高尾美穂先生の優しい一言で心が軽くなる!お悩み処方箋②更年期の婦人科疾患

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Mart世代の30~40代女性は、結婚、出産、仕事の重責、更年期の訪れなど、心身ともに大きく変化を迎える年代です。不調を感じても忙しくてそのままにしてしまいがちですが、本当は誰かに相談して受け止めてもらいたいですよね。そんなMart読者から寄せられたお悩みについて、産婦人科医の高尾美穂先生にやさしいアドバイスをいただきました!

悩める女性の心を軽くしてくれる!高尾美穂先生


産婦人科専門医・婦人科スポーツドクター・ ヨガ講師。産婦人科専門医として、女性の健 康をサポートしつつ、それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った治療を提案する一方、スポーツドクターとして、女性のプロアスリートへのサポートも行っています。雑誌やテレビほかさまざまなメディアでも、女性のお悩みへの優しいアドバイスが好評です。

【Q】更年期に差し掛かっている人は、子宮筋腫や子宮内膜症などをすぐ治療すべき? 様子見すべき?

子宮筋腫や子宮内膜症のある人は、閉経後までそのままにしておくのがいいか、それとも今すぐ治療したらいいのか迷う、という意見も聞きます。どう考えたらいいのか、高尾先生にアドバイスをいただきました。

【A】症状は軽減することがほとんどですが卵巣がんには注意が必要

子宮筋腫は良性疾患で、貧血、下腹部痛、過多・過長月経などの症状があります。無症状であったり、薬である程度コントロールできていて、生活に不便を感じていなければ無理に手術をする必要はありません。逆に生活に支障があると感じる人は、年代を問わず手術を検討してもいいかもしれません。

よく更年期なら手術をする必要がないといわれるのは、子宮筋腫が大きくなるのは女性ホルモンの作用によるからなんです。そのため、閉経後は筋腫が縮小する傾向があります。

40代後半で特に困っていることがなければ、様子を見てもいいのではないかと思います。

お花のイラスト

ただし、更年期は子宮筋腫などがなくても、月経の出血量がものすごくアップダウンすることがあります。それにプラスして子宮筋腫がある人は、爆発的な出血があることも。もともと月経時の出血が多めの人は注意が必要です。気になる人は、血液検査をしてヘモグロビンの量をチェックし、少ない場合は根本的な治療を含め検討が必要です。

また、子宮内膜症は子宮の内側以外の場所で子宮内膜に似た組織ができる病気です。主な症状は痛みで、月経痛などに悩まされる人が多いです。できた場所が卵巣の場合は〝チョコレート嚢胞(のうほう)〞と呼ばれ、注意が必要です。閉経後の発がんのリスクが上がることが知られており、閉経前に手術をする、閉経と同時に卵巣を取るなどの選択が必要なこともあります。

卵巣がんは非常に見つけにくいですが、子宮内膜症とわかっていればケアしやすくなります。閉経したからと油断せず、経過観察を続けてくださいね。

【高尾美穂先生のアドバイス】

高尾美穂先生

Mart webでは「高尾美穂先生のお悩み処方箋」を、月に一度の配信で連載中。更年期、PMS、睡眠、自律神経など、30~40代の女性に多い体や心のお悩みに答え、心にしみるあたたかい言葉で、やさしく背中を押してくれると好評です!ぜひこちらもご覧ください。

撮影/中林 香 イラスト/モリナオミ 取材・文/酒井明子 編集/倉澤真由美

- 関連記事 -

    マガジン
    Mart2024春号
    2024年3月28日発売
    ¥980
    マガジン
    Mart2024春号
    2024年3月28日発売
    ¥980