毎日いただくおうちごはん用に、今年は素敵なうつわが欲しい!という方も多いのでは? プロはどのような目線で選んでいるのか、管理栄養士でテーブルスタイリングも手掛けるMart WEEKENDERの土肥愛子さんに聞いてみました。Mart冬号「3日分のたんぱく質つくりおき」企画でもいくつか、実際に使っている愛用のうつわを紹介してくれたましたが、今回は誌面で紹介しきれなかったリアルに欲しいと思っているうつわをいくつか紹介してもらいました。
その1 薗部産業【めいぼく椀 中】
肉厚でシンプルでころんと丸い、あたたかみを感じるフォルムは今っぽさもあり、和の汁物にはもちろん、洋風スープにも使え、さらにはシリアルやサラダなど汁物以外の料理にも使えて優秀です。もともとは北欧食器と取り合わせの良いうつわを作りたくて生まれたデザインだそうで、汁椀で上部がすぼまったデザインというのも実はあまりなく、独自のフォルムなのだそう。
程よい厚みで手によく馴染み、高台も通常のお椀に比べると滑らかな曲線であまりないように見えますが、少し厚みがあるので指のかかりが優しく、さらに深すぎず浅すぎずで丁度よく持ちやすいですね。
型はなく、職人さんが1つ1つ手触りや持ちやすさを確認しながら手作業で削り出しているから、どれも手にピッタリと吸い付くようなフィット感で使いやすく、厚みも口当たりの良さやお椀を持った時に熱くないよう計算されています。
漆塗りのお椀とはまた違う良さがあり、木のあがたたかみや1つ1つ違う木目の個性に愛着を感じます。カジュアルに日常使いしやすいデザインとウレタン塗装がされているのでお手入れもラクなんです。
その2 HASAMI PORCELAINとKINTOの口径大きめボウル
この2つに共通したおススメポイントは、大きめの直径(12~15㎝)、程よい深さ(高さ5~6cm)のボウル型であることです。
口径が大きめなので盛り付けもしやすく、お椀にも似たなめらかなラインが、手を添えたとき手に馴染んで食べやすいです。日常使いしやすい、シンプルなカタチと白系のカラーが万能。スープカップなのですが、お椀のような何処となく使い慣れた手に馴染むカタチに愛着が湧きますし、和洋中どんなジャンルの料理にもマッチする万能さもうれしいです。
最近人気なうつわの傾向としてはデコラティブではないシンプルで洗練されたデザインが主流で、HASAMI PORCELAINのように伝統ある地方焼物産業の老舗とデザイナーがコラボレーションして生まれたブランドも多いのです。
時代の流れにおいてもサステナブルやボーダーレスを意識している傾向もあり、『料理に合わせて食器を選ぶ』というより、今は『どんな料理を盛り付けてもマッチするうつわ』がトレンドと言えるでしょう。
その3 マルミツポテリの変形皿も楽しい!
うつわの形の割合として、どうしても丸型が多い傾向があるので、食卓にいろいろなうつわを並べたときに形が丸ばかりだと単調でちょっと残念な印象に。そこで変化球として一部を丸型以外の変形皿に変えてあげると、食卓の中にアクセントが生まれ、メリハリのあるテーブルスタイリングになります。
カレーやパスタなど1品ごはんのときでも、うつわを丸型から違う形に変えるだけで今っぽくなり、寂しく感じにくいのです。盛り付ける際のコツとしては、余白を作って高さを意識して盛り付けると、うつわの形の美しさがよりわかりやすくなり、料理もワンランクアップした見映えになります。
シンプルな料理も華やかに見せてくれるので、普段使いはもちろん、ちょっと特別なハレの日の食卓にも使いやすい。料理を頑張らなくても、うつわのチカラに頼れる部分が大きい!忙しくて作る時間がないから今日は買ってきたお惣菜で…という日や、茶色1色で映えない地味ごはんの日でも、変形皿に盛り付けると、それだけで何だか遊び心や雰囲気のある1皿になる気がします。
罪悪感もちょっと薄れるので、ラクしたい日のごはんには特に頼れるアイテムです。今日の食卓はどんな組み合わせにしようかな?と食器を選ぶ時も、いろんな形があるとパズルみたいな感覚で楽しいです♪
撮影/中林香 取材/新里陽子 文/土肥愛子、新里陽子