「土用」と聞いて、みなさんは何を思いつきますか?
「土用の丑の日のウナギ」ですよね。“何月何日”と決まっていないので、毎年スーパーマーケットやウナギ屋さんが告知してくれて思い出す行事だったりしませんか?「土用の丑の日」はカレンダーにも書かれていないこともあり、祝日でもありません。その割には「うなぎを食べる日」として全国的に浸透していますよね。実は「土用」、年に4回あるんです!
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「土用」は暦の上で「雑節」とされていて、春夏秋冬それぞれの季節の終わり約18日間を指します。「立春」「立夏」「立秋」「立冬」各日の前、約18日間が「土用」の期間となっているのです。「土用の丑の日」というのは、その「土用」の期間の中の“丑の日”を指すのです。
「土用」に食べるといいとされているものは陰陽五行説により導き出されていて、
春土用は戌の日に「い」のつく食べ物や白い食べ物
夏土用は丑の日に「う」のつく食べ物や黒い食べ物
秋土用は辰の日に「た」のつく食べ物や青い食べ物
冬土用は未の日に「ひ」のつく食べ物や赤い食べ物
となっています。
夏土用の丑の日は“う”のつくものを食べるといいので、ウナギなのですね。夏のウナギは痩せていて旬とは言い難いのですが、エネルギー代謝に関わるビタミンB群、抗酸化作用のビタミンE、粘膜の健康を保ち感染症予防につながるビタミンAを含みます。けれど脂質が多いので、夏の暑さで胃腸が疲れているときは、ウナギは適切とは言えません。ちなみに私は夏の土用にウナギを食べると元気が出る気がする単純タイプです。
そこで、スーパーマーケットのウナギを少しでも美味しく食べる、とっておきの“ひと手間”をお教えします!
1
ウナギは買ってきたら、表面のたれを指の腹で洗い流すように優しく水洗いする。キッチンペーパーで水分を拭き取る。
2
蒸し器を持っている方は、蒸し器でウナギがふっくら温まるまで蒸す。蒸し器がない場合はフライパンにウナギを入れ、料理酒を大さじ1~2ほど入れて蓋をして蒸し焼きにする。
焼き色強めがお好みの場合は、料理酒大さじ1を振って、魚焼きグリルで焼く。
3
最後に付属のたれをかけて完成(フライパンの上でウナギにたれをかけ、少し煮詰めてもOK)。
売られている状態でウナギにかけられているたれは、味よりもツヤ出しの意味合いが強く、空気に触れて時間が経っているので劣化し、ニオイの原因になっています。しっかり洗い流すのがポイントです。ふんわり好きは蒸して、こんがり好きはグリルで仕上げてください。今回は1尾880円の外国産ウナギでしたが、この方法で温めると臭みがなくふっくら!もちろんプロの手仕事によるウナギには勝てませんが、及第点ではないでしょうか!
今年の「土用の丑の日」は7/28(水)です。滋養のあるものを食べて、英気を養いましょう!
取材・文/滝野香織
滝野香織
管理栄養士
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