過度のダイエットをしてしまうと不足に陥ります。
【亜鉛の主な生理機能】
- 細胞分裂を正常に保ち、肌荒れ、抜け毛、爪の異常を防ぐ
- 味覚、嗅覚を正常に保つ
- 子どもの発育促進、大人の新陳代謝を助ける
- 傷の治りを早くする
- イライラや落ち込みを解消する
毎日仕事に家事にがんばる大人にも、健やかに育ってほしい子どもたちにもとっても大切なことがわかります。そこで我が家は手軽な亜鉛補給として牡蠣を食べるようにしています。手軽とは言え、下処理だけはサボってはいけません。ここがめんどくさいの壁なのでしょうが、これはもう足を上げないと階段を上がれないのと同じです。やらないと進めないのです。
牡蠣の下処理
パックから出しただけの牡蠣。汚れも目立ち、硬そう。
牡蠣はさっと水に通して大まかな汚れをとり、多少の水分を残したままボウルに入れる。 牡蠣200g程度に対し、塩小さじ1と片栗粉小さじ1を入れる。
指先で優しく混ぜると、だんだん汚れが浮き出てきます。
優しく水洗いし、水がきれいになるまで繰り返します。
塩で身がふっくらし、片栗粉が汚れを吸着してくれるので、最初と比べ物にならないくらい白くふっくらと仕上がります。
キッチンペーパーで水分を拭きとれば下処理はOK。
簡単♪牡蠣のソテーのつくり方
下処理をした牡蠣に片栗粉をまぶす。
フライパンを熱しバター5gを入れる。
中火でしっかり焼き目がつくまであまり触らないで焼き付ける。片栗粉の焼き目がしっかりつくと生臭さが気にならなくなります。
身がぷっくりし、しっかり焼き目がついたら、醤油大さじ1弱(またはオイスターソース大さじ1/2、または牡蠣醤油大さじ1/2)を入れる。
醤油が絡むまでさっと煮詰め、仕上げに粗挽き黒こしょうをふる。
普段の食事に、おつまみに、お弁当に。パスタや焼きうどんに入れても。サプリメントのように食事に足して、美味しく栄養を補えます。
牡蠣のベーコン巻き
ほかにも牡蠣のベーコン巻き、牡蠣のミルクスープもよく作ります。ベーコン巻きは下処理した牡蠣をベーコンで巻いて焼くだけ。
牡蠣のミルクスープ
ミルクスープは、下処理した牡蠣150~200gに白ワイン50mlを加えて酒蒸しにし、身を取り出します。残った汁にみじん切りにした玉ねぎと白菜(合計200g)を加え、ひたひたになるまで水を入れて野菜が柔らかくなるまで煮ます。牛乳200ml・コンソメ1個を入れて煮立ったら先ほどの牡蠣を戻し、火を止めて塩・こしょうで味を調えます。
牡蠣は3月ころまで安定して売られています。和洋中なんでも、意外とレパートリーも多いので、家族が好きなレシピを見つけて、もっと牡蠣を食卓に並べてもらえたら、みんな元気に過ごせるんじゃないかな!って思うのです。
取材・文/滝野香織
滝野香織
管理栄養士