少額投資って気になるけれど、なんとなく怖い……と、今一歩踏み出せずにいる方に向けて、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんが、Q&A方式でみんなの疑問や不安をわかりやすく解説! 難しくも怖くもない投資もあるので、気負わずに始めることができそうです。
Q1. 投資ってギャンブルみたいなイメージが?
A1. 最近の投資は、少額からでもできる積立投資です
投資にはいろいろなやり方があるのですが、皆さんが思い描いているイメージは、大金を投資して損をするようなものだと思います。
ですが、最近すすめられる投資は、少額からでもできる積立投資です。リスクの分散を図り、長期的に見て利益を膨らませていく投資が主流です。銀行にお金を預けていても金利がほとんどつかない今、貯金だけではつくれない資産形成を目指せます(※リスクとは危険という意味でなく、価格の振れ幅のこと)。
【Mart読者の実例①】初心者の私でも始めてみたら面白くて……。楽天カードでポイントも貯まりダブルでおトク
読者DATA:Hさん(33歳)神奈川県川崎市在住 パート勤務 子どもは10歳、9歳、6歳の女の子
- 種類/楽天証券で「つみたてNISA」
- 開始時期/2021年7月~
- つみたて額/¥4,000/月
- 運用商品/全世界株型投信・バランス型投信
- 増加率/ 約3.9%UP
「自分がパートで働いたお金でやりくりできる金額を……と思い¥4,000からスタート。楽天証券で口座をつくるところがひと手間ですが、購入した3銘柄の株の推移を月に一度チェックするだけ。思いのほか面白く、ポイント投資分も移行して金額を増やそうかと検討中です」
【用語メモ】投資とは
投資とは
「利益を見込んで、投資商品に自己資金を投じること。価格が動くため、期待される利益は確約されていません。そのため、元本の保証もなく、元本割れの可能性もあります」
投資の種類は
「投資信託・ETF(上場投資信託)・個別株・外貨預金・国債・REIT(不動産投資信託)・不動産投資・個人向け社債・金(きん)・FX(外国為替証拠金取引)・暗号資産(仮想通貨)などがあります」
Q2. 何から始めるのがいいのか、 さっぱりわかりません
A2. 初心者は、カンタンほったらかしでできる「つみたてNISA」がおすすめ!
初心者が始める投資は、「つみたてNISA」がおすすめです。少額で始められますし、簡単にやめることもできます。税制優遇されているので、利益が出ても税金がとられません。一度設定するとあとはプロが運用してくれ、自動的に積み立てられるので、ほったらかしで投資できるという点も魅力です。
似たような商品に「NISA」もありますが、税制優遇期間が5年と短いので、コツコツ貯められる「つみたてNISA」がよいでしょう。また、投資商品も金融庁が認めたものだけという点も初心者が始めやすいポイントの一つです。
【Mart読者の実例②】ほったらかしでOK!しかもちゃんと増えてるからうれしい~
読者DATA:Hさん(41歳)福岡県太宰府市在住 会社員 子どもは16歳の男の子
- 種類/福岡銀行で「つみたてNISA」
- 開始時期/2019年5月~
- つみたて額/¥5,000/月→ ¥10,000/月(2020年10月~)
- 運用商品/全世界株型投信
- 増加率/ 約23%UP
「地元の福岡銀行で『つみたてNISA』をすすめられたのがきっかけでした。銀行の窓口は手数料が高いことも承知のうえで、安心感と相談のしやすさもありスタート。株価によって変動はあるかもしれませんが、ほったらかしでいいのは気分的にラクですね。お知らせ通知で〝増えてる″って実感!」
【用語メモ】つみたてNISAとNISAの違い
つみたてN I S A
- 何がお得? :運用益が非課税
- 非課税になる期間:最長20年
- いくら投資できる? :年間40万
- 投資可能期間は? :~2042年
- 何に投資できるの? :厳選された投資信託・ETF
- 資産の引き出し:いつでもOK
NISA
- 何がお得? :運用益が非課税
- 非課税になる期間:最長5年※
- いくら投資できる? :万年間120万
- 投資可能期間は?:~2023年
- 何に投資できるの? :上場株式・投資信託・ETF
- 資産の引き出し:いつでもOK※新NISAへ移管(ロールオーバー)して継続可。
Q3. どこで始めたらいいの?
A3. ネット証券が種類も豊富で手数料も安くておすすめです
手数料が安くて、ネットで簡単に手続きができ、扱っている商品数も多い楽天証券、SBI証券で証券口座を開設するのがおすすめです。提携しているクレジットカードを持っていれば、クレジット払いが可能ですし、併せてポイントも貯められ手軽さとおトクさの両方を感じられると思います。
楽天証券なら、楽天ポイントが使えて貯まる。SBI証券なら、三井住友カードをお持ちの方はVポイント、Tポイントの両方が貯まります。また、長く続けることでリスクは分散され、お金も増えやすくなります。
Q4. 預けたお金が元本割れしたりしないの?
A4. 長期、分散、積立タイプなら、そのリスクは限りなく少ない
投資ですから、もちろん元本割れの可能性はあります。ですが、「つみたてNISA」のように長期積立投資の場合、値動きによる利益だけではなく、複利の効果により資産が膨らんでいきます。この複利は利息にも利息がつく仕組みなので、期間が長くなるほど、大きな効果を発揮します。ですから、元本が減るという可能性がどんどん減っていくのです。
しかも「つみたてNISA」の商品は、プロが運用する投資信託なので、精神的な負担も面倒もありません。いろいろな商品から初心者が選ぶなら、世界中の株式に投資できる「全世界型投信」がおすすめです。
【Mart読者の実例③】いくつかの投資を始めていますが、銀行に預けているより増えている!
読者DATA:Hさん(37歳)石川県能美市在住 会社員(育児休業中) 子どもは4歳、1歳の男の子
- 種類/SBI証券で「iDeCo」、楽天証券で「つみたてNISA」「投資信託」
- 開始時期/2017年1月~「iDeCo」、2020年9月~「つみたてNISA」
- 積み立て額/¥33,333/月「 つみたてNISA」
- 運用商品/先進国株型→全世界株型へ
- 増加率/ 約3%UP(つみたてNISA)
「第一子の育児休業中に横山光昭さんの本、『はじめての人のための3000円投資生活』に出合いました。とてもわかりやすい解説で投資への不安もなくなり、大きな一歩を踏み出せました。楽天カードを持っていたので、楽天証券での口座開設も苦にならず、カードでの引き落としでポイントも貯まっています」
【用語メモ】投資信託とは?
投資家から集めたお金を一つにまとめ、運用の専門家が運用してくれる商品。一つの商品に数十から数千の銘柄が入っており、その商品だけで分散投資がされています。
Q5. ずばり、どのくらいの金額から始めるのがおすすめ?
A5. ¥3,000くらいからが主婦の方でも始めやすいのでは
まずは貯金をメインに考え、家計に影響を与えないけれどある程度、積立の効果が出る¥3,000程度からスタートするとよいのでは? 投資に慣れてきたり、〝投資に興味がわいた〞〝わかってきた〞となったら、少しずつ金額を増やしてみるというやり方もいいと思いますよ。
月々¥3,000でもコツコツ投資の効果は大きいので、これまで躊躇していた人は、できる範囲の金額から始めるのがおすすめです。買ったあとはほったらかしにし、1年に一度チェック。下がったからといって焦らないことも重要です。
【Mart読者の実例④】お金の変化が面白くなってきて、投資信託まで始めました
読者DATA:Tさん(37歳)大阪府高槻市在住 パート 子どもは13歳、7歳の男の子、11歳の女の子
- 種類/楽天証券で「つみたてNISA」「ETF」
- 開始時期/2020年11月~
- 積み立て額/¥3,000→¥33,333/月(2021年4月~)
- 運用タイプ/米国・先進国株型
- 増加率/ 約8.4%UP(つみたてNISA)
「オリラジ中田さんのYouTubeで、初心者にもわかりやすい投資解説を見たのがきっかけで『つみたてNISA』を始めました。お金の変化が面白くなってきて2021年3月から投資信託で米国株も買うように。増えた分は自分へのご褒美……と思っていましたが、増えた分でさらに株を買うことがご褒美になってきました(笑)」
【Mart読者の実例⑤】¥2,000 からスタートしましたが1月からは¥30,000に増やす予定!
読者DATA:Kさん(33歳)東京都江戸川区在住 パート勤務 子どもは9歳、7歳、5歳の男の子
- 種類/楽天証券で「つみたてNISA」
- 開始時期/2020年8月~
- 積み立て額/¥2,000/月
- 運用タイプ/米国・先進国株型
- 増加率/ 約4%UP
「車を購入したため貯金が減ったので資産を増やしたい……と、インスタの『つみたてNISA』に詳しい人たちのコメントを見ながらスタート。超初心者でしたが、勉強のため、あえて米国・先進国株型で指定銘柄を選んで購入。株価やニュースをチェックするようになり、社会とつながっていると感じます」
教えてくれたのは…
家計再生コンサルタント 横山光昭さん
株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、これまでの家計再生件数は2万1000件を突破。オンラインサロン「 横山光昭のFPコンサル研究所」を主宰。
Mart2022年1月号
増やしたいあなたの第一歩!「ポイント投資」「小額投資」より
イラスト/yoko hoshi 編集・文/橋本嘉美 WEB構成/富田夏子