今や健康のための常識ともいえる〝腸活〞。始めたいけれど、どんな食材が効果的かわからないという読者にかわって、腸活によい食材の基礎知識について教えてもらいました。まずは身近にとり入れられるものから始めてみて。
腸活について教えてくれたのは
小澤有希さん
料理教室勤務で3人のお子さんを育てるトータルフードコーディネーター。麹クリエーター、発酵食品ソムリエなどの資格を持ち、発酵食品に詳しいMart TRIBEとしても活躍中。
腸活を意識した食材で体の変化を実感できました
「子どものおやつをつくるときに使う大量の砂糖が気になり、もっと体にいいものをと思っていました。そんなとき、砂糖不使用でも甘い、〝発酵あんこ〞を知り、発酵の力を実感。以来、塩麴やしょうゆ麹、甘酒を自宅でつくって日々とり入れ始めたところ、疲れにくくなり、肌トラブルも激減。何とノーファンデーションに!家族も風邪をひかなくなり、腸活の大切さを肌で感じています」
小澤さんの自家製発酵食品
「米麹に塩を入れ、 塩麴をつくります」。左は塩麴、右は黒塩麴。
「蒸米に麹菌をつけ、特製の麹箱の中で繁殖させて、自家製の米麹をつくっています」
「自家製 『ひしお』 です。しょうゆの代わりに使える発酵食品です」
腸活に効果的な食材って?
胃で消化されて運ばれてきたものを選別し、栄養はとり入れ不要なものは便として排出する役割を担っている腸。
- 善玉菌を含む食材
- 善玉菌のエサとなる食材
この両方を摂取することが、腸活には効果的。腸が整い、うまく体に栄養が吸収されるようになります。
発酵食品
腸内環境を整えるために大切な乳酸菌や納豆菌、酪酸菌などが含まれる発酵食品。腸を整えるのにいい働きをしてくれる善玉菌や微生物を含んでおり、腸活をするうえで欠かせない、意識してとりたい食品です。
- ヨーグルト
- 甘酒
- 納豆 など
発酵調味料
うま味を多く含む発酵調味料は、料理に加えて手軽にとり入れやすいのが魅力。食材により含まれる菌や微生物は異なるので、食材を組み合わせて料理にとり入れ、さまざまな菌を一緒にとると、栄養価がアップします。
- 味噌
- しょうゆ
- 麹
- みりん など
水溶性食物繊維
善玉菌のエサになりやすい水溶性食物繊維。大腸内で発酵、分解されるとビフィズス菌などが増えます。また、糖質の吸収をゆるやかにして食後の血糖値の急激な上昇を防いだり、コレステロールを吸着して体外に排出する効果も。
- りんご
- キウイ
- いちご
- わかめ
- アボカド など
不溶性食物繊維
ボソボソ、ザラザラとした食感が特徴的な食品が多い不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きくふくらんで便のカサを増やし、腸のぜんどう運動を活発にすることで便通を促してくれる働きがあります。
- 玄米
- おから
- さつまいも
- きのこ など
水溶性&不溶性食物繊維
食物繊維には不溶性と水溶性の2種類がありますが、この2種類の食物繊維が両方含まれる食品もあります。水溶性と不溶性はそれぞれに違った働きがあるので、両方が含まれた食品で効率よくとるのも◎。
- グラノーラ
- ブルーベリー
- プルーン
- オートミール など
オリゴ糖
食物繊維と同様に善玉菌にとっての格好のエサとなって、善玉菌を増やす効果のあるオリゴ糖。太りにくい糖質のオリゴ糖は甘味料として販売されていますが、オリゴ糖が含まれている食品からも摂取することができます。
- バナナ
- 大豆
- 甘味料 など
撮影/中林 香 取材・文・コーディネート/西村絵津子 編集/小橋健太郎 WEB構成/Mart編集部
2021年12月号
世界一ずぼらな「免疫力アップ」ごはん Part3
罪悪感ゼロ!手づくり「腸活おやつ」15より