新学期が始まり、お弁当生活がスタートするころ。だんだん暖かくなるにつれてお弁当の細菌の繁殖が気になる、という方も多いのでは?でも、朝が早いと、お弁当を冷ます時間を確保するのも至難の業。そこで今回は、朝つくったお弁当を早く冷ます方法を4パターンに分けて検証しました。どの方法が一番時短になるのでしょうか?
【Martで検証】炊きたてのご飯を4つの方法で冷却
お弁当を早く冷ますには「扇風機や保冷剤を活用するのがおすすめ」と、今回監修いただいた管理栄養士の前田さん。そこでMartでは実際に80℃ある炊きたてご飯を室温26℃の部屋で冷ましました。検証方法は「そのまま」「保冷剤の上に置く」「扇風機の風に当てる」「保冷剤+扇風機」の4つです。
✖そのまま放置した場合
そのまま部屋の中に置いておくだけでは、なかなか冷めません。当たり前ですが室温以下にはならないので20℃まで到達することもなく、時間も経ってしまうので、忙しいときはもちろん、余裕のあるときでもおすすめできません。
△保冷剤の上に置いた場合
急激に熱を下げそうに思える保冷剤ですが、保冷剤自体が熱を吸収することもあり、意外に時間がかかってしまいました。20℃台になるのも27分後でした。瞬間的に表面の粗熱が取れても、短時間で中心の温度まで下げることは難しいよう。
〇扇風機の風に当てた場合
扇風機で風を送ると、ぐんぐん熱が取れていくことが判明。保冷剤とのダブル使いには及びませんでしたが、約25分で20℃台になり、2番目に早く20℃近くまで下がりました。茹でた野菜などを扇風機の風で冷ますのもおすすめ。
◎保冷剤+扇風機で冷ました場合
保冷剤をバットの下に置き、横から扇風機を当てたダブル使い!9分後には温度がかなり下がり、15分後に30℃を切りました。30分後には20℃に一番乗り。横からと下からでしっかり冷ましたので、理想の温度まで下がりました。
【結果】「保冷剤+扇風機」が早い!
細菌が増えやすい食品の温度は20~50℃。できるだけ温度を下げ、保冷剤や保冷バッグで20℃以下にキープするのが理想です。保冷剤と扇風機のダブル使いなら、グッと早く冷めますよ。
お弁当を昼休みまで傷めず、冷やしすぎないためには?
A 最初にしっかり殺菌すれば、小さい保冷剤でOK!
イートカン ランチボックス RE W15×D10.5×H5.7cm 600ml ¥2,640*写真のカラーは現在販売なし COCOPOT ランチバッグ RD 2,750*写真のカラーは現在販売なし(ともに竹中)
教えてくれたのは…
前田量子さん
管理栄養士。定番家庭料理の教室を主宰。一般社団法人日本ロジカル調理協会代表理事。調理科学に基づいた、家庭料理やお弁当のつくり方を紹介した本が、美味しくつくれてわかりやすいと大人気。
撮影/山下忠之 フードコーディネート/前田量子 取材・文・スタイリング/澁谷真里 構成/Mart
*この記事は、Mart2019年10月号 ラクして続く「お弁当革命!」Part2 量は?栄養は?「中高生弁当」15の鉄則 を再構成したものです。