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ホームベーカリーの魔術師に聞いた!手作りパンが10倍美味しくなる「基本のき」【材料ブレンド編】

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ホームベーカリーの材料を、手軽にブレンドアレンジできるコツを、フードエディターの八代恵美子さんに聞きました。いつもの基本の材料の一部を他のものに置き換えるだけで、簡単に違った食パンを楽しむことができます。これをヒントに、あれこれ置き換える材料を考えるのも楽しく、パンの焼き上がりが更に楽しみになりますよ!

【1】粉をブレンドすると風味も食感も変わる!

強力粉に薄力粉を混ぜるとよりさっくり軽い仕上がり効果


「ハード食パン」をご紹介した時もそうでしたが、強力粉に薄力粉を混ぜ合わせることで準強力粉風にしあげて、パリッと食感のパンに焼き上げました。フランスパン用の粉を買わなくても薄力粉をブレンドすることで手軽にフランスパンぽいパンが焼ける例です。

【ハード食パンのレシピはこちら】ホームベーカリーの“魔術師”が伝授!「お店みたいな食パン」の焼き方【1】

焼き上げる食パンにも寄りますが、フワフワしすぎずさっくり噛み切れる程度にしたいときは強力粉:薄力粉は8:2ぐらいに、もっとしっかりした食感が欲しいときは中力粉っぽく1:1を目安に混ぜ合わせて焼いてみてください。

全粒粉やふすま、コーングリッツをブレンドすればヘルシー食パンに♡

最近低糖質のパンが話題ですが、全粒粉やライ麦や雑穀をプラスすると、ヘルシーだけでなく、香ばしさもプラスされて美味しいです。中でも食物繊維やミネラル等、栄養豊富で低カロリーなふすまパンは大人気!いつものパンのレシピにふすまや全粒粉などを加えるなら、粉全体の30%を上限に加えて焼くと失敗しませんよ。低糖質パンは小さめに焼くのもマイブーム♡

【2】お気に入りの生地に混ぜ合わせるだけで簡単オリジナル食パン♪

ドライフルーツは湯煎、ナッツは乾煎りのひと手間を

ドライフルーツもナッツもパンに加える時にはひと手間を忘れずに!
ドライフルーツはオイルコーティングされているものもいないものも一度湯煎して水気を切ったものを使う。私はオイルコーティングされてないものなら一度蒸して使っています。パンの中に混ぜ込んだ時に口当たりも味わいも全然違う!これは有名パン屋さんに教えてもらった裏技です。
ナッツは必ず乾煎りして混ぜ込むと香りがしっかり立って美味しい。混ぜ込む量は80〜100gを目安に。

パウダー系&ドライハーブ、スパイスで色や風味をチェンジ

野菜パウダーや抹茶、ココアなどのパウダーは色と風味を簡単につけられて便利。粉の総量の5%までを目安に入れる。抹茶だけでなくほうじ茶パウダーも是非チェックしてみて下さい。個人的には、ほうじ茶食パン×あんバターがツボです。

スパイスも少し加えるだけで、グッと複雑な味わいになり、お酒も進むおつまみパンにはもってこい。パン用のミックスハーブもおすすめ!

チーズを加えればリッチな味わいに!


混ぜ込んだり、焼きあがる前にトッピングで載せたりするのが好きな素材。複数の種類を合わせるだけで即リッチな味わいになります。
「俺のbakery」の「マスカルポーネとはちみつ」という食パンを食べた時、その意外な組み合わせに感動!発酵バターの芳醇な風味とマスカルポーネのコクがありながら優しい甘みが最高のマッチングのパン、ぜひ一度味わってみてほしいパンの1つです。


これは水分を無塩のトマトジュースに、スモークチーズとシュレッドチーズをトッピングして焼いた「ミックスチーズトマトパン」。見た目もきれいだけれど、濃厚なトマトの味わいとチーズの風味がマッチして最高に美味しい。

【3】水分・糖分・油脂を変えるだけで、簡単にアレンジ倍増!

基本の材料の水、砂糖、バターをそれに代わる同種の異なる素材に置き換えることで、簡単に風味の違うパンに焼き上げることができます。

パンの種類、出来上がりによって、そのままでなく、水と混ぜ合わせて使った方がいいものなどもありますが、ほとんどのものは同量で置き換えて大丈夫です!後は味の好みで調整してみることをおすすめします。

水分を変える→牛乳、豆乳、野菜ジュース、コーヒー、ヨーグルトなど


牛乳をいつもより濃いめのものを使うだけでもグッとリッチな仕上がりになります。
豆乳を使えばしっとり柔らかいパンに。全粒粉などを混ぜ合わせる時はちょっとだけ酸味が欲しいのでヨーグルトをプラス!甘酒は甘みと発酵を助けてくれて便利。
最近のお気に入りはカルディのカレーパンからヒントを得て、コーヒーパンにカレーをサンドする即席カレーパン。

乳脂肪分が高い生クリームはバターがわりになります!

バターの代わりに生クリームだけで焼いたパンは恐ろしいくらい耳まで柔らかいパンに♡

バター代わりに使える生クリーム

耳までやわらかい!

とろけ落ちそうなほどふわっふわ!!

糖分を変える→素焚糖、はちみつ、メープルシロップ、ジャム

最近話題の「素焚糖」は有名食パン専門店やスイーツ店でもよく使われている砂糖。さとうきび100%の優しい甘みが特徴的。はちみつやメープルシロップを使う場合は甘さが控えめなので、甘めのパンを焼く時には少し多めに入れてもいいですよ。ジャムを使う時は糖度の低いものを選んでたっぷり入れ、砂糖を少し足して焼く。品の良い味わいのフルーツパンに出来上がる。

油分を変える→太白胡麻油、オリーブオイル、アボカドオイル、グレープシードオイル

バターを使うよりもさっぱりした味わいにしたい時は太白ごま油がオススメ!酸化しにくいのでパンの美味しさが長持ちする。オリーブオイルやグレープシードオイルなども、雑穀系パンを焼くときには臭みがなくて美味しく仕上がるんです。

定番材料のドライイースト、バター、塩も使いわけています!

インスタントドライイーストといえばフランスのサフ社のものを使っていらっしゃる方が多いと思います。赤と金、青、緑とありますが、ここではパンで使用する赤と青と金についてお話しします。赤は糖分が12%までのリーンな生地に向いているとされていて、ビタミンCが添加されています。ビタミンCはグルテンを強化してくれる働きがあるのでこのイーストはしっかりとした食感のボリュームのあるパンに仕上がるよう手助けしてくれます。青は赤のビタミンCに含まれていないタイプ。金は耐糖性のドライイーストなので、糖分が12%以上の生地に使用します。

私は赤と金を常備しておき、糖分のパーセンテージによって使い分けています。糖分を多く含むパンを焼く場合は金で。他はほとんど赤で大丈夫!

ドライイーストも使い分け

発酵バターを使うと風味が強くなります

塩は厳選したものを使用

また、バターも焼き上げるパンによって選んで使うことが多いです。バターの風味を生かしたいパンを作るときには明治の発酵バターがお気に入り。他のものと比べて、バターの風味が強いんです♡

加えて、塩もわずかな量とはいえ、重要な材料です。最近の高級食パンの傾向は塩角のないまろやかな塩が使われていることが多い感じがします。多くの高級食パンで使用されているシママースやぬちまーすは代表的な塩。最近、私のお気に入りは「青い海」。甘みすら感じるこの塩は、生クリームだけで焼いたパンでいい仕事をしてくれます(笑)。
いずれにしても、海塩がミネラル分が豊富でコクがあるのでおすすめです。

まだまだ、スイーツ系のパンのための素材や使い方などお伝えしきれず、私がよくつくるパンに使うほんの一部ではありますが、これだけわかっていれば、簡単にかなりの食パンアレンジを楽しんでいただけると思います。是非、色々試して、お気に入りのパンを焼きあげて下さいね。

八代恵美子/フードエディター

Martでは編集ライターとして活躍する傍ら、ホームベーカリー特集で有名店の食パンを再現するフードコーディネーターとしてもおなじみ。再現したパンはお店からもお墨付きをいただくほどの出来映え。自身が開催するホームベーカリーレッスンは告知公開と同時に満員になるほどの人気。機種を選ばず、焼き上げるレシピも好評。インスタでも数々のおうちパンを紹介している。
Instagram:@atrio_emy
HP:atrio-food.com

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