「細かいことが気になってイライラしてしまう」「イライラした気持ちを周りの人にぶつけてしまってつらい」など、感情の起伏に悩んでいる人はいませんか? イライラしている自分が嫌になってしまうこともあるかもしれません。実は漢方薬の中には気分の波を落ちつかせてくれるものもあるんです。嫌な気持ちになることを減らして、毎日明るく過ごしましょう。
女性がイライラしやすいのはどうして?
女性は男性と比べてイライラしてしまうことが多い……と感じる人はいませんか? 女性がイライラしやすい大きな理由は、ホルモンバランスが周期的に変化するためです。
女性は月経によってホルモンバランスが変動するため、その影響でどうしても感情のコントロールが難しい時期があるのです。自分で気になるほどに難しい場合には、「PMS(月経前症候群)」として治療も可能です。
また、ストレスや疲労が原因で自律神経が乱れてしまい、それによってイライラしてしまうこともあります。頑張り屋さんで息抜きが苦手な人は、ストレスのせいでイライラしているのかもしれません。
あなたのイライラのタイプを診断
イライラのタイプ別におすすめの漢方薬は3種類あります。西洋薬は症状ごとに薬を選びますが、漢方薬の場合は症状だけでなく体質をみて適した漢方薬を選択します。これは、からだ本来のバランスを根本から改善することが漢方薬の目的であるためです。
つまり、漢方薬は西洋薬と異なり、イライラだけでなく、落込みや頭痛、肩こり、むくみやだるさ、便秘など同時に起こるいくつもの症状に対して、根本から改善を目指せるのです。
漢方薬は、実際に婦人科の治療でも使用されています。全体的な心と体のバランスの乱れを回復させる働きをもつため、病気とまではいえないようなイライラなどの症状に対しても効果を発揮できます。
イライラのタイプを知るためのチェックリスト
まずは下記のA、B、Cの体質と症状のうち、どれがご自身に当てはまるかをチェックしてご自身のイライラのタイプを診断してみましょう。
A
- 体力は普通か、少なめ
- 冷え性だけど、のぼせる感じもある
- 疲れやすい
- 肩こりがある
- 便秘がち
B
- 体力は普通か、それ以上
- 血圧は低くない
- 動悸がある
- 眠れない
- 便秘がち
C
- 体力は普通である
- 不安感や動悸がある
- めまい、嘔気がある
- 喉がつまる感覚がある
- 胃腸が弱い
Aが当てはまる人→生理前がとくにつらいタイプ
Bが当てはまる人→ストレスをため込みやすいタイプ
Cが当てはまる人→不安や動悸などもあるタイプ
3つのタイプ別 おすすめの漢方薬
A:生理前がとくにつらいタイプ
生理前のPMSによるイライラがつらいタイプにおすすめしたいのが、加味逍遙散(かみしょうようさん)です。
生理前には、どうしてもイライラが抑えられなかったり、時には周りの人に八つ当たりしてしまったりすることもありますよね。生理前のからだは、血の巡りが悪くなっていたり、血液が不足した状態。さらに、漢方医学でいう「気(生命エネルギー)」の循環が悪くなっている状態です。
実際に、めまいなどの貧血症状が気になる人もいるでしょう。加味逍遙散は、「血(けつ)」を補い、元気の源である「気」の循環をうながすことで、イライラを鎮めてくれます。
ただでさえ、生理前から生理中はからだがつらい時期です。漢方薬で気持ちの波が小さくなれば、少し助けになるのではないでしょうか。
B:ストレスをため込みやすいタイプ
イライラして眠れない。そんな人には柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)がおすすめです。イライラによる脳の興奮は「気」を乱し、不眠につながってしまいます。
ストレスタイプの人は、緊張しやすい、人付き合いで疲れるなどのストレスが理由で、「気」の循環がじゃまされている状態です。柴胡加竜骨牡蛎湯は、「気」をスムーズにめぐらせ、からだの熱を冷ますことで脳の興奮をおさえてくれます。
C:不安や動悸などもあるタイプ
イライラだけでなく、気分の落ち込みや喉のつまるような感覚がある人は半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)がおすすめです。
漢方では、不安を感じやすい人は「気」が滞りやすく、その結果として喉や胸に何かがつかえたような感覚になるといわれています。半夏厚朴湯は、「気」を開放するように働くので、これらの症状の改善に効果的です。
なんとなくいつも元気が出ない人、気持ちがマイナスに傾きがちな人は、試してみませんか。
自分に合った漢方薬がわからないときは?
漢方薬は治療でも使われている薬ですので、自分の体質に合わせたものを選べば、しっかりと効果が期待できます。逆に、体質に合わない漢方薬を選んでしまうと、「気・血・水」のバランスがかえって悪くなることもあるため注意が必要です。
また、漢方薬はドラッグストアなどでも購入できますが、市販品はどんな人でも使えるように成分の含有量が少なく設定されていることもあります。そのため、処方の漢方薬よりは期待できる効果が低いといえるでしょう。
重要な点は、自分の体質や症状に合った漢方薬を選ぶことです。しかし、体質や症状といわれても、慣れないうちは自分ひとりで判断するのが難しいかもしれません。
そんなときは、漢方薬の専門家に相談してみましょう。病院や薬局まで行かなくても、オンラインで簡単にカウンセリングを受けられるサービスもあります。
漢方に詳しい薬剤師が、AIの技術を使って一人ひとりにぴったりの漢方薬を選んでくれるサービス「あんしん漢方」を試してみませんか? おうちに郵送で薬が届くので、手軽に始められますよ。
漢方薬でイライラしにくい自分に!
今回は、イライラを改善してくれる漢方薬を3つご紹介しました。
女性は、ホルモンバランスの乱れやストレスによる自律神経の乱れによって、イライラなど気持ちの振れ幅が大きくなりがちです。少しでも気持ちの波がおだやかになり、楽しい毎日が過ごせるように、漢方薬を取り入れてみてはいかがでしょうか。
なお、漢方薬を服用される際は専門家に相談することで、ご自身にあった漢方薬を知ることができるでしょう。
<この記事を書いた薬剤師>
薬剤師 中山 歩実
大学病院、市立病院での勤務を経て、長期療養型の病院へ転職。なかなか改善しない症状に対し漢方を使ったサポートを実施している。さまざまな病気の段階の方と接する中で、正しい医療情報を得ることの難しさを痛感し、ライター活動を開始。がんや感染症、生活習慣病など幅広い疾患や薬についての記事制作を担当。「誰もが自分のからだを労れる社会」を目指し、あんしん漢方などでわかりやすい情報を発信している。
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