『朝食は毎日しっかり食べましょう』という言葉を、昔に比べてよく耳にするようになりましたが、みなさんやご家族は毎朝ちゃんとごはんを食べていますか?? 実はこの夏、食のサービスブランドを新しく立ち上げる予定で、サービスのひとつで栄養コンサルティングを展開するのですが…その準備でいろいろな方に食生活についてのヒアリングをしていたところ、朝食や子どもの食生活についての悩みや問題を抱えている方がけっこう多い!ということがわかりました。
そこで、今回は“朝食の大切さ“と”子どもに必要な栄養素“について少し書いてみようかなと思います。
朝食がもつ大切な役割と、子どもの成長に必要な栄養素とは?
子どもにとって、身体をつくるために栄養素を摂取する“食事”は、実は大人以上に重要なものだったりします。中でも“朝食”は成長に必要な栄養素を摂り入れるだけでなく、これから1日活動する際のエネルギーの源となって勉強や運動時の集中力を高めたり、さらには睡眠中OFFになっている身体のスイッチをONにする働きも!
とくに小学生~高校生の間は、子どもから大人の身体へと人生の中で1番大きく変化&成長する時期で、活動量や消費量も格段に多くなるため、朝からしっかりご飯を食べてパワーチャージをしておかないと、身体の成長だけでなく、イライラしやすくなったり、頭がぼ~っとしてやる気がでないなど、精神的な面でも支障が出てきます。
では、そんな成長期の子どもにとって必要な栄養素とは何でしょうか?とくに押さえておきたい栄養素は、次の6つです。
- 糖質→身体のエネルギーになる。(車で言う“ガソリン”のような働き。)
- たんぱく質→身体をつくるもとになる。身体の約15~20%を占めている。
- カルシウム→骨や歯の形成に必要なミネラルで、体重の1~2%を占める。血液中のカルシウム濃度が低下するとイライラしやすくなる。
- マグネシウム→骨や歯の形成に必要なミネラル。からだの機能を調節し、精神を安定させるなどの効果も。
- 鉄⇨赤血球の材料になり、全身に酸素を運ぶ働きをする。成長期の子どもや運動をする人・月経時の女性はとくに不足しやすい。
- 亜鉛→エネルギー代謝や免疫反応など、からだのさまざまな働きをサポートして、正常に保つ役割がある。たんぱく質といっしょに摂ることで新陳代謝がアップし、からだの成長や維持、皮膚や髪の健康にも役立つ。
どれも成長に欠かせない栄養素で、できれば毎日バランスよく摂らせてあげたいものですが…実際はどんな食材にどれくらいその栄養素が含まれているか調べるのも大変だったり、時間的に朝からしっかりした食事を作る余裕もなかったりと、忙しいママたちにはさまざまなハードルがありますよね。
そこで今回はそんなハードルを解消するべく、時間がない朝でも作れる!、そして食べられる!ものを提案できないかなと思い、子どもの成長に必要な栄養素が詰まったお手軽トーストレシピを考えてみました♡
和食好きさんにおすすめ!「あさり&ひじき煮の卵トースト」
まずご紹介するのは、あさりの佃煮&ひじき煮の和の要素と食パンのコラボが楽しめる、和食好きさんにとくにおすすめしたい一品です♡ 佃煮やひじき煮の甘じょっぱい濃いめの味にとろ~り卵が絡み、絶妙な塩梅で、さらに佃煮の生姜が効いていいアクセントに!
また必要な栄養素は、以下の食材から摂れますよ♪
- 糖質→食パン
- たんぱく質→卵
- カルシウム・マグネシウム→ひじき
- 鉄→あさり・ひじき
- 亜鉛→あさり
【材料(1枚分)】
- 食パン………………………1枚
- あさりの佃煮……適量(約20g)
- ひじき煮…………適量(約50g)
- マヨネーズ………………適量
- 卵……………………………1個
【つくり方】
- あさりの佃煮とひじき煮は混ぜ合わせておく。
- 食パンに1.を均一にのせ、真ん中をくぼませてマヨネーズをかける。
- くぼみに卵を割り入れてトースターで焼き、最後に刻みねぎを散らす。
1. あさりの佃煮とひじき煮は混ぜ合わせておく。
2. 食パンに1.を均一にのせ、真ん中をくぼませてマヨネーズをかける。
3. くぼみに卵を割り入れてトースターで焼き、最後に刻みねぎを散らす。
子どもウケ間違いナシな組み合わせ!「ツナとほうれん草のチーズベーコントースト」
次にご紹介するのは、ツナ&ベーコン&ほうれん草&チーズと子どもの大好きな食材を組み合わせた、間違いない一品♡
ほうれん草は冷凍ほうれん草を使えばカットする手間もなく、包丁いらずで手軽に作れちゃいます!
また必要な栄養素は、以下の食材から摂れますよ♪
- 糖質→食パン
- たんぱく質→ツナ・ベーコン・チーズ
- カルシウム→チーズ
- マグネシウム・鉄→ほうれん草
- 亜鉛→チーズ
【材料(1枚分)】
- 食パン………………………………1枚
- マヨネーズ………………………適量
- 冷凍ほうれん草…………………30g
- ツナ缶……………………………1/2缶
- スライスハーフベーコン…………1枚
- 塩こしょう…………………………適量
- ピザ用チーズ……………………適量
【つくり方】
- 冷凍ほうれん草は電子レンジで加熱して解凍しておく。(自然解凍でもOK)
- 食パンにマヨネーズを塗り広げ、1.のほうれん草を均一にのせて、さらに汁気を切ったツナ缶と1㎝幅に切ったベーコンをのせ、塩こしょうをふる。
- ピザ用チーズをのせてトースターでこんがり焼き色がつくまで焼く。
1. 冷凍ほうれん草は電子レンジで加熱して解凍しておく。(自然解凍でもOK)
2. 食パンにマヨネーズを塗り広げ、1.のほうれん草を均一にのせて、さらに汁気を切ったツナ缶と1㎝幅に切ったベーコンをのせ、塩こしょうをふる。
3. ピザ用チーズをのせてトースターでこんがり焼き色がつくまで焼く。
ここでさらに、栄養バランスがアップするもうワンポイントをご紹介!
ほうれん草やひじきなど植物性の食品が含んでいる鉄は“非ヘム鉄”と言い、動物性の食品に比べて吸収されにくい性質があるのですが…ビタミンCを多く含む食品といっしょに摂ることで、実は吸収がよくなります♪ なのでビタミンCが豊富なオレンジジュースやいちご・キウイなどのフルーツを、トーストといっしょに摂ればもう栄養バッチリ!
成長期の子どもにとって必要な“鉄”の吸収アップにひと役かってくれますよ♡
朝ごはんを食べることは、活動するためのエネルギーが得られるだけでなく、成長期の子どもにとって不可欠な栄養素も摂ることができるので、とっても重要!
1日の中でもとくに忙しくてバタバタしがちな時間帯ですが、身体の成長だけでなく、学力や精神的な面にも影響してくるものなので、お子さんのためにも今一度、いつもの朝食を見直すきっかけになってもらえればうれしいです。
写真・文/土肥愛子
土肥愛子
管理栄養士・フードコーディネーター