あの「茅乃舎だし」の故郷へ!「御料理 茅乃舎」で季節と風土がつくる食を味わう

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福岡・久山町にある「御料理 茅乃舎]

2006年の発売以降、Mart読者の中にも愛用者が多い「茅乃舎だし」。国産素材を使い手軽に本格的な和食のだしを家庭で味わえると幅広い層に支持されています。難しくて面倒くさいと思っていただしを、グッと手軽で身近にしてくれた立役者でもあります。そんな「茅乃舎だし」が生まれた場所、福岡・久山町に行ってきました。

茅葺き屋根のスローフードレストラン「御料理 茅乃舎」

スローフードレストラン「御料理 茅乃舎」

福岡空港から車で約40分。田畑が広がるのどかな風景が広がります。都市部からわずか40分でこんなにも景色が変わるなんて。さらに車を走らせていくと大きな茅葺き屋根が見えてきます。ここが「御料理 茅乃舎」。「茅乃舎だし」の生まれ故郷です。

「御料理 茅乃舎」にはご飯を炊く釜がある

高さ11.5m、幅37.5m、80tもの茅を使った立派な屋根は、都心部での生活ではもちろん、今の時代なかなか見ることができません。昔話の絵本の中でしか見たことがない風景が広がっていて、初めてでもどこか懐かしい気持ちと安心感に包まれます。里山の風景は子どもだけでなく大人も釘付けになってしまいますね。

「茅乃舎」のはじまりは明治26年創業の醤油蔵

福岡県・久山町にある久原醤油

「御料理 茅乃舎」が誕生したのは2005年。元になっているのは福岡では“久原醤油”で知られる醤油蔵。

久原醤油の醤油蔵

福岡・久山町にある「久原本家」という調味料・食品会社が当時注目されていた“スローフード”の考え方を体現すべく、旬の食材、地元の素材を使い、素材のおいしさを最大限に引き出す料理を提供するレストランをつくりました。

「御料理 茅乃舎」の物販コーナー

この「御料理 茅乃舎」の料理の根幹となっていたのが“だし”。和食の基本であり、様々な食材の大切な相棒になる存在です。その味が評判を呼び、2006年、化学調味料・保存料無添加の「茅乃舎だし」が商品化され発売となりました。

「御料理 茅乃舎」の店内

「御料理 茅乃舎」で食べられるのは季節を五感で感じられる季節の料理。素材を大切にし、手間ひまかけた料理は家庭ではつくることができない味です。メニューは季節によって変わっていき、旬の食材の持ち味を引き出しています。素材と真摯に向き合った料理をコースで提供していて、四季折々の料理を食べるごとに体にしみわたっていきます。

「御料理 茅乃舎」のコースにある「十穀鍋」

コースの中でメインとなっているのが「十穀鍋」。十穀とは十種類の雑穀。十穀の風味が溶け込んだスープで旬の野菜などの具材を食べる鍋です。このスープが「茅乃舎だし」の誕生のきっかけ。国産素材にこだわり丁寧にとっただしを家庭でも手軽に楽しめるよう、「御料理 茅乃舎」の初代料理長が手掛けたのが「茅乃舎だし」です。

自然の中で味わう旬の食材を使った日本食

夏は「御料理 茅乃舎」の前に蛍が舞う

「御料理 茅乃舎」は、料理そのものはもちろん、そのロケーションや店内の雰囲気も“ごちそう”。夏には蛍が舞う清流が流れ、鹿に出会うこともある場所で、人工的な灯りが最小限のため夜には本当に暗くなるような里山。

昔話の世界に迷い込んだような景色が広がる「御料理 茅乃舎」の周辺

初めてでも懐かしいような、安心するような居心地のよさがあります。この空間で手間ひまかけた料理をいただくと、日ごろなかなかできない丁寧な暮らしを実感できます。

「御料理 茅乃舎」に縁のある方たち

そして「御料理 茅乃舎」のコースに欠かせないのが、福岡県で農業をしながら地元食材を使った加工品づくりに取り組んでいる長野路代さんが考案した「路代おばあちゃんの逸品」。「御料理 茅乃舎」の料理長が毎月、長野さんに教わってつくっています。「御料理 茅乃舎」ができたときからスローフードの師として昔ながらの調理技術を長野さんに教えてもらっているそう。だから初めてなのに懐かしく感じ、心が温まるのかもしれません。

地元を中心とした旬の食材を使った「御料理 茅乃舎」の料理

決して派手ではないですが、心も体も喜ぶ料理。子どもたちにも食べさせたい日本食体験がここにあります。素材やだしについて親子でじっくり話しながら味わってみるのもいいですね。「御料理 茅乃舎」の料理を食べた後、自宅で「茅乃舎だし」を使うときには、なんだか食に対する気持ちが変わっているかもしれません。

御料理 茅乃舎:https://www.kayanoya.com/shop/restaurant/

取材・文/岡部礼子

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