代替肉はここまで進化した!? 香港発の「オムニポーク」を目隠しガチ試食!

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

ここ数年、少しずつ注目度がアップしてきている代替肉、いわゆる「プラントベースミート」ですが、日本ではとくに宗教的理由で肉を避ける人が少ないという事情もありますが、なかなか爆発的に普及、という状況ではありません。
そこに大きな一石を投じそうなのが、「オムニポーク(OmniPork)」です。

~食の都・香港から“カラダも地球もよろこぶ”食の選択肢を~

というキャッチフレーズの通り、香港の企業「Green Monday & OmniPork」が開発した商品。アジアでの食肉消費量の約6割を占める豚肉に着目し、2年の歳月をかけて誕生したのだそう。
すでにアジアを中心に世界7か国・30,000を超えるお店で採用されているというオムニポーク。東京・自由が丘の世界No.1ヴィーガンレストラン『菜道』での採用を皮切りに、日本国内でも本格展開がスタートします。

「ポーク」を名乗るその自信に、探求心に火が付いた!

プラントベースミートは、どうしても「エコ」「サステナブル」という言葉と結び付けて報道されがちです。が、個人的にはお肉ほど暮らしに密着したものが「エコだから」「サステナブルだから」という理由だけで普及するとは思えないのです(すみません)。
私がこの「オムニポーク」に注目した理由は、ただただその美味しさです。「注目した時点では食べてないのに、なぜその美味しさがわかるの?」と突っ込みが入りそうですね(笑)。

理由のひとつは、すでに「ザ・リッツ・カールトン香港」などの高級ホテル内のレストランで採用されていること。もうひとつが大きいのですが、「ミート」ではなく「ポーク」を名乗っていること。つまり、「なんとなく肉っぽい」から一歩踏み込んで「豚肉っぽい」「豚肉代替」を明確にうたっているところなんです。
となれば、本物の豚肉と比べてみるしかない!と思い、さっそく商品を取り寄せました。

「格付け」風のブラインドテストにいざチャレンジ!

冷凍状態で届いたオムニポーク。冷蔵庫にひと晩おいて解凍してみると、なるほど確かに豚ひき肉に近い見た目ですが、スーパーで手に入る一般的な豚ひき肉と比べてみると、見た目は明らかに異なりますね。

左がオムニポーク、右が豚ひき肉。

そこで、正月の人気番組「格付けチェック」よろしくアイマスクを着用。舌と鼻だけでテイスティングし、「どちらがオムニポークか」を回答することに。わざわざA、Bの札を手作りしての挑戦です。

Round.1 餃子

いきなり、これはアイマスクなしでも見分けがつかないメニューからチャレンジ。いちおう先に断っておきますが、難しいと思われるメニューから始めてみました。

いざ、試食タイム!

うーん、香りはあまり違わない気が……味も……。キャベツなど、他の具と混ざっているせいでしょうか。

いよいよ回答の時間!

うーん………Bかな………

そして正解は………【A】
まじすかーーーーーー!難しい問題からやったとはいえ、いきなりの不正解。みごと出ばなをくじかれました。

Round.2 そぼろご飯

次はご飯のおともの定番、そぼろです。鶏が多いですがあえて豚で。生姜や砂糖、しょうゆなどで味付けをした、まさにご飯が進む味です。

あとで肉眼で見たのですが、さすがに違いがわかりますね。
さて、気を取り直して試食タ~イム!

 

香りは……生姜や醤油の香りで違いがいまひとつわからない!

食べてみると……あー!これはわかったかも!

回答は…

B!(やや自信ありげ)

そして正解は………【B】
イエス!初日が出ました!決め手はやはり食感。そぼろの粒感の微妙な違いですね。しかしお恥ずかしながら、香りや味は生姜や醤油をはじめとする調味料のチカラで微妙な差にしか感じられませんでした。

Round.3 薄く塩・こしょうして炒めたもの

そして最終ラウンドは、よりシンプルに、素材の味が試される調理法。見た目はやはり違いますね。

そしていざ試食!

 

あっ!わかっちゃったかも!3ラウンド目にしてはじめて、香りの違いが…。

味も確かに、こうしてみると微妙に違います。そりゃそうか。

運命の回答タイム!

自信のA!ファイナルアンサーです!(ニッコリ)

そして正解は………【A】
………まぁ、当然でしょう(内心大喜び)。編集長としての(?)面目を保った形に。ちなみに現場にいたスタッフ2名も餃子は不正解でした…。

結局、オムニポークはどれだけ豚肉だった?

こんな茶番はいいから早くそこを教えてほしい!?  ですよね……。
まとめると、
・見た目はやはり違う、とくに色は解凍したものと生、という違いがあるのも一因かも
・粒の大きさの差と、やや弾力のある食感に違いが
・若干独特な(かぎ慣れない)香りはあるが、あくまで比べようと必死になったらわかったよ、というレベル
・味も、一般的な料理に使う分には正直それほど違いがわからないレベル。コロッケなどに使っても、かなり違いが分かりにくくなりそう

といったところです。
また、注目すべきはその価格。一般的な豚ひき肉の価格は通常時で100g100円弱、ぐらいでしょうか。それに対してオムニポークは1kgのパックで1590円、つまり100g159円となります。
ざっくり1.5倍ぐらいですが、ヴィーガン食材に対して抱いているイメージよりは、「安い」と思われた方も多いのでは?それは、「サステナブルをトレンドで終わらせない」と語る創業者、デイビッド・ヤン氏の強い意志と企業努力によるものなのかもしれません。
この「オムニポーク」が、プラントベースミート、そしてサステナブルという概念と私たちの間を隔てる見えない壁を、ぐいっと踏み越えてくるきっかけの一品になるかもしれない、と思うのは大げさでしょうか。1年後、2年後の「オムニポーク」の姿を、私は楽しみにしたいと思います。

オムニポーク 1kg¥1,590
現在オムニポークが買えるのは…
<実店舗>ナショナル麻布 http://www.national-azabu.com/
<WEB>アリサン https://alishan-organics.com/

また、シェフが調理したオムニポークを食べたい!という方は前述の『菜道』をはじめ都内数店舗で楽しめるそう。詳しくは公式サイトをチェック!
https://omnipork.co/jp

撮影/山下忠之 フードコーディネート/鮓本美保子 文/小松伸司

- 関連記事 -

    マガジン
    Mart2024春号
    2024年3月28日発売
    ¥980
    マガジン
    Mart2024春号
    2024年3月28日発売
    ¥980