生理中のタンポン、どれくらいの頻度で使うのが正解?【高尾美穂先生のお悩み処方箋】

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

産婦人科医の高尾美穂先生が、相談者の心に寄り添って優しくアドバイス!Mart読者世代である30~40代女性の人には言いづらいお悩みにお答えいただきます。第21回は、生理中のタンポンについての悩みについてです!

悩める女性の心を軽くしてくれる!高尾美穂先生

高尾美穂先生
産婦人科専門医・婦人科スポーツドクター・ ヨガ講師。産婦人科専門医として、女性の健 康をサポートしつつ、それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った治療を提案する一方、スポーツドクターとして、女性のプロアスリートへのサポートも行っています。雑誌やテレビほかさまざまなメディアでも、女性のお悩みへの優しいアドバイスが好評です。

【相談テーマ】生理中のタンポン、どれくらいの頻度で使えばよい?

読者プロフィール画像

相談者:Kさん(42歳)
千葉県在住
7歳、5歳の母
会社員

タンポンの連続使用はNG!間にナプキンを使って

Kさん:生理中の経血量が多いので、いつもタンポンを使っていますが、長時間使ってもいいのかな?と気になっています。寝るときも一晩中タンポンを使っていますが、大丈夫でしょうか?

高尾先生:寝るときに使うこと自体は問題ないですよ。起きてからはどうしていますか?

Kさん:だいたい連続でタンポンを使うことが多いです。1日のうちでタンポンを使わない時間があったほうがいいのでしょうか?

高尾先生:タンポンを連続で使うのは実はNGなんです。タンポンとナプキンは交互に使うようにするのが基本。タンポンはしばらく時間を空けてから装着してください。

Kさん:そうだったんですね!知りませんでした。

高尾先生:製品パッケージにも書いてありますが、連続で装着すると、腟の内側で菌が増殖する原因となるのでやめてください。黄色ブドウ球菌が産生する毒素が原因で、高熱やめまいなどが発症する、トキシックショック症候群を引き起こす可能性があります。

Kさん:気をつけるようにします!ちなみに、タンポンを抜くとドロっとした経血が出るのですが、タンポンが経血を排出しづらくしているのでしょうか?

高尾先生:ドロっとした経血がでること自体は、生理中であれば当たり前のこと。それ自体は心配ありません。タンポンではさらさらした血液が吸収されやすいので、それが出てくるのかもしれませんね。ちなみに、普段から生理のときの出血量は多いですか?

Kさん:多いと思います。多い日はタンポン+ナプキンでも2時間程度で取り替えないといけないくらいの量なんです。会議のときなどは、漏れないかすごく不安で……。

高尾先生:それはちょっと量が多いかもしれません。ご自身でも多いと認識しているので過多月経だと思うのですが、量が多いのは病気が隠れている可能性があるので心配ですね。

高尾美穂先生

出血量が多いのは病気のサインの可能性も!

Kさん:出血が多いと思っていましたが、病気の可能性があるなんて……。

高尾先生:必ずしもそうとは限りませんが、病気のサインと考える必要がありますね。

Kさん:どのような病気が考えられるのでしょうか?

高尾先生:多いのは子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどです。40代半ばくらいから子宮筋腫、子宮腺筋症が増える傾向にあります。

Kさん:経血の量が多い場合は、一度受診したほうがいいのでしょうか?

高尾先生:そうですね。タンポン+ナプキンでも2時間程度で交換しないといけないようであれば、かなり月経量が多いほうだと思うので、婦人科に相談してみてください。エコー検査をすると思いますが、そのときにきちんと出血量が多いことを伝えてくださいね。そうすると子宮筋腫、子宮線筋症の可能性を考えて、しっかり診てもらえると思います。

Kさん:婦人科のエコー検査は健康診断にもなかったので、これを機にしっかり受けたいと思います。ちなみに、出血量の多さに対してできることはありますか?

高尾先生:低用量ピルを飲んだりミレーナを入れるなどのホルモン治療をして、出血量を減らすことができると思います。会議中が不安など生活に支障があるようなら、いっしょに相談してみるといいですよ。

Kさん:なるほど、一度相談してみます!生理中はほかにも、ソフィシンクロフィットなど体につける生理用品も使っています。今はいろいろな生理用品があるので、どれを使おうか、など迷ってしまいます。

高尾先生:本当にいろいろなものがありますよね。最近は吸水ショーツや布ナプキン、月経カップなど、さまざまな生理用品から選ぶことができます。ピル+吸水ショーツなど、組み合わせて使うのもいいですよね!試してみて、自分が快適なものや生活スタイルに合ったものなどを、探してみてください。

Kさん:わかりました。ありがとうございました!

【高尾先生のお悩み処方箋】生理中のタンポンの使い方について

  1.  タンポンの連続使用はNG!必ずナプキンだけの時間をつくって
  2. 生活に支障があるほど経血量が多いのは病気のサインかもと考えて
  3. 婦人科で出血量が多いことを伝えてエコー検査をし、相談を
  4. いろいろ生理用品を試して自分に合うものを見つけて

【相談を終えて】なんとなく抱えてきた生理に対する不安が払拭されました!

生理用品

トキシックショック症候群についてはタンポンを取り替えないと起こることだと思いこんでいたので、連続使用がダメなことは意識しておらず、知ることができてよかったです。

また自分の生理の量が多めだという認識もなかったので、これを機会に婦人科を受診しようと思いました。

高尾先生に明るくたくさんお答えいただき、今までなんとなく抱えてきた生理に対する不安が払拭され明るい気持ちになりました。ありがとうございました!

撮影/中林 香(高尾先生) 取材・文/酒井明子

- 関連記事 -

    マガジン
    Mart2024春号
    2024年3月28日発売
    ¥980
    マガジン
    Mart2024春号
    2024年3月28日発売
    ¥980