外出自粛でほとんど動かない日が続いたせいで肩がガチガチ。パソコン作業をちょっとしただけで肩が重い……。そんな肩こりに悩んでいませんか?肩こりがひどくなると、頭痛や全身のだるさにもつながり、日常生活への影響も大きくなってしまいますよね。肩こりの原因と解決法について、あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、佐藤瞳さんに詳しく解説してもらいました。
痛すぎる肩こり、原因は何?
肩こりには、いくつかの原因があります。女性に多い4つの原因について、解説します。
1.筋力不足や運動不足
肩こりは肩や首周りの問題であると考える人も少なくないのですが、実は全身が関係してきます。
普段から正しい姿勢をとっていなかったり、運動の習慣がなかったりする人は、この腹筋や背筋の筋力が不足しています。また、そのような人は筋肉の柔軟性がなくからだが硬いので、全身の血行が悪くなり、余計に肩こりを悪化させてしまうのです。
2.目を酷使している
疲れ目も肩こりの原因になります。スマホ、テレビ、パソコン……気づけば常に何かの画面を凝視していませんか?細かい字を読む機会が多い人や、書類の確認作業が多い仕事の人も要注意です。
そういった時間が長くなると、自律神経のうちの副交感神経がずっと活動している状態になります。自律神経は交感神経と副交感神経系で成り立っているため、からだはバランスを取ろうとして交感神経の方を活動させます。交感神経系が過剰に活動すると、筋肉に力が入りすぎてしまい、肩こりになると考えられています。
3.過剰なストレス
過剰なストレスは交感神経を刺激するため自律神経のバランスを乱し、肩こりの原因となると考えられています。
また、ストレスに長時間さらされている人は肩や全身に力が入りがちです。そのため、肩こりを悪化させやすい状態であると言えるでしょう。
4.ホルモンバランスのゆらぎ
更年期に肩こりが悪化した場合は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少が原因である可能性があります。ホルモンバランスの乱れから自律神経が不安定になることで血行不良を招き、肩こりを引き起こしてしまうからです。さらに自律神経が不安定になると、肩こりの痛みに対しても敏感になると考えられています。
Mart世代では「閉経はまだだし、自分は関係ない」と思う人も多いことでしょう。しかし、最近では30代後半~40代前半でも、更年期障害と同じような症状に悩まされるケースが増えています。このようなケースは「プレ更年期」と呼ばれており、更年期の治療が効果的である場合もあります。
とにかく肩を軽くしたい!肩こり解消に役立つ4つの方法
つらい肩こりをすぐにケアできる4つの方法をご紹介します。自宅でできることばかりなので気軽にトライしてみてください。
1.肩や首だけじゃない!全身の筋力を高めて正しい姿勢をキープ
肩こりがひどい時だけではなく、日ごろから運動をすることが大切です。普段の生活の中であまり動かしていない関節や筋肉を意識的に動かすことで、からだが硬くなるのを防ぎます。
正しい姿勢を保つには、背筋や腹筋も関係してきます。肩がこっているからと肩や首だけに注目するのではなく、全身の筋力をアップするようにしましょう。
2.マッサージで疲れ目を撃退
疲れ目が肩こりの原因となっている場合は、目を休めることが効果的です。おすすめの方法は、目の周りにある骨に沿ってマッサージをすること。ぐりぐりするのではなく、指1~2本で2~3秒力をかけてぱっと放します。左右同時に行いましょう。目の周りだけでなく、眉間やこめかみを押すのも気持ちいいですよ。
ホットタオルやホットアイマスクで血行を促進するのも効果的です。
3.きちんと休んでストレスをためない
1日に予定をたくさん詰め込みがちな人は、ゆっくりする時間や、休む時間も「予定」として確保するようにしましょう。
時間の余裕を持つことで心の余裕も出て、ストレスを感じにくくなるはずです。
4.漢方薬で自律神経の安定を目指そう
「肩こりで痛み止めをずっと飲むのは副作用が心配」「そもそも肩こりにならない体質になりたい」。
そんな人には漢方薬がおすすめです。
漢方薬の原料は、植物や鉱物などです。自然界にあるそれらを基本的には2つ以上組み合わせてつくられます。西洋薬より副作用が少ないと一般的には言われています。
また、漢方薬は症状の緩和や苦痛を和らげるための一時的な対症療法ではなく、根本的な体質の改善を目指すものです。悩ましい症状を繰り返したくないという思いに応えてくれます。
なお、漢方薬は毎日決まった量を飲むだけと、手軽に実践できます。栄養バランスの良い食事や規則正しい生活、定期的な運動などを継続することが難しい人でも取り入れられて、継続しやすいというメリットがあります。
- 抑肝散(よくかんさん)
気の巡りをよくして、神経の高ぶり、怒り、興奮を伴う肩や背中のこりを和らげます。 - 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
気の巡りをよくして自律神経の緊張を緩和し、筋肉の緊張をゆるめ、肩こりを和らげます。 - 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
滞った血を巡らせて血行がよくして肩こりを改善します。
ただし、漢方薬は体質に合うものを選ぶことがとても大切です。体質に合わないと、望んだ効果を得られなかったり、副作用がおきたりする可能性もあるためです。自己判断ではなく、漢方の知識を持つ医師や薬剤師に相談の上、購入しましょう
お手頃価格で不調を改善したい、という人にはスマートフォンで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスもおすすめです。AI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」もあります。
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肩こりのケアは全身のケアから!少しずつ始めよう!
私たち日本人は、欧米人に比べて肩がこりやすいと言われています。だからこそ、日ごろの運動やストレスをためない工夫が大切です。
適度な運動習慣やストレスをためない生活は、肩こりだけではなく他の病気や不調の予防ともなります。今のうちから少しずつ良い習慣を生活に取り入れるようにしましょう。
肩こりや不調から解放されて、元気に過ごしてくださいね!
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 佐藤 瞳
製薬会社で臨床開発に従事後、「薬を実際に使っている患者さんの声が聴きたい!」との思いから、調剤薬局で勤務。病気を未然に防ぐライフスタイルや働く女性に役立つ漢方の情報を発信している。登録販売者試験講師としても活躍中。