肉や魚を調味料に浸して冷凍する「下味冷凍」。下ごしらえの手間がなく、簡単に美味しい一品がつくれます。ここでは、鶏もも肉の下味冷凍を北京ダック風にアレンジしたレシピを紹介します。冷凍庫に常備すれば、とっても便利。メニューの幅が広がりますよ。
肉も魚も生より下味冷凍で美味しさがアップします
教えてくれたのは
上島亜紀さん
料理家。家庭料理をメインに、手早く本格的な味わいの調理方法が人気。下味冷凍のオリジナルレシピも多数。著書に『頑張らなくていい 仕込み1分の冷凍作りおき』(ナツメ社)など。
「下味冷凍と聞くと『調理するときは時短で便利だけれど、下準備や解凍が面倒で……』と思う方もいらっしゃいますよね。私が下味冷凍をおすすめするのは、肉や魚など、そのままより下味冷凍したほうが味が落ちず軟らかくなり、うま味や味わいがアップするからなんです。
冷凍するときのポイントは、味が全体に染みわたるよう、マチなしの冷凍用保存袋に平らに入れ、金属製のバットにのせて冷凍すること。1カ月以内ならば美味しく食べられます。冷凍庫の中にストックしておけば、あらゆる場面でパパッと一品がつくれて大活躍しますよ」
鶏もも肉の下味冷凍をつくる
鶏もも肉×玉ねぎ×マーマレード×しょうゆ×にんにく
【材料】2人分
- 鶏もも肉 1枚(約300g)
- 塩 小さじ1/3
- 粗挽き黒こしょう 少々
- (A) 玉ねぎ(薄切り) 1/2個
- (A)マーマレード 大さじ3
- (A)しょうゆ 大さじ1
- (A)にんにく(すりおろし) 小さじ1
【つくり方】
- 鶏もも肉はペーパータオルで水気をふき取り、肉の厚みが均一になるように開き、余分な脂を取り除く。半分に切り、塩、こしょうをふり、10分ほどなじませる。
- 冷凍用保存袋にAをすべて入れ軽く揉み、さらにを入れ味が全体に絡むよう揉み込む。鶏肉が重ならないよう平らにし、空気を抜きながら密封して冷凍する。
【ポイント】
上手な解凍方法は“慌てずじっくり”
ボウルやバットに、40~50℃のぬるま湯を張り、下味冷凍を袋のまま入れます。表面を触って袋の中の食材が軟らかくなっていたら調理可能です。解凍時間の目安は、約10分です。
下味冷凍を使ってつくる「炙りチキンの北京ダック風」
下味のついた鶏もも肉を、魚焼きグリルに並べて直火でパリッと焼き上げれば、高級中華料理「北京ダック」のような食べ方が楽しめます。しょうゆとにんにくの風味が効いた鶏もも肉を、きゅうりやねぎと一緒に春巻きの皮に包んでいただきましょう。ソースは下味の漬け込み液を生かし、レンジで手早くつくれます。
【材料】2人分
- 鶏もも肉(下味冷凍) 1~2袋
- 春巻きの皮(小) 2袋(20枚)
- きゅうり 1本
- 白髪ねぎ 1/2本分
- パクチー 適量
- オイスターソース 大さじ1
- バターピーナッツ 適量
【つくり方】
- 鶏もも肉を解凍して取り出す。漬け込み液は取りおく。きゅうりは細切りにする。
- グリルに鶏肉の皮目を上にしてのせ、弱火で7 ~ 8分焼いたら、1分置く。
- 耐熱ボウルに、の漬け込み液とオイスターソースを入れてよく混ぜ、ラップをせず600Wのレンジで約2分加熱し、沸騰させる。
- 2の鶏もも肉を1㎝幅に切り、きゅうり、白髪ねぎ、パクチー、バターピーナッツ、春巻きの皮を皿に並べる。春巻きの皮で具を包み、のソースをつけて食べる。
【ポイント】
まとめ買いしたときの保存法としても役立つ、下味冷凍。忙しい平日はもちろんのこと、リッチなテーブルを囲みたい週末、屋外でダイナミックな料理を食べたいキャンプと、あらゆる場面で大活躍! ぜひお試しください。
Mart冬号 平日、週末、キャンプ いつでも使える安定の4レシピ「下味冷凍」美味しい三段活用!より
撮影/小林愛香 取材・文・スタイリング/新里陽子 編集/富岡幸子