【Mart読者の介護体験とお金】本人でないとできない実家の売却に不安

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親世代が介護するのを見た経験があったり、ニュースで聞きかじったり、介護で悩む友人が増えたり……もう遠い話ではない「親の介護」。 何をすべきかだけでなくお金の不安もつきものです。実際どうこなしているのか、Mart読者の介護体験をご紹介します。

【ケース2】将来を考え、家の近所へ親が引っ越し予定。本人でないとできない実家の売却に不安も。

母が亡くなり、5年前からの認知症が悪化した、K.K.さんの父親。深夜の電話やままならない薬の服用……。なかでも、銀行口座の通帳記帳でわかった、父が覚えていない不明瞭な出金で大きな不安を抱き、「このままではいけない!」と強く思ったそう。
「私はパート勤務なので、週3回実家へ通うことにし、家の掃除や父の資産管理を始めました。でも、仕事と家事、子育て、そして介護はかなり負担が重く、肉体的にも精神的にも参ってしまいそうに。サポートも父の話し相手も必要と考え、介護申請をし、介護サービスを受けることにしました」
地域包括支援センターで相談し、日常生活のフォローだけが希望だったので、臨機応変に対応してもらえる小規模多機能型居宅介護を選びました。
「父もいまは落ち着いていて、私も月 1回通う程度に。ですが、自然災害も不安なので、自分の家の近くへ引っ越してきてもらう予定。でも実家を売却する場合に大きなお金を動かすのが、判断能力の怪しい父本人でないとできず、任意後見制度や家族信託は父に抵抗があるしで、いま悩んでいます」

K.Kさんの介護ヒストリー
<基本データ>
東京都在住の39歳。
介護の相手:父(76歳)認知症で 1年別居在宅介護。

38歳のとき
母が亡くなり75歳の父の認知症が悪化

父は独身の兄との二人暮らし。同居者がいれば大丈夫と思っていたが、久しぶりに実家へ行くと、家が乱れている印象が。兄任せにしていた父の薬の服用やお金の管理もうまくいっていない様子。父の会話も支離滅裂で、認知症の進行を痛感。

39歳のとき
介護申請の手続きをし要介護1の認定。小規模多機能型居宅介護を受ける

要介護1のときの一週間

介護保険サービスの自己負担額(月)
小規模多機能型居宅介護 1320

父には抵抗があったようだが必要と判断し、介護申請の手続きを。人と接すること、薬の服用の管理、片付けの手伝いなどを希望した介護サービスを地域包括支援センターで相談。小規模多機能型居宅介護をすすめられ、利用を開始する。

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取材・文/鹿志村杏子 構成/長南真理恵

Mart2020年1月号
費用は?何でまかなう?いまから考えておこう!「親の介護」にかかる"お金"の話 より

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