肉や魚を調味料に浸して冷凍する「下味冷凍」。下ごしらえをする手間がないから、パパッと簡単に、しかも美味しい一品がつくれます。ここで紹介するのはサーモンと豚ひき肉の下味冷凍。忙しい平日、ちょっと特別感を出したい週末、大勢で楽しむキャンプなど、どんな場面でも使えますよ。
肉も魚も生より下味冷凍のほうが美味しさがアップします
教えてくれたのは
上島亜紀さん
料理家。家庭料理をメインに、手早く本格的な味わいの調理方法が人気。下味冷凍のオリジナルレシピも多数。著書に『頑張らなくていい 仕込み1分の冷凍作りおき』(ナツメ社)など。
下味冷凍と聞くと「調理するときは時短で便利だけれど、下準備や解凍が面倒で……」と思う方もいらっしゃいますよね。私が下味冷凍をおすすめするのは、肉や魚など、そのままより下味冷凍したほうが味が落ちず軟らかくなり、うま味や味わいがアップするからなんです。冷凍するときのポイントは、マチなしの冷凍用保存袋を使うこと。保存袋に入れて平らにして、金属製のバットにのせて冷凍すること。平らにすると味が全体に染みわたります。1カ月以内ならば美味しく食べられます。
使える! 下味冷凍1
サーモン×レモン×塩麹
【材料】2人分
- サーモン(ブロック) 300g
- レモン(スライス) 2枚
- 塩麹 大さじ3
【つくり方】
- サーモンはペーパータオルで水気をふき取る。
- 新しいペーパータオルに包み、塩麹を両面に塗り、レモンをのせる。
- 冷凍用保存袋に2を入れ、空気を抜きながら密封し、平らにして冷凍する。
【ポイント】
使える! 下味冷凍2
豚ひき肉×ケチャップ×にんにく
【材料】2人分
- 豚ひき肉 200g
- ケチャップ 50㎖
- にんにく(すりおろし) 小さじ1
- 塩 小さじ1/2
- 粗挽き黒こしょう 小さじ1/4
【つくり方】
- ひき肉をほぐすようにすべての調味料と混ぜる。
- 冷凍用保存袋に平らに入れ、空気を抜きながら密封して冷凍する。
【ポイント】
解凍しないで調理すると、かえって時間がかかってしまいます
凍ったままの食材を解凍せずに使ったことはありませんか? 凍ったまま調理するとなかなか中まで火が通らず、結果的に余計に時間がかかるものです。面倒でも解凍してから調理したほうが、結局は時短になります。下味冷凍も「上手な解凍方法」なら、15分あれば解凍完了。その間にサラダをつくるなど、ほかの作業をしていればあっという間です。
上手な解凍方法は“慌てずじっくり”
ボウルやバットに、40~50℃のぬるま湯を張り、下味冷凍を袋のまま入れます。表面を触って袋の中の食材が軟らかくなっていたら調理可能です。今回のレシピの解凍時間の目安は、サーモンが約15分、豚ひき肉なら約5分です。
サーモンの下味冷凍はこんな料理に使えます!
サーモンと彩り野菜のスチーム
サーモンと白菜、ブルーチーズのオーブン焼き
サーモンとナッツの燻製
ひき肉の下味冷凍はこんな料理に使えます!
ポークチョップライス
シェパーズパイ
チーズバーガー
冷凍庫の中にストックしておけば、あらゆる場面でパパッと一品がつくれる下味冷凍。これさえあれば、ランチも夜ごはんもラクラク簡単。食卓で大活躍してくれますよ!
Mart冬号 平日、週末、キャンプ いつでも使える安定の4レシピ「下味冷凍」美味しい三段活用!より
撮影/小林愛香 取材・文・スタイリング/新里陽子 編集/富岡幸子