「今日はごはんをつくりたくない……」。日々忙しく過ごしていると、くたくたで何もしたくないと思う日もありますよね。それは料理のプロであっても同じ、とお話してくださったのは料理研究家のコウケンテツさん。
毎日のごはんづくりに疲れた人たちをいたわるエッセイ&レシピ本を上梓されたコウさんに、本が生まれるきっかけや、そこに込められた思いについておうかがいしました!
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面倒な日は朝昼晩「ホットプレート」ご飯で
コウケンテツさん
1974年大阪府生まれ。料理研究家。旬の素材を生かした手軽で美味しい家庭料理を提案し、多方面で活躍中。30カ国以上を旅して、世界の家庭料理を学んだ経験も持つ。3児の父として、育児に家事に奮闘中。YouTube公式チャンネル「Koh Kentetsu Kitchen」も大人気。
毎日のごはんづくりは〝やって当たり前〞じゃない!
うちでは仕事も家事も夫婦で分担が基本。でも、妻はデスクワークと子どもの学校のことはすべてやってくれていて、圧倒的に妻のやることが多いんですよね。その分、ごはんづくりは必然的に僕の役割が多いかな。
だけど、ごはんづくりって本当に大変ですよね! なのに〝やって当たり前でしょ〞みたいに思われちゃったら、しゃくでならない(笑)。そんなに家事は甘くないぞ! って、この気持ちを誰かと分かち合いたくなります。
しんどさを家族にわかってもらうことも大切
以前は、仕事で料理をつくりながらも「今日のごはんは何にしようかな」とわくわくしながら考えていたこともありました。でも、子どもが生まれて2人、3人と家族が増えていくうちに、「なんだかしんどいな」と思うようになってきてしまい……。
あるとき、それまでつくっていた朝食をつくらず、コーンフレークを出したことがありました。そうしたら、なんと当時5歳だった長男が目玉焼きをつくり、きゅうりを切り、パンにのせて家族に朝ごはんをつくってくれたんです! それを見た長女は、「私も玉子焼きをつくりたい」と言うように。小2の今では上手に玉子焼きを巻いているんですよ。
そう、お父さんもお母さんも大変になることはある。だからどれだけ大変かっていうのをうまくアピールしたほうがいい。そうすれば、家族も理解してくれるし、自覚が芽生えると思うんです。
いざというときのためのお助けレシピを持っておいて
そのうえで、どうしてもごはんをつくらないといけないときのために、「この範囲ならOK」「これならできる」という駆け込み寺的なレシピやアイテムをいくつか持っておくといいですね。
僕は疲れたときは、グリルを活用します。チキンをよく焼きますが、部位やたれを変えるだけでもいろいろ楽しめます。あとはインスタントラーメンと残り野菜や肉を煮たラーメン鍋。どちらも家族に好評です。自分なりのお助けレシピで、いざというときを乗り切りましょう!
明日は引き続きコウケンテツさんに「考えなくてもつくれる」メニューを教えていただきます! お楽しみに!
『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』コウケンテツ/著 ¥1,400 ぴあ
仕事として、家事として、趣味として、常に料理と向き合っている著者が、毎日食事をつくっている人の気持ちを少しでも軽くしたい、気持ちに寄り添いたい、という思いから生まれた一冊。エッセイのほか、レシピも収録。
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【1カ月レシピ】野菜もたんぱく質もとれる!バランス晩ごはん第1週(日曜日)
取材・文/岡部礼子 構成/Mart編集部
2020年1月号
コウケンテツさん・栗原心平さん・ヤミーさん・市瀬悦子さん・鈴木 薫さん「料理家が『つくりたくない日』を乗り切るレシピ」より