花粉症にはなぜ漢方?効能やおすすめ漢方をチェック【薬剤師監修】

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ぽかぽかと温かくて、心もはずむ春。寒い冬が過ぎて過ごしやすい気候になったというのに、毎年花粉症に悩まされてしまう……という人も多いのではないでしょうか。春の花粉症のおもな原因であるスギやヒノキの花粉は、2~5月ごろが飛散のピーク。花粉症による鼻水・鼻づまりなどは日常生活に支障をきたす場合もあり、決して軽く見ることはできません。漢方薬のなかには、花粉症対策に頼れるものもたくさん。今回は、花粉症におすすめの漢方薬を紹介します。

花粉症になぜ漢方が有効なの?

まず、花粉症に対して漢方を用いるメリットを解説します。

予防薬として服用できる

花粉症に有効な漢方薬には、鼻水が気になりはじめる花粉症の初期からの服用に適したタイプや、粘り気のある慢性的な鼻水に向いているものなど、さまざまな種類があります。

なかには、免疫力を高めることで、花粉症の症状が出にくい体質に改善することができる漢方薬もあります。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)のように早めの服用に向いている漢方薬を服用すれば、本格的な花粉シーズンが来る前から予防的に花粉症対策を始めることが可能です。

眠くなりにくい

花粉症に用いられる一般的な西洋薬(抗アレルギー薬)には、眠気につながる成分が含まれているケースもよくあります。一方、漢方薬には抗アレルギー作用はあるものの、眠気の出る成分が配合されていません。

そのため、漢方薬は、眠気を避けたいビジネスパーソンや受験生にもおすすめです。

体質にアプローチできる

西洋薬では目には目薬、鼻には点鼻薬など、症状別に症状を和らげることを目的とした薬が用いられます。

一方、漢方薬の場合、「鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状を抑える」作用だけでなく、「炎症を和らげ、炎症しにくい体質に変える」「消化・吸収機能をよくして抵抗力を高める」「水分の循環をよくしてアレルゲンや老廃物を排出する」といった作用をもつ薬を体質に合わせて選び、根本からの改善を目指します。

花粉症の症状は体質などの影響で一人ひとり異なる場合があり、体質に合った漢方薬を見極めることで効果的に服用することができます。

 

花粉症に用いられる漢方薬

続いて、花粉症に用いられるおもな漢方薬を解説します。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

水っぽい透明な鼻水やくしゃみ、水っぽい痰などが出る人に向いている漢方薬です。

からだの冷えを防いで水分の巡りをよくすることで過剰な水分を排出させ、花粉やハウスダストなどによるアレルギー性鼻炎の症状を改善します。

【第2類医薬品】ツムラ漢方小青竜湯エキス顆粒 8包 ※セルフメディケーション税制対象商品

苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)


小青竜湯と同じような作用を示しますが、麻黄(まおう)が含まれていないため、胃腸が弱い人、高齢者、麻黄を避けたほうがいい人(高血圧や不整脈のある人)などに向いている漢方薬です。
痰の多い咳や気管支喘息などにも用いられます。

【第2類医薬品】苓甘姜味辛夏仁湯エキス〔細粒〕62 12包

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)

鼻の奥に熱感があって鼻づまりが激しく、粘り気のある鼻水が出る人に適した漢方薬です。熱を冷まして呼吸器をうるおす働きがあり、慢性的な鼻炎に効果を発揮します。

【第2類医薬品】辛夷清肺湯エキス顆粒「クラシエ」 24包

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

手足の冷えがひどく、寒気や全身倦怠感のある人に用いられる漢方薬です。からだを内側から温める働きがあり、風邪の引きはじめなどにも適しています。

【第2類医薬品】ツムラ漢方麻黄附子細辛湯エキス顆粒 20包 ※セルフメディケーション税制対象商品


花粉症に効く漢方薬はさまざまなものがあり、自分の体質や症状に合ったものを選ぶことが非常に重要です。しかし、どの漢方薬が自分に適しているのか、自分で見極めるのは難しいものです。おすすめなのは、漢方に精通した薬剤師に見極めてもらうこと。

最近は、オンラインで漢方相談ができるサービスも。「あんしん漢方」は、薬剤師がAIを活用しながら一人ひとりに適した漢方薬をアドバイスしてくれます。お手頃価格で漢方薬を自宅に郵送してくれるので、とても便利ですよ。

花粉症対策に、漢方薬という手も

花粉症に効果のある漢方薬には、小青竜湯や辛夷清肺湯などさまざまな種類がありますが、その漢方薬に適した症状や体質はそれぞれ異なります。漢方薬で花粉症をケアするには、自分の鼻水などの状態に合った薬を選ぶことが重要です。

自分に適した漢方薬を客観的に判断するのは難しいので、漢方の専門家に相談するのがおすすめです。スマホで完結できる、オンライン漢方サービスもチェックしてみてくださいね。

漢方薬を使って、効果的な花粉症対策を始めましょう。

<この記事を書いた人>

薬剤師 竹田由子
大学院で臨床薬学を専攻、病院で10年勤務、結婚後は調剤薬局勤務、ライターとしての活動も始める。腎機能低下を機に、月経痛への鎮痛剤使用量を漢方で減量成功した経験がある。元漢方・生薬認定薬剤師で薬膳漢方マイスター。「日常の不調はまず漢方」をモットーに生活を送る。病院時代の長いDI経験を生かし、薬の面から分かり易くサポートしたいと考えている。

●あんしん漢方

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