「僕、たこ焼きを丸めるの得意なんですよ」と、器用に手を動かしながら語ってくださった宮崎さん。たこ焼き弁当は、5歳の息子さんのリクエストの上位にランクインしているのだとか。「場所によって焼きムラが出るので、こうやっていろいろ入れ替えて……〇〇君、真ん中にいってみようか(笑)。なかなか丸まらない個性派の子は、様子を見ながら話しかけてみたりね(笑)」と、お弁当づくりに人生論を引っ掛けるところがユニーク。前回の記事もしかり、そんな独特で、とことんポジティブなお弁当づくりに今回も密着させていただきました。
フタ裏を汚さないよう
「白だし」で下味をつけて!
宮崎さんがお弁当づくりで大切にしている「フタを開けたときの、美味しそうな見た目」。たこ焼きの場合は、ソースで汚れてしまわないよう、下味をしっかりつけるのだそう。「白だしは、生地に混ぜるだけで風味がアップし、ソースいらずに仕上がります。味がしっかりついていると、冷めたときも美味しいからおすすめですよ」とのこと。
具材は、子どもが好きなものをたっぷり入れて。「ウインナー、キャンディチーズは、間違いなく喜んでくれます。お弁当は、僕からの子どもへのエールのひとつでもあるので、彼のテンションがあがるよう、工夫しています」と語る宮崎さん。また、ここで大切なのが「あげ玉」の役割。加熱すると中から油がじわっと染み出し、たこ焼きの表面がカリっと仕上がるのだそう。
謙介流人生論
たこ焼き弁当から語る
まあるくいこうぜ!
「美味しいたこ焼きの店を観察して学んだ“生地はたっぷり鉄板の上に流す”ワザ。具材を入れて、ある程度加熱してから生地を丸めていきます。上手に成形できるもの、最後までうまくいかないもの、いろいろ出てきますが、場所の入れ替えや“追い油”などで、臨機応変さを求められるのが、たこ焼きの面白いところ。その“ポジティブな感じ”が、僕の人生のモットーとちょっと似ているなって思うんです。お弁当づくりってやっぱり、人生の縮図なのかな(笑)」。
うまく成形できなくても
“追い油”でなんとかできる!
撮影中、どうしてもうまくまとまらないたこ焼きができてしまったとき、「油ありますか?」と、おもむろにサラダ油を手にし、ざっと鉄板の上にかけた宮崎さん。「ムラが出ないよう、こうやってホットプレートごと傾けるのがコツです」と、表面を軽い揚げ焼きにするのがポイントだそう。
実はたこ焼きって
バランスのいい主食兼おかずです
野菜も肉も入れられて、ビタミンやたんぱく質もしっかりとれるのが、たこ焼きのいいところ。「通常のお弁当には、主食であるおにぎりやパンを必ず入れますが、たこ焼きの場合は、むしろこれを主役にして、あとはバランスを見てちょこちょこ足せばいいんです」と、良さを語ってくださいました。
ウインナーの飾り切り、ミニトマト、ボイルした海老などを加え、完成。たこ焼きを主役にした、たこ焼き好きのための、ユニーク弁当ができました!
うまく丸まらなくても「なんとかしましょう!」と、何度もトライしてくださった宮崎さん。その底抜けの明るさと、周りを笑顔にするポジティブさに、撮影現場は終始笑いが絶えなかったのでした。毎日「作らなくてはいけない」とお弁当をとらえるのではなく、「こんなのもあっていいんじゃない?」「きっとうまくいくと思う!」「じゃあこう工夫してみよう」など、その切り替え術は、確かに前向きに生きるコツのひとつですね。
全3回にわたった、宮崎謙介さんのお弁当アイデア。皆さんも、是非お試しください。
宮崎謙介さん
元衆議院議員で、現在はコンサル業務など多数の事業を手がける。5歳のひとり息子の子育てなどをつづったブログ「前向き宣言」は、アメブロの中でも常に人気上位を誇る。7月1日に、書籍「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件」(徳間書店)を上梓。
撮影/志波慎寿介 構成/Mart編集部