マスクの着用、テレワークなどが続くと、表情を動かすことが減り、顔の老化が進む原因に。 どのように予防したらいいのかについて、 宝田恭子先生に教えてもらいました。
教えてくれたのは
宝田歯科医院 院長 宝田恭子先生
東京歯科大学卒業後、同大学勤務を経て現職。歯科医療に加え、口元の筋肉を中心とした表情筋を鍛える独自のエクササイズを提唱。口元から、トータルな美しさと健康を手に入れる方法を日夜研究、自らも実践している。メディアでも幅広く活躍。著書に『「顔面地滑り」をくい止める! 宝田式速効5分顔筋リフトアップ』(PHP研究所)など多数。
老けないためには全身の姿勢を整え顔の筋肉ストレッチを
顔にしわができて老けていくのは、皮膚のコラーゲン不足が原因だとよくいわれますよね。でも実は、頭蓋骨の骨量が減少することが本質的な原因なのです。人は40代から骨量が減少し、頭蓋骨が縮んでいきます。それに合わせて皮膚がたるむことで、しわができていきます。さらに、コロナ禍でマスクを長時間着用するようになったことも、老化を加速させる原因となっています。本来、皮膚の細胞は顔の筋肉の動きに伴って、毛細血管から酸素や栄養を受け取って正しい位置に並び直します。しかし今は、マスクの下の表情筋と咀嚼筋(そしゃく)を動かすことが減ったため、酸素や栄養が行き渡りにくくなっています。 顔が老けないようにするには、全身の姿勢を整えたうえで顔のストレッチをするのが効果的。エクササイズとストレッチにぜひ毎日取り組んでみてください。続ければ必ず効果が出ますよ。
基本の姿勢
【OK】膝よりも後ろにアキレス腱を引いて座ると、骨盤のいちばん下にある「坐骨」で座り「骨盤」を立てることができて美しい姿勢に。自然と膝もくっつきます。
【NG】 ダラッと無意識に座ると脚が開き、背骨も丸くなるなど、だらしない印象に。膝よりも前にアキレス腱が出ないようにしましょう。
深呼吸エクササイズ
【1】5秒かけ鼻からゆっくり息を吸う
口を閉じて、上の前歯の裏に舌先をつけ、鼻から息を吸い込む。このとき、胸が開いていることを意識する。吸いきったら5秒息を止める。
【2】5秒かけて口からゆっくり息を吐き出す
口を少し開け少しずつ息を吐き出す。胸を開いたまま、肩を落として息を吐ききる。吐き終わったときは口が閉じていても、上下の歯の間が数㎜空き、舌が上の前歯の裏についていることを確認する。1→2を3回繰り返す。
リフトアップエクササイズ
【1】横を向いてリラックス
深呼吸エクササイズで整えた姿勢をキープしたまま、横を向き、3~4㎝口を開く。
【2】頬骨に沿ってストレッチ
口を開けたまま、上の歯が生えている骨のふちを指でとらえ、骨に沿って矢印の方向に3回往復させる。
【3】耳に向けてストレッチ
①下あごの関節付近に指をあて、矢印の方向に3回動かす。
②そのまま指を離さずに耳の高さに移動し、矢印の方向に3回動かす。
③ 頬骨の下あたりに指を置き矢印の方向に3回動かす。
※掲載中の情報はMart誌面掲載時のものです。
撮影/沼田侑悟(Gran) 取材・文/須賀華子 撮影協力/邨山円さん 編集/倉澤真由美 WEB構成/長南真理恵
2021年12月号
カラダの疑問に答えます「マスク・テレワークで顔の老化が進む⁉」より