毎朝欠かすことのできない「お弁当づくり」。でも、つくってから時間が経ち冷めたご飯では、お弁当の美味しさも半減してしまいそう…。今回はそんな悩みを解消すべく、管理栄養士の前田さんに、冷めても美味しいご飯の炊き方と、冷凍ご飯をお弁当に使う際のコツを教えていただきました。
教えてくれたのは
前田量子さん
管理栄養士。定番家庭料理の教室を主宰。一般社団法人日本ロジカル調理協会代表理事。調理科学に基づき家庭料理やお弁当のつくり方を紹介した本が、美味しくつくれてわかりやすいと大人気。12月に新刊出版予定。
冷めてしまうお昼休みに食べても美味しいご飯にするコツ
炊く前のひと工夫で好みの食感に!
「冷めたご飯は炊き方を工夫するだけで、美味しさが全然違います!お米を充分浸水させてふっくら炊くことと、炊いたあとはすぐ保温を切って臭みが出ないようにすることが大切です」(前田さん)
のっけご飯などにおすすめ!米を硬めに炊く場合
【1】1合につき2~3個の氷を入れる
米を研いだあと、水を冷やすために氷を入れます。一気に水を5℃まで冷やしたいので、家庭の製氷機でつくった氷など溶けやすい氷を使って。
【2】目盛りどおり水を入れて炊く
目盛りどおりに水を入れ、早炊きモードで炊飯します。水が冷たいことで沸騰までの時間がかかり、米に水が浸透してふっくら炊き上がります。
【3】炊けたら保温を切りすぐほぐす
保温するときの70℃はご飯が黄ばみやすく、臭みが出たり硬くなったりしやすい温度です。炊けたらすぐに保温を切って、ご飯をほぐしましょう。
米を普通に炊く場合
【1】夜、米を研いで冷蔵庫に入れる
寝る前に米を研いでザルに上げ、ラップをしてから冷蔵庫に入れます。研いだときに米の周りについた水分を米に浸透させます。
【2】朝に早炊きをする
翌朝、目盛りどおりの水を入れて早炊きします。じっくりと浸水させてから早炊きで一気に炊くことで、米の甘味を引き出して美味しく炊けます。
【3】炊けたら保温を切りすぐほぐす
米を硬めに炊く場合同様、炊けたらすぐに保温を切って、ご飯をほぐしましょう。
「ご飯の冷凍派」はこんな工夫を!
【ご飯を冷凍するとき】
①広げてふんわりラップに包む
ラップの上にご飯を薄く広げます。そしてせっかく粒が立ったご飯をつぶさないよう、ふんわりとラップで包みます。
②重ねずバットに広げて冷凍
ご飯をつぶさないよう、ラップに包んだご飯を重ねずにバットに置きます。バットに置くと均一に素早く冷凍できます。
【ご飯を解凍するとき】
①電子レンジで2分加熱したらお茶碗に入れてほぐす
ラップに包んで冷凍したご飯を電子レンジで2分加熱して半解凍したところで、お茶碗に入れ箸で軽くほぐします。
②酒少々をふりかけてラップをし、電子レンジで様子を見ながら加熱する
酒小さじ1くらいを全体にふりかけて、再度電子レンジで様子を見ながら加熱すると、ふっくらした仕上がりになります。
「冷凍するときは、まずはムラなく素早く凍らせることが大切。その際に、ご飯をぎゅっと固めてしまわないように注意して。上手に冷凍・解凍すると、炊きたてにも負けない美味しいご飯になります!」(前田さん)
※この企画では、電子レンジは600W、トースターは1000Wを使用しています。
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撮影/山下忠之 フードコーディネート/前田量子 取材・文・スタイリング/澁谷真里 構成/タカノマイ(Mart編集部)
Mart2019年10月号
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