最近、コーヒー豆を選ぶようにだしにこだわる人も増加中。実はかつお節以外にもさば、むろあじ、うるめいわし、あごなど、全国では昔からさまざまな魚種でだしを取る文化があります。そんな「だし」を魚種別で味の違いを検証しました。
上品な甘みと香りで大人気継続中
「あご」
あご(トビウオ)は独特の香りが特徴で、九州では定番。下処理いらずで手軽に煮干しだしが取れるスグレモノ。雑味が少なく、色は薄めです。煮干しなのに上品な口当たりが人気の秘密です。
九州では定番の高級食材。雑煮やうどん、煮ものなどに使われています。おでんにすると独特のうま味を楽しむことができます。
あご煮干削り40g ¥510(ヤマキ)
サケの香りと味がどんと感じられる濃いだし
「さけ」
色は濃い黄色。熟成されたサケを長期間燻すので、香りも味も濃厚。グルタミン酸もたっぷり入っているのでうま味の三重奏がポイントです。
塩としょうゆで味つけした卵雑炊が、サケ雑炊のような味わいに。洋食のスープにもアレンジできるようなコクがあります。
手火山造り さけ削りぶし 華ふぶき30g ¥500(知床標津マルワ食品)
レアながら隠れファン多いクセのない味
「むろあじ」
上品な香りでまろやかなだしが取れることが特徴。色は少し黄味がかっていて、うま味は強いけれどあっさり系の味です。
名古屋のきしめんのだしのベースとなっているだしです。ロースト感があり、クセがないので一度使うとリピートする人が多いとか。
むろあじ節削り40g ¥250(ヤマキ)
雑味が少なく上品。料亭などで使われる
「まぐろ」
丁寧に血合いを取り除いたマグロの節を削り上げた節。血合いを除いているので淡白で色も薄いが、マグロの香りはしっかりしています。
かつお節より淡白でやさしい味。塩のみの味つけで茶碗蒸しに使ったら、とても上品な風味に仕上がりました。
花まぐろ88g ¥1,400(京・東寺 うね乃)
江戸前のそばやしょうゆ味の煮ものに合う
「さば」
コクがあり濃厚なだしが取れるサバ。混合削り系の商品はサバがメインだそう。色は黄色味がかっており、味は甘みがあり濃厚。しっかり味の料理に。
しょうゆベースの小松菜の煮びたしにすると、ほかの素材との相乗効果でおいしい。
※ブロッサム4・5寸鉢(薄紅)¥1,500(スタジオ エム)
さば節削り40g ¥210(ヤマキ)
コクと甘みがあり味噌との相性がいい
「うるめいわし」
頭と腹わたを除く手間なく煮干しだしが取れるので便利。色は薄く、青魚の臭みもない。いわゆる煮干しだしの深いうま味。
濃い味つけに向いているので味噌汁や豚汁に。
※シリアル ボウル(白)¥950、シリアル ソーサー(白)¥750(ともに4th̶market)
うるめいわし煮干削り40g ¥220(ヤマキ)
家でだしをとるのはどうすればいいの?
家にあるコーヒードリッパーにフィルターをセットし、5g程度のかつお節を入れて180㎖の湯を注ぐだけで簡単にだしはとれます。ドリッパーはメーカーのモノでも100円ショップのモノでも何でもOK。コーヒーを入れるものとは別に用意しましょう。
一番だしスターターキット「出だし」 昆布と削り節をバランスよく組み合わせただしパック「行平」3袋とかえしのセット。¥3,200(だし工房 宗達)
だしを取るときの注意
ドリッパーにフィルターをセットし、削り節を5g入れ、200㎖の湯を注ぎ、1~2分置きます。ドリッパーをカップの上に置くと、だしが落ちるしくみ。約180㎖のだしが取れます。
「だしを取る際のコツは、削り節の量は想像しているより多く使うので、分量をきちんと量ること。だしがらは紙フィルターごと捨てれば片づけが楽だし、鍋で取るならキッチンペーパーや網ですくっても。また冷蔵庫には水1ℓに20gの真昆布を一晩寝かせた昆布だしを常備し、合わせて使っています」(だし愛好家の梅津有希子さん)
料理に合わせてだしを選ぶのが今風。自宅で気軽にだしをとって、おいしい料理をつくってみませんか?
※本特集掲載商品は取材時点(2019年1月14日)のものであり、現在お取扱いしていない場合があります。
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撮影/中林 香 フードコーディネート/土肥愛子 取材・文・スタイリング/湊谷明子 構成/玉置晴子
Mart2019年3月号
あごだしに続くのは? 次に来る流行もチェック! 今どき「だし」ニュース2019 より