ホームベーカリーの“魔術師”が伝授!「お店みたいな食パン」の焼き方【1】

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外出自粛でおうち時間の過ごし方が注目を浴びる中、ホームベーカリーでパンを焼く人も増えているようです。そこでMartでは、ホームベーカリーを愛し、意のままに操るフードエディター・八代恵美子さんに、パン作りがもっと楽しくなるコツをシリーズで教えてもらいました。

今では「お店みたいなパンをホームベーカリーで焼き上げる」という企画はすっかり浸透していますが、このホームベーカリーブームの先駆けはMartでした。

10年以上も前に、「ホームベーカリーで焼くパンをもっと美味しくできたら…」という熱い思いで、人気のパン屋さんにお願いし、レシピ作りにご協力頂き、ホームベーカリーでたくさんの食パンを焼いてきました。

あのお店の人気パンを焼くために、ホームベーカリー片手に有名ブーランジェリーを東西南北、行脚し、その時々の話題のパンのレシピやアレンジを紹介してきました。

私も、ホームベーカリーで焼くパンが更に美味しくなり、ひいては毎日の食卓が楽しくなるようにと研究に研究を重ね、お店のパンの再現をしながらホームベーカリー生活を楽しんできて、気がついたら19年もの年月が経っていました。

緊急事態宣言後、おうちで時間を過ごすことが多くなり、お気に入りのパン屋さんにもなかなか行く事ができないという状況の中、ホームベーカリーを購入された方、長い間しまい込んでいたホームベーカリーをひっぱり出してきてパンを焼いている方も多いのではないでしょうか?

かつてないほどの食パンブームにあって、「あの専門店みたいな食パンが食べたい!」と思っている方々に向けて、今つくってほしい!食べてほしい!と思う注目の有名食パン&食パンアレンジを紹介していきます!その美味しさにホームベーカリーの概念が変わり、“おうち食パン”にハマること、間違いなしですよ!

最近の注目度No.1は関西発祥の「ハード食パン」

“パンのブームは関西から!”と、昔から思っています。
今はあたりまえになりましたミニスクエアのパンもとろけるブリオッシュも、当時大阪で一番人気を誇っていたと言っても過言でない「ブランジュリ タケウチ」(現在は「生瀬ヒュッテ」)が元祖!
大阪、神戸のパン屋さんは一日中歩き、見ているだけでも飽きないほど個性豊か!関東にはないユニークな発想に、私のおうちパンも刺激を受けています。

そんな中、最近、数々の食パン専門店でよく見かける食パンの1つが、フランスパンのように皮がパリッとした「ハード食パン」です。
この食パンも半年ほど前に神戸・御影のパン屋さんで出されると聞いてから、少し時間がずれて、今関東の食パン専門店でも見かけるようになりました。
お店によってはこのパンを「トースト専用食パン」とうたっているお店もあります。皮がさっくり食感のトースト好きにはたまらない食パンです。
小麦の香り、味わいを生かしたシンプルなパンなのでトーストはもちろんのこと、様々なアレンジも可能なのも長所ですね。

今回はフランスパン専用粉や最強力粉をわざわざ買ってこなくても、強力粉と薄力粉をブレンドして焼き上げる、お手軽バージョンのレシピです。
水分も通常のパンよりも多めに加えるので、しっとりもっちりし、美味しい状態が長く続きます。
生地がベトベトし、扱いづらいのですが、だからこそホームベーカリー向きのパンとも言えます。

最近、私は天然酵母コースでドライイーストで焼くパンにハマっているのですが、ハード食パン系はそれにとても向いています。少なめのドライイーストで、長時間じっくり発酵させて焼き上げるので、皮はパリッと、生地はもっちりしっとり♡お店もビックリなほど美味しいパンが焼き上がります(しかも、今回使用しているホームベーカリーは新機種ではなくて、10年前のものです!)
粉や配合を替えることで、あのパンドミだって焼けちゃいます。時間をかけて焼くだけのことがある、本当に美味しいパンです。時間がかかるので、夜寝る前にセットして、翌朝焼きたてを食べるのがおすすめです♪

ぜひ、一度は焼きたてをざっくり割って、パリパリ音をさせながら、皮をポロポロ落としながら(笑)食べてみて下さい!

お待ちかね、ハード食パンのレシピはこちら

材料(1斤分)
強力粉(はるゆたか)…180g
薄力粉(バイオレット)…70g
砂糖 (もしくは蜂蜜)…15g
塩…5g
バター…15g
水…180ml
ドライイースト…1g

つくり方
1.パンケースに水を入れ、塩、砂糖、粉類を入れ、中心にくぼみをつくってドライイーストを入れる。ドライイーストの脇にバターを入れて、ホームベーカリー本体にセットする。
2.天然酵母コース、[食パン]を選択して、スタートボタンを押す。
3.焼き上がって、コール音がなったら2〜3分置いてパンケースを取り出し、パンケースの周りを叩いて、横にして振りながらパンを滑らせるようにして取り出す。

ハード食パンの“必食アレンジ”はこの2つ

まずはバタートーストで!


追いバターで焼くバタートーストの中の王様♡
焼く前にパンの表面に切り込みを入れて、両面に霧吹きをして、余熱をしたトースターに入れて2分焼く。
バターをのせて、更に1分焼く。溶けたバターをパンの表面に伸ばし、更にバターをのせてトースターの扉を閉じ、20〜30秒置いたら取り出す。

カリカリベーコンをのせても♪

カリッと焼いたベーコンとの相性も抜群!私はメープルシロップをちょい足しして食べることもあります。バターのミルキーな味わいとベーコンの塩気、すっきりした甘さのメープルシロップが三位一体となったクセになる美味しさ♡

韓国の屋台で人気の「厚切りオムレツサンド」もおすすめ!

インスタ映えするような野菜がなくても、冷蔵庫に中途半端に余った野菜や、ハム、ソーセージ等を粗く刻んで、溶き卵に混ぜ合わせてオムレツにして、パンに挟んでしまいましょう。見た目も、栄養面もよく、何より手軽にできるのが嬉しいですね。厚切りにしたパンの山の部分から下に向って、途中まで切り目を入れて、軽くトーストし、その内側にマヨネーズやマスタード、ケチャップ等を薄く塗って、オムレツを挟むだけ。
ふんわりミルキーな味わいのオムレツと小麦の味が効いているサクッと食感のパンのコンビネーションが最高に美味しいです。

 

こんな風にパンの下の部分はワックスペーパーで包んで、立ててサーブしましょう♪
いつもは寝かせて盛りつけているサンドイッチも立たせるだけで雰囲気がグッと変わり、かわいくなって気分もあがります♥︎

 

八代恵美子/フードエディター

Martでは編集ライターとして活躍する傍ら、ホームベーカリー特集で有名店の食パンを再現するフードコーディネーターとしてもおなじみ。再現したパンはお店からもお墨付きをいただくほどの出来映え。自身が開催するホームベーカリーレッスンは告知公開と同時に満員になるほどの人気。機種を選ばず、焼き上げるレシピも好評。インスタでも数々のおうちパンを紹介している。
Instagram:@atrio_emy
HP:atrio-food.com

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