フィンランドで採れるベリーは、ビルベリー(ブルーベリー)、ラズベリー、リンゴンベリー(コケモモ)、クランベリー、ブラックカラント、ストロベリー、シーバックソーン(サジー)など、種類も豊富で、多くは森に自生しています。ベリー大国フィンランドのベリーについてご紹介します。
森の恵み、たっぷり日差しを浴びた栄養価も高いベリー
街のあちこちでベリーやきのこが売られています。
ベリーがおいしく育つには十分な日照時間必要。夏が白夜のフィンランドは、早朝から夜10時、11時ごろまで明るいので、ベリーはたっぷり太陽の光を浴びて育ちます。そのおかげで、栄養価がぐっと高くなるのだそう。例えば、ブルーベリーの実は、一般的には半分にカットすると中は白っぽいのですが、フィンランドのビルベリーは中心部分まで紫色で味もとっても濃厚。
ベリー摘みはフィンランド人にとって夏の楽しみ。森の中にはベリーがいっぱい。
フィンランドには「自然享受権」というものがあって、フィンランド国民はもちろん、観光で訪れた他国の人でも、自然の中でレクレーションを楽しんだり、ベリーやきのこを採ることが許されているんです。旅行中でも森に入ってベリーを摘んでその場でパクリ、なんてことも自由にできちゃうというわけ。とっても身近な森の恵みは、フィンランド人には欠かせないものなんです。
街なかでもいろいろな“ベリー”が溢れている
スーパーの中にも量り売りコーナーが。手前はフィンランドではメジャーなアンズダケ。その奥の豆はそのまま生で食べられます。
森の中で自然に育つベリーはそのまま食べるだけでなく、ジャムやジュースなどをたくさん作って保存したり、冷凍でストックしたりするそう。貯蔵庫としての小屋がある家庭もあるとか。日本でも地方で漬物や味噌などを手づくりして保存しているのと似ていますね。手づくりだけでなく、スーパーなどでもベリーを使った商品をたくさん売っています。旅行のお土産なら、生のベリーは無理なので、こうしたベリー商品がおすすめです。
日本でも買えるようになったお茶「NORD-T」。
中身はベリーやハーブなど、森の恵みがいっぱい。
「JYMY(ユミュ)」のアイスクリーム。日本でも購入できます。
「スオメンヤーテロ(=フィンランドのアイスクリーム)」というメーカーのアイスクリーム。
ベリーを使ったスイーツは日本と同じく人気です。
フリーズドライやパウダーなど、加工品もあります。
パンにはたっぷりベリーのジャムをつけて。
フィンランドといえば、ムーミンやマリメッコなどに惹かれますが、森と湖の国といわれるだけあって、自然もとっても魅力的。都心部からでもすぐ森に出かけられます。あまりに森が身近なので、「フィンランド人が森に行くのは、日本人がお風呂に入るのと同じぐらい当たり前のこと」という人もいるほど。また、“ベリー摘み世界選手権”なんていう競技もあるとか。もし、フィンランドに行くことがあったら、森に出かけてベリー摘みを体験してみたいですね。
取材・文/岡部礼子
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