サブレやクッキーが入った、素敵なデザインのお菓子缶が好きな方は多いのではないでしょうか。お菓子缶研究家・中田ぷうさんは、そんなお菓子缶には興味がある一方で、なかのお菓子にはあまり興味がないそう。そんな彼女が、中身に美学を感じるのがお菓子の並び。機械ではできない“手詰め”で詰められた菓子を見ると、感動するのだそうです。
そこで今回は中田さんの新刊『もっと素晴らしきお菓子缶の世界』から、敷き詰めの美学を感じるお菓子をご紹介。中田さんらしい視点でセレクトされたお菓子は必見です。
中田ぷうさんが考える手詰めの美学
缶にばかり囚われていて、実は中のお菓子にはあまり興味がないという中田さん。でもあるとき、「では中身にも着目してくださいと言われたら、何をいちばん気にしますか」と聞かれ、“菓子の並び”を気にしていることに気づいたそう。「機械ではできない“手詰め”で詰められた菓子を見ると、その美しさと背景にある作業の大変さを想像し、感動を覚えます」(中田さん)
「マモン・エ・フィーユ」のフレンチビスキュイ缶
中身目当てでも買うほど美味!
幾何学模様をオリジナルデザイン化した缶の中には、ビスキュイが手詰めされています。フランスのパティスリーなどで売られているような、小さな箱に、伝統菓子がぎっしり詰まったパッケージをイメージして作ったそう。「“中の菓子にあまり興味がない”と書きましたが、これだけは別。中身目当てでも買います。それほど美味」(中田さん)
【商品のお問い合わせ先】
マモン・エ・フィーユ
https://me-f.jp/
「エシレ・パティスリー オ ブール」のプティブール・エシレ
厚くて大きいサブレが並んだ姿は圧巻
なかに入っているサブレのイラストがふたに描かれた大人かわいい缶。「厚みも大きさもあるサブレなだけに並んだ姿は圧巻。“おいしさの迫力”に満ちあふれてます。こちらも手詰めによるものです」(中田さん)
【商品のお問い合わせ先】
エシレ・パティスリー オ ブール
https://www.kataoka.com/echire/patisserieaubeurre/shibuya/
「パレスホテル東京」のココナッツサブレ缶とシナモン&ジンジャーサブレ缶
ココナッツサブレ缶
シナモン&ジンジャーサブレ缶
すき間のないサブレに必ず感嘆の声が
ホテルのロゴだけがあしらわれた、シンプルなのにきちんとラグジュアリー感もある缶は、ふたを開けると隙間なくサブレが並びます。「開けるたびに壮観だと思います。人に渡せば必ず感嘆の声が上がります」(中田さん)
【商品のお問い合わせ先】
パレスホテル東京https://www.palacehoteltokyo.com/
敷き詰めの美学に並んで “ 並びの美学”も
次に缶の中に菓子を敷き詰めるのではなく、平置きにした菓子缶を2つ紹介します。敷き詰めとは違った見た目の美しさが楽しめますよ。
「いちご大福と茶菓のお店あか」のakasand
イチゴに見立てたクッキーがロマンティック
世の中にはいちごが描かれたデザインは数多く存在します。そんなデザインと差別化を図るためにも缶にいちごは描かず、いちごの葉と花だけを描いています。「ふたを開けた瞬間、整然と並ぶいちごのジャムサンドクッキーがいちご代わりになるという、ロマンティックな商品」(中田さん)
【商品のお問い合わせ先】
いちご大福と茶菓のお店あか
http://akaichigo.com/
「赤坂プリンスクラシックハウス」 の紀尾井町バタークッキー
行儀よく並んだクッキーがきれい
クラシカルながらもどこかハイカラなデザイン。缶の色は名建築「赤坂プリンスクラシックハウス」の庭園を初夏、彩るバラの色・モーブピンクを起用しています。「中には、敷地内にあるレストラン『ラ・メゾン・キオイ』でつくられるバタークッキーが行儀よく並んでいます」(中田さん)
【商品のお問い合わせ先】
赤坂プリンスクラシックハウス
https://akasakaprince.com/
中田ぷうさん
お菓子缶研究家・フードジャーナリスト。東京生まれ。大手出版社勤務後、2004 年にフリーランスに。祖父に買ってもらった「CHARMS(チャームス)」の缶をきっかけに、以来 47 年間、お菓子缶を偏愛するようになる。所有するお菓子缶の数は 1000 缶以上。今は亡き祖父の部屋をお菓子缶部屋として使用させてもらっている。
缶専用インスタグラム:@pu_nakata_tin
撮影/石田純子(光文社写真室) WEB構成/長南 真理恵
もっと素晴らしきお菓子缶の世界(光文社) より再構成