30~40代のMart世代は、心身ともに大きく変化を迎える世代。結婚、出産、仕事の重責、更年期の訪れなど、さまざまなライフイベントなどで生活が変わっていくことが多いと思います。不調を感じても忙しくてそのままにしてしまいがちですが、本当は誰かに相談して受け止めてもらいたいですよね。
そんなMart読者から寄せられたお悩みについて、産婦人科医の高尾美穂先生にやさしいアドバイスをいただきました!今回は、なかなか疲れがとれないお悩みについてです。
悩める女性の心を軽くしてくれる!高尾美穂先生
産婦人科専門医・婦人科スポーツドクター・ ヨガ講師。産婦人科専門医として、女性の健 康をサポートしつつ、それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った治療を提案する一方、スポーツドクターとして、女性のプロアスリートへのサポートも行っています。雑誌やテレビほかさまざまなメディアでも、女性のお悩みへの優しいアドバイスが好評です。
【Q】寝ても休んでも全然疲れが取れません。
くたくたになって倒れるように眠り込んだけれど、朝起きてもすっきりしないし体が重いまま……。そんなつらい体験をしたことはありませんか?寝ても疲れが取れないときにはどうしたらいいのでしょうか?
【A】睡眠だけでなくセルフケアや達成感を得ることなどで疲れを軽減しましょう
疲れが取れないと感じる理由はいくつかありますが、やはり大きいのは、リラックスできる時間がきちんと確保できていないことではないでしょうか。
改善方法として、まず一つ目は睡眠。先ほども述べたように、40代になると中途覚醒などにより、よく眠れていないと感じる女性は多いです。それが原因であれば、先ほどの対処法を試してください。ただ、そもそもこの年代の女性は仕事や子育て、家事などが忙しく、睡眠時間が短くなりがち。寝ても疲れが取れていない、すっきりしないと感じる人は、まず睡眠時間を延ばしてみてください。それだけでもかなり効果がありますよ。
二つ目は起きている時間に自分をケアすること。ヨガやストレッチなど、体の疲れを取るために自分が試してみたいと思うことは、一度やってみましょう。マッサージや鍼灸など、誰かほかの人の手で疲れを取ってもらうことも大切。合っていると感じたものは続けていくと、疲れの軽減につながりますよ。
三つ目は達成感を得ること。更年期障害に悩む女性のいちばん多い訴えは「疲れやすい」です。つまり40代になると疲れているのは自分だけでなく、周りの同年代の女性も同じなんですね。この年代の女性の多くは日常に追われて忙しいだけでなく、自分のペースで時間を思いどおりに使えないことも。そうすると自分のことで達成感を感じることが減り、より疲れを感じやすくなってしまいます。
「今日は新しいメニューに挑戦できた」「いつもより上手に掃除ができた」など、どんな小さなことでもいいので、頑張ったことを毎日カウントしてみてください。自分を褒めるクセをつけると達成感を得ることができ、疲れも前向きに受け止められるはずです。
【高尾美穂先生のアドバイス】
Mart webでは「高尾美穂先生のお悩み処方箋」を、月に一度の配信で連載中。更年期、PMS、睡眠、自律神経など、30~40代の女性に多い体や心のお悩みに答え、心にしみるあたたかい言葉で、やさしく背中を押してくれると好評です!ぜひこちらもご覧ください。
撮影/中林 香 イラスト/モリナオミ 取材・文/酒井明子 編集/倉澤真由美