2019年10月の消費税増税を見据えて、「増税前に高い買いものをしておかなくちゃ!」と思っている人もいるのではないでしょうか。中でも自動車は税制度が変わり、買う時期により税額が変わってくるので注意が必要です。
今回は「自動車課税の見直し」をテーマに、新車はいつ買うとお得なのか、マクロエコノミストの崔 真淑(さいますみ)さんに解説していただきました。
崔 真淑(さいますみ)さん
マクロエコノミスト。大和証券SMBC金融証券研究所(現・大和証券)に勤務し、最年少女性アナリストとして主要メディアで解説者に抜擢される。現在はGood News and Companies代表、シーボン社外取締役、昭和女子大研究員。日経CNBC『崔 真淑のサイ視点』ほかテレビ東京、NHK、BSスカパー!等で経済解説を行う。身近に感じる経済解説が人気。
新車は買う時期が早いほうが税金が安くなるケースも
これから新車を買う際、車種によっては、購入時期が早いほうが税負担が小さくなるケースがあるようです。
それは、2019年10月に消費増税が予定されていることが影響しています。過去の消費増税時を見ると、自動車販売が一時的に落ち込む可能性があるからです。それを見越して、与党は2019年10月から自動車保有に掛かる自動車税を引き下げることを税制改正大綱に盛り込みました。
これだけを見ると嬉しいニュースに見えますが、日本は世界でも突出した財政赤字の国です。減税をするならば、別のところから財源を確保する必要が出てきます。
そこで、燃費がよいエコカー向けの自動車取得時の減税を、2019年4月から縮小する増税も実施することになりました。また、自動車取得税の制度を10月から廃止して、新たに環境性能割を導入することも決まっています。
焦って駆け込み購入せず、本当に今必要か考えて
2019年10月からは、保有に掛かる税金は安くなるものの、取得に掛かる税金は増えてしまいそうです。では、平均的に見て自動車関連の税負担はどうなるのでしょう?
さまざまなケースが考えられますが、仮に自動車を10年保有するとしたら、トータルでは税負担が増すケースが多くなってしまいそうです。車種によって違いはありますが、車を買う予定があるなら、2019年9月末までに購入することでお得になるケースもあるということです。
しかし、新車を買う予定がある人は、みんな同じことを考えているもの。過去の消費増税時のデータを見ると、駆け込み需要が増えすぎてしまい、増税後のほうが安く商品を買えるケースが散見されました。自動車メーカーもそれを見越して、増税後のほうが価格交渉に応じてくれるケースも出てくるかもしれません。
何が何でも「増税前に絶対買わなくちゃ!」と焦らずに、本当に今、自動車を購入すべきか家族で向き合うことも必要かもしれません。私も、「増税前に駆け込みであれこれ買っておこう」と意気込むよりも、これを機に何が本当に必要なものかを精査したいと思います!
2019年自動車にかかる税制度はどう変わる?
崔 真淑さんが考える、これから新車を買うときに気をつけること
・2019年9月までに買うと税金が安くなる車種もある。
・増税前に買わなきゃと焦らず、本当に必要かよく考えて。
※掲載中の情報はMart誌面掲載時のものです。
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イラスト/熊野友紀子 構成/タカノマイ(Mart編集部)
Mart2019年3月号
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