「二十四節気」という言葉をご存知でしょうか。1年を春夏秋冬の四季に分け、さらにそれぞれを6つに分けた古代中国生まれの季節の数え方です。
秋は立秋(りっしゅう)、処暑(しょしょ)、白露(はくろ)、秋分(しゅうぶん)、寒露(かんろ)、霜降(そうこう)という名称で6つに分かれます。
天気予報などで耳にするくらいかもしれませんが、この「二十四節気」を知り、季節の移ろいに耳を傾けると、季節ごとの身体の不調に気がついたり、体調管理がしやすくなるんです。その際、薬膳の考え方を取り入れると、自ずと今何を食べるべきかもわかってきます。薬膳と聞くと、すごく難しいように感じるかもしれませんが、実はすごくシンプル! 「旬のものを食べる」「寒いときは体を温めるものを食べ、暑いときは体を冷ますものを食べる」。これだけなんです。
秋が深まる今の時期は、乾燥し冷えた空気に変わることで鼻や喉、肺がダメージを受けやすくなり、そこから身体の不調が起こりやすくなるので、私は「白い食べもの」を多く献立に取り入れています! 鼻や喉、肺を潤す薬効を持つのが旬の白い食べもの「れんこん・長いも・きのこ・大根・長ねぎ・かぶ・梨・ゆり根・白ごま・鶏肉・白身魚…」です。
また、汗腺からの汗という排泄が減ってしまうので、その分を鼻や口などの呼吸器が肩代わりしなければならなくなり、負担がかかります。そこで、「にんにく・しょうが・ねぎ・大根」など体を温めて、滞ったものを追い出す発散作用がある食材も積極的にとるようにしています。
「乾燥するな~」と思ったら旬の「白い食べもの」を意識する! 食材が絞れると、献立も決めやすくなりますよね。発酵食品も特に秋の食養生に有効なので、一緒に取り入れるといいですよ♪ 味噌やしょうゆも日本の立派な発酵食品です。
我が家では、れんこんや長いもは甘辛い感じのおかずにすることが多いです。鶏肉や白身魚を塩系の味にした場合、献立のバランスを考えてしょうゆ味の炒めものにします。味噌汁もほぼ毎日食べるようにしています。発酵食品であることに加えて、白い野菜がたくさんとれるからです!
チキンスペアリブとれんこんと長いもの漬け焼き
安価で味もよく、骨からミネラルもとれる魅力的なチキンスペアリブ(手羽中)とれんこん、長いもを、にんにく、しょうが、酒、しょうゆ、オイスターソース、はちみつで漬け込んでから魚焼きグリルで焼きます。フライパンの場合は蓋をしてくださいね。
れんこんと長いもの甘辛
れんこんと長いもに片栗粉をまぶし、多めの油で焼き、しょうゆ1:砂糖1:酢1を煮絡め、白ごまをまぶします。
長いもと鶏肉ときのこのバタポン炒め
あっさりした食材をこってりに仕上げたメニュー。フライパンに鶏肉を入れて焼きつけ、出てきた脂で長いもとしめじを炒め、バターとぽん酢しょうゆで味つけをし、最後に粗挽き黒こしょうを振ります。
“You are what you eat”(健康は食べもので決まる)。「二十四節気ごはん」で体調管理をしていきましょう!
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写真・文/滝野香織
滝野香織
管理栄養士