【働くMartミセス】息子の不登校を経験して(前編)

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得意の英語力を発揮できるやりがいのある仕事、大変だけれども幸せに満ちた双子の息子たちの育児など、当時の気持ちを聞きました。

【PROFILE】

島田有紀さん(43 歳) 神奈川県横浜市在住 イメージコンサルタント/派遣事務職

カラー診断などを通じて似合うファッションを提案し、時にはショッピングにも同行。最近は オンラインでのメークレッスンなども実施する一方で、週に4日は派遣で事務職として勤務。 夫と双子の男の子(小学5年生)の4人家族。Instagramアカウントは@yukis0523

息子の不登校を経験して成長。
コミュニケーション欲求を満たす
ためにWワーク生活を始めました(後編)

「お客様が、紹介した色布を当てながら『確かにこの色だと違うかも!』と何度も鏡を見るなどの反応があったときは、『やった!』という気持ちになりますね」

ファッションやメークを通じて 新たな扉を開くお手伝いを

昨年春からフリーのイメージコ ンサルタントとして働くと同時に、 週に4日、派遣で事務職もこなす Wワーカーの島田さん。
「1年半前にイメージコンサルタ ントの資格を取って開業しました。 カラー診断、骨格診断、顔型診断、 メークなどによって、なりたいイメージに近づくためのファッショ ンを提案しています。『苦手意識 があってこれまで挑戦できなかっ た色だけど、私に似合うんですね』 など、お客様の新しい扉を開いて あげられる瞬間に立ち会えるのが、この仕事の醍醐味です。大好きなファッションに関わる仕事ができて楽しいのですが、欲を言えば、 フリーランスゆえに『職場のコミ ュニケーション』がない寂しさが唯一の欠点でした」
そんなコミュニケーション欲求を満たすために、今年に入ってか ら始めた派遣での事務職の仕事。
「人と話をするのが好きなので、 同僚との日々の他愛のないコミュ ニケーションに満たされています。職場では、若いOLやワーママたちのファッションやメークの悩みなどをリサーチできて一石二鳥なんです」
プライベートでは小5の双子の 男の子を育てる忙しいママ。
「息子たちの様子を見ながら、必要に応じてフリーランスの業務量を調整できるので、仕事と育児を両立できています。忙しくても、 しっかりと息子たちとの時間をとれるのがいいですね」

突然の息子の不登校。11年勤めた会社を退職し息子に寄り添い続ける

大学卒業後は、20代のうちにしかできないことをやりたいと、ワーキングホリデーでカナダへ。帰国後29歳で就職し、海外メーカーの日本支社で営業アシスタントを務めた。
「念願だった英語を使った仕事だったうえ、さらに国内外への出張も多く、アクティブな私の性格に合っていました」
30歳で結婚し、32歳で男の子の双子を出産。
「息子たちが4歳までは記憶が飛ぶほど忙しい毎日でした。仕事は続けていたので、勤務時間がむしろ息抜きになっていました」
忙しいとはいえ順調だった育児と仕事の両立、風向きが変わったのは息子たちが小学3年生に進級した春のこと。息子の一人が朝になると「おなかが痛い」「頭が痛い」と言うように。
「最初のうちは本当に体調不良だと思っていました」
けれどもしばらく続いたためさすがにおかしいと思い、息子に「もしかして学校に行きたくない理由があるの?」と聞いてみるものの、その日によって理由が異なる。スクールカウンセラーに相談をすると「無理やり学校に行かせるのはよくない」 とのこと。今は息子に寄り添わなくてはと5月には11年勤めた会社を退職し、息子に寄り添う日々がスタートした。
「『なんで?』『どうして?』で頭はいっぱいでした。でもスクールカウンセラーから、根掘り葉掘り聞 かないほうがいいと言われていたので、不登校の核心には触れないようにしていました」
やっと職員室まで行き、先生が迎えに来てくれても、それでも息子の口から出るのは「やっぱり帰る……」。
「毎回『そっか、帰ろうね』と息子を受け入れていましたが『何でここまで来て行けないの? どうして?』という思いばかりが心中に渦巻いていました。でも、ここで私が怒ったり責めたりしたら、息子は家にも居場所がなくなってしまう。だからすべての言葉をのみ込み、寄り添い続けました」
(後編に続く)

 

撮影/平林直己(BIEI) 取材・文/須賀華子 構成/上原奈緒

Mart10月号 働くMartミセス より

 

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