朝起きて、なぜかドッと疲れが出ていることはありませんか? その原因は、もしかしたら脳疲労かもしれません。今回は、脳疲労を解消するための睡眠のポイントをご紹介します。あなたにぴったりの解消法をぜひ見つけてみてください。
寝ても疲れが取れないのは脳疲労のせいかも?
どんなに睡眠時間を確保しても、すっきりしないのは脳が疲れているせいかもしれません。
情報過多やストレスが続くと、脳がオーバーヒートのような状態になり、脳疲労が起こることがあります。
脳疲労が起こると全身をコントロールしている自律神経が乱れ、睡眠の質に影響を与えるので、どんなに寝ても朝にだるさが残ってしまうのです。
また脳疲労は、熟睡できないだけでなく次のような症状を起こすことがあります。
- 記憶力の低下
- 集中力の低下
- 目の疲れ
- 食欲不振
- つねにイライラする
これらの症状が続くと、頭痛や動悸、息切れ、めまい、下痢や便秘といった身体的な症状が生じるだけでなく、うつや認知症といった精神的な症状につながる恐れもあるのです。
睡眠で脳疲労を解消するコツ4つ
その日の脳の疲れをその日のうちに改善するためは、質のよい睡眠を得ることがポイントです。まずは、脳疲労解消におすすめの睡眠方法を4つご紹介します。
睡眠環境を整える
まずは、以下の物理的な環境条件を参考に、睡眠に適した空間を整備してみましょう。
- 温度・湿度:温度は33℃前後、湿度は50%前後
- 音:図書館の中や木の葉の触れ合うくらいの静かな空間
- 光:赤みを帯びたやわらかい光が灯る空間
- 寝具:吸湿性・放湿性がよく、保温性のよいもの
入浴のタイミングを見直す
脳の血流を促す効果や、心とからだを緊張から解放してリラックスさせる効果などが期待できる入浴は、疲れた脳によい影響をもたらすと考えられます。
就寝する1~2時間前のタイミングで入浴すると、効果がより高まるでしょう。布団に入るころには、お風呂で温まったからだがほどよく落ち着くので、寝つきがよく深い睡眠が得られます。
瞑想を取り入れる
できるだけ静かな環境を作り、次のステップで瞑想してみましょう。
- 姿勢を正す
- 呼吸を意識する
- 心を整える
脳は、「過去に起こったこと」や「未来への不安」などの影響を受け、それらをストレスとして捉えます。
自分の呼吸に集中し、「今ここにあること」を意識することで、疲れた脳を休めることができます。まずは1日5分、瞑想する時間を作ってみてください。
寝る前のスマホをやめる
スマホを使いすぎることで、脳が情報過多になってしまうことがあります。
とくに、就寝前のスマホをやめることがおすすめです。脳への負荷が軽減され、入眠がスムーズになったり睡眠の質が向上したりすることが期待できます。
スマホを見ることが習慣化してしまっている人は、1日のうちでスマホと距離を置く時間を決めてみましょう。
漢方を取り入れて、翌朝スッキリ
脳疲労解消のためのコツ、5つ目は「漢方」を生活に取り入れることです。漢方薬は、脳疲労の原因にアプローチすることで、体質から根本改善を目指します。
脳疲労の対策には鎮静作用を含む漢方薬に加え、
- 血流をよくして中枢神経の機能を回復し安眠に導く
- 自律神経の乱れを整え、ストレスが原因の疲労や睡眠の質を改善する
- 栄養を全身に届けて、心とからだを元気にする
などの作用をもつ漢方薬を選びます。
漢方薬は心とからだのバランスを整えるので、睡眠の質だけでなく、ほかの心身の不調にも同時にアプローチできるのがメリットです。
それでは、慢性的な疲労倦怠に対して、医療現場でもよく使われる漢方薬をご紹介します。
<疲れが取れない方におすすめの漢方薬>
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力虚弱で胃腸の働きが衰え、疲れやすい方に。
「気(エネルギー)」を補い、胃腸の働きを高め、疲れや倦怠感を改善していきます。
【第2類医薬品】[松浦薬業]補中益気湯エキス細粒 2g×48包
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
体力虚弱で手足の冷えや貧血などがある方に。
「気(エネルギー)」と「血(栄養)」を補い、胃腸の働きを高め、からだの内側から温めることで疲労を解消します。貧血も改善します。
【第2類医薬品】クラシエ薬品 十全大補湯 エキス錠 クラシエ (180錠)
人参養栄湯(にんじんようえいとう)
病後の体力低下、疲労倦怠、手足の冷え、貧血などがある方に。
「気(エネルギー)」と「血(栄養)」を補うことで全身に栄養をめぐらせ、体力を回復させます。また、不安・不眠などの精神症状を落ち着かせる働きもあります。
【第2類医薬品】漢方セラピー 人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)エキス顆粒 24包
漢方薬をより安全に、より効果的に活用するためには、その人の状態や体質にうまく合った生薬を選ぶ必要があります。自分に合った漢方薬を見極めるためには、漢方の専門家に相談できるとベターです。
最近話題のAI(人工知能)を活用したサービスは、個別相談で選別したオーダーメイドの漢方薬を、自宅に郵送してくれるのでおすすめです。
脳の疲れはその日のうちに!
日中にためてしまった脳の疲れは、ぐっすり寝て、その日のうちに解消しましょう。お伝えした方法は、どれも簡単で今日から始められるものばかりです。
さらに、専門家の選ぶ漢方薬を取り入れることができれば、毎日決められた量を飲むだけなので続けられそうですね。
翌日に疲れを持ち越さないためにも、質のよい睡眠でスッキリした朝を迎えましょう。
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
竹田由子(たけだゆうこ)
43、47歳で出産した2児のママ薬剤師。共立薬科大学(現 慶応大学)卒、臨床薬学専門。病院で10年以上医薬品情報室に従事し、医薬品に関する情報に精通。元漢方・生薬認定薬剤師。
漢方を自身の月経痛や妊活にも活用してきた経験から「日常の不調はまず漢方」をモットーに体の不調を我慢する女性へ対し情報発信している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=222332b9mart0044