【漢方で体調管理!】寒暖差に負けない!秋の不調のセルフケア

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半袖の女性
残暑が続くなかでも、朝晩には涼しさが感じられるこの季節。寒暖差が大きくなり、心身に不調をきたしやすい時期です。

今回は、東洋医学から見た秋の特徴や、漢方を活用した体調管理法についてご紹介します。秋を楽しむために適切なセルフケアを行い、体調を整えましょう。

東洋医学からみた秋の特徴とは?

コートを着た女性
秋は、徐々に肌寒さを感じるようになる季節です。空気が乾燥しはじめるため、肺やのどなど呼吸器系に不調があらわれやすくなります。

また、日が短くなることで睡眠リズムに影響が出る場合も。夜なかなか寝付けない日が続き、疲れやだるさを感じやすくなるかもしれません。

東洋医学からみると、夏から秋にかけて、からだのエネルギーが段々と鎮まっていくと考えられています。秋は夏の疲れを癒しながら、ゆっくり休養をとることが大切な季節なのです。

秋に摂りたい食材

梨
秋は、からだに潤いを与える食材を摂るようにしましょう。

咳や息切れ、のどの痛みなど、乾燥による不調を予防する効果が期待できます。梨や柑橘類、きくらげ、ゴマ、蜂蜜などがおすすめです。

また、七味や新ショウガなどの辛味は控えめにしましょう。発汗作用でからだの外に水分が逃げてしまい、結果として、からだを乾燥させてしまうからです。

からだを温めたい場合には、発汗作用のある辛味ではなく、温かい飲み物やスープなどを摂るようにしましょう。

心もからだもセルフケアしてみよう!

はちみつレモン
ここでは、心身のバランスを崩しやすい秋におすすめのセルフケアをご紹介します。

【1】お茶で心もからだもリフレッシュ

秋におすすめのお茶としては、「蜂蜜レモンティー」や「ホットルイボスティー」などが挙げられます。

蜂蜜とレモンの組み合わせは、からだを潤すのに効果的です。のどが痛い、咳が出るなど、乾燥による不調を予防しましょう。

また、ルイボスティーにはリラックス効果があるとされています。秋は心の不調が出やすいため、精神面も労わるようにしましょう。ルイボスティーはノンカフェインなので、夜でも気にせず飲むことができます。

【2】十分な睡眠

秋は日照時間が短くなります。自然な睡眠リズムを尊重し、無理して早起きをしなくていい時期だと考えましょう。

また、秋は夏の疲れを癒す大事な時期でもあります。心身がデリケートになる秋だからこそ、睡眠時間を十分にとることが大切です。

【3】適度な運動

秋は「気功(きこう)」を取り入れてみましょう。「気功」は、心とからだのバランスを整える、中国伝統医学のひとつです。緩やかなストレッチと腹式呼吸を組み合わせることで、呼吸、心、からだの動きを調整する効果があります。咳やのどの不調を改善する効果もあるとされているため、乾燥して呼吸器が弱まりやすい秋におすすめです。

秋の初めの体調管理には漢方もおすすめ!

漢方
秋の不調には、漢方薬を活用するという選択肢もあります。

秋は空気が乾燥しているため、鼻やのど、肺の粘膜の潤いが奪われて、咳やのどの痛みなどの不調をきたしやすい季節です。また、夏の疲れや日照時間の減少により自律神経のバランスが崩れて心に不調があらわれることもあります。

こうした秋の不調には、「水分の循環をよくして肺に潤いをあたえる」「酸素や栄養を肺に届け、呼吸器の機能を回復する」「自律神経のバランスを整える」「気分の落ち込みを改善する」「消化・吸収機能を改善してからだの内側から心を元気にする」といった漢方薬を選び、根本改善へとアプローチします。

漢方薬で心とからだ全体のバランスを整えて、季節の変わり目でも体調を崩しにくい体質を目指しましょう。

<秋の不調におすすめの漢方薬>

・麦門冬湯(ばくもんどうとう)

【第2類医薬品】【3個セット】麦門冬湯エキス錠クラシエ 6錠×24包

呼吸器系や消化器系で不足している潤いを補うことで、のどや気管などの呼吸粘膜を潤し、唾液の分泌も促します。のどの乾燥や、乾いた咳が気になる人におすすめです。

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

【第2類医薬品】本草 補中益気湯(ホチュウエッキトウ)エキス錠-H 144錠 (12日分) 錠剤 送料無料 あす楽対応

「気」(エネルギー)を増やし、上のほうに持ち上げてめぐらせることで胃腸の調子を整えて疲労感や倦怠感を改善する漢方薬です。食欲不振、疲れすぎて眠れない、寝汗が気になるなど、季節の変わり目に起きる幅広い不調に対して効果が期待できます。

漢方薬は繰り返す不調に対して、根本からの改善が期待できる薬です。そのため、食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。

ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、いい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみましょう。

秋の特徴を掴んで乗り切ろう

秋は、気温や湿度の変化によって不調をきたしやすい季節です。東洋医学の考え方を活用し、乗り切りましょう。乾燥を抑えて、からだに潤いを与えることを意識するのがポイントです。秋の特徴に合ったケアを行い、健やかで元気な秋を楽しみましょう。

参考文献
学校法人大麻学園 四国医療専門学校 癒しのツボ「秋の養生法 第1弾」
https://www.459.ac.jp/heal/16239/

学校法人大麻学園 四国医療専門学校 癒しのツボ「秋の養生法 第2弾」
https://www.459.ac.jp/heal/16246/

看護に活かす漢方養生の考え方 朴将虎 文化看護学会誌,2(1),59-66,2010
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunkakango/2/1/2_1_59/_pdf/-char/en

eJIME 厚生労働省『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』気功
https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c02/18.html

<この記事を書いた人>

あんしん漢方薬剤師

藤田 佑莉(ふじた ゆうり)

北里大学卒業後、産婦人科門前の調剤薬局で働く中で、女性特有の不調に悩んでいる方が多いと実感。漢方薬による根本治療の大切さを広めたいと考え、精度の高い漢方をお手頃価格で提供する「あんしん漢方」で薬剤師としてサポートを行う。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/

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