それもこれも全部……「彼」だからこそ (Mart11月号こじらせ男子でなにが悪い 連載裏話②)

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

「そこもう一度読んでみて」
_____「わかりました」

「そこの語尾、もう少しこうしてみたらどうだろう」
_____「そういう意味でしたら、例えばこんなのはどうですか」

佐藤アツヒロさんの連載「こじらせ男子でなにが悪い」の制作過程は、構想を練るところから原稿になるまで、作家の先生と編集者が小説をつくりあげていく形と似ています。

「彼」のつむぐ言葉は、その生きざまそのもの。ときに鋭く、ときに柔らかくふわりと軽やかな一方で、しっかりとした芯があり……。毎号かかげるテーマに向けて、それらを何度も調整していくのです。

撮影においても、それは同じ。最初に大きな枠組みをつくっても、決してはじめからゴールは決めない。衣装、ヘアメーク、その場の空気、そしてカメラマンとの呼吸の合わせ方。それらすべてが合わさって、新しい「彼」独自の世界が生みだされます。

たとえば、左ページのカット。用意されたのは、とてもレトロな車両のみ。子供たちの歓声が小さく聞こえるなか、「彼」を取り巻く世界だけまるで異空間のよう。そっと窓枠に腕をのせ、撮影がスタート。その表情、その視線のやり場……。読む人それぞれが思いをめぐらす、自由な世界。


撮影/ATSUHIRO SATO

「ねえ、ここ寄っていい?」

撮影終わり、すっと立ち寄った場所。その視線の先は、カタカタカタ……とレール上を走る鉄道模型。じっと黙って見つめたあと、ふっと笑ってその場を去りました。「好きな電車はこういう感じのもので……」と、そのあとそんな話が話題にのぼったのでした。


撮影/ATSUHIRO SATOH

※模型の展示は常設ではありません。ご了承ください。

アツヒロさんに話してほしいテーマのリクエスト・記事の感想お待ちしております
下の赤いボタンのプレゼントアンケート(雑誌の巻末についているハガキで応募するものと同じです。反響があると嬉しいです)か、メール mart-members@kobunsha.com までお寄せください。毎号、楽しく読ませていただいております。

Mart11月号・好評発売中です!
連載テーマは「人を好きになりたい」
※目次の写真は、通常サイズ版、バッグインサイズ版で変わります。

 

【こちらの記事もおすすめ】
Mart11月号「こじらせ男子でなにが悪い」連載裏話①→
Mart11月号「こじらせ男子でなにが悪い」ロケ地めぐり→

 

- 関連記事 -

    マガジン
    Mart2024春号
    2024年3月28日発売
    ¥980
    マガジン
    Mart2024春号
    2024年3月28日発売
    ¥980