野菜の味を引き出すための調理に欠かせない、愛用のキッチンツールを紹介してもらいました。野菜たっぷり、見た目華やかな尾崎さんの推しレシピもぜひ試してみてください。
料理研究家・尾崎史江さん
「食堂いちじく」主宰。故郷である岐阜県の寺で精進料理を学び、旬の食材を主役にした料理に感動。体にやさしく満足感のある精進料理は人気があり、イベントやケータリングなどでも活躍している。
尾崎史江さん愛用のキッチンツールはこちら
100円ショップの商品も。左から、「Seria」の保存容器・テーブルパル、10年愛用しているという「ベンリナー」、「無印良品」の耐熱ガラスピッチャー、「WMF(ヴェーエムエフ)」のソースパン。すべて私物。
におい移りがなく冷蔵庫の中で重ねられる
シンプルなので食卓にそのまま出せ、スタッキングも可能。テーブルパル275㎖¥110(Seria)
10年以上愛用し、10個以上持っているそう。「常備菜や残った調味料などを移し替えて冷蔵庫に入れておきます。梅干しなどの常温保存にも。重ねられるので収納時も優秀です」
洗いやすくて中が見え、場所を取らない
冷蔵庫のポケット部分に収まるため、水出しで一晩おくのに便利。耐熱ガラスピッチャー 約1L¥590耐熱ガラスピッチャー 0.7L¥490(ともに無印良品 銀座)
「昆布、煮干し、干ししいたけとおだしを水出しでとる際に重宝しています。特に1Lのほうは15㎝ほどの昆布がちょうどすっぽり入り、戻ったときに昆布が気持ちよさそうで(笑)」
お気に入りの道具でつくるのが野菜を最高に美味しくする調理法です
「薄味で淡白なイメージの精進料理ですが、実は身近な食材を工夫して調理すれば、手軽に満足感のあるものがつくれます。大切なのは季節の野菜などをたっぷりと使うこと。調理方法が同じでも、旬の素材を使うことで季節ごとに料理が変わっていくんです。野菜や乾物は扱い方次第でしみじみと美味しくなります。今回はその野菜の魅力が引き出せるツールを選びました。たとえば10年愛用している『ベンリナー』は、野菜のせん切りやスライスの仕上がりが断然違います。この道具がないとつくれない料理があるほど便利な道具なので、ぜひ使ってみてほしいです」
《春野菜の蒸し煮》
鋳物の鍋は重くて使いづらいという声も。この鍋は片手で持てるほどの軽さ。蒸し煮調理は野菜を美味しくする最高の調理法。簡単で美味しく、盛りつけても華やかです。
【材料】
スナップエンドウ、いんげん、そら豆……各約1/2袋
にんにく(みじん切り)……1/2片
干しエビ……大さじ1~2
オリーブオイル……大さじ1
塩……適量
【つくり方】
スナップエンドウは筋を取り、そら豆はさやから出し、塩ゆでして薄皮をむく。いんげんは半分に切る。鍋に野菜を入れ、にんにく、干しエビ、オリーブオイル、塩を加える。蒸気が回るくらいの少量の水(大さじ2ほど、分量外)を入れ、蓋をして強火にかけ、蒸気が回ったら弱火にして3~4分加熱し、火を止めて1~2分蒸らす。
ガラスなので中が見え、吹きこぼれが防げます。煮立つ瞬間がわかるので慣れない人にもぴったり。
鋳物の鍋より断然軽いですが、しっかりと厚手のため蒸しものや豆の煮ものも上質な味に。
《野菜寿司》
きゅうりやかぶの薄切りでつくる野菜寿司にはベンリナーが不可欠。薄く手早くスライスできるので、作業効率もぐっと上がります。大根なますは繊細でお店のような味になりますよ。
【材料】
にんじん、かぶ、大根それぞれ皮をむいたもの、ラディッシュ、きゅうり、青じそ、たらの芽、薄味に炊いた稲荷用油揚げ、干し柿、ゆず、塩ゆで三つ葉、すりごま入りの酢飯、すりごま、梅肉、揚げ油、塩、なます液、のり……各適量
【つくり方】
にんじん、きゅうりは長さを半分にカットし、かぶとラディッシュはそのまま、大根は半月形になるようごく薄くスライス。にんじん、かぶ、ラディッシュ、大根は塩水に15分浸けたあと、水気をきり、なます液に漬けて味をなじませたら汁気をきる。きゅうりは塩をまぶし、しばらくおいたら水気を取る。素揚げにしたたらの芽を縦に2等分して塩を振る。大根なますは刻んだ干し柿、すりごま、ゆずの皮を加えて、油揚げに詰め三つ葉で結ぶ。にんじん、かぶ、ラディッシュを酢飯にのせ、ラディッシュは上に梅肉を添える。きゅうりをのせて青じそを巻く。たらの芽をのせてのりで巻く。
なんと、刃を取り外して研げます。切る厚みを変えられたり、細切り用のパーツをつけたりできます。
レースのように薄く切れるスライサー。透けるほど薄いので、口当たりよく、味も染みます。
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Mart2021年5月号 プロが認めた「効率UPツール」で時短料理!
撮影/林 ひろし 取材・文/湊谷明子、編集/小橋健太郎 WEB構成/上原奈緒
*表示の価格は税込です。
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