NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」の聖地へ!豊かな自然を学べる美術館をレポート

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今夏オープン以来、連日多くの人で賑わう大人気スポット、高知県・佐川町の「佐川おもちゃ美術館」。2023年前期のNHK朝の連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルであった植物学者の牧野富太郎博士が生まれ育った町の豊かな自然、森林、植物をテーマにした話題の交流型ミュージアムを体験してきました!子どもだけでなく大人もハマってしまう仕掛けの数々、木の香りに包まれた癒し空間は時間を忘れて楽しめますよ!

「木育」&「植育」 がコンセプト!植物、化石、山…地域ゆかりの楽しい仕掛けが満載♡

佐川おもちゃ美術館がある佐川町は、高知市中心部から車で約40分ほど。多くの偉人を輩出した文教の町として知られています。見渡す限り山々に囲まれた静かな里山はマイナスイオン全開で体の芯から癒されます。

美術館のコンセプトである「木育」とは、幼い頃から木や森に触れて豊かな心を育むことを指し、「植育」とは、植物の栽培や収穫を通じて、木育同様、子どもたちの健やかな成長を促すことを指します。

「牧野博士はどんな植物にも分け隔てなく愛情を持って接してきました。そんな博士の姿と想いをこの空間で遊びながら体験することで、生きとし生けるもの全ての命の大切さもまた感じてもらえたらと思っています」と、岡﨑館長。

扉の前に立つだけで、森林にいるかのようなものすごく濃い木の香りに包まれます。シンプルな外観とは打って変わって、館内は色々な木材でできた空間が広がります。使われている木材は佐川町内のヒノキをはじめとした県産の木材。

岡﨑館長は、「このような形で森からきた木が活躍する姿も見てほしいです。お孫さんといらっしゃるおじいちゃん、おばあちゃんやその場で出会ったファミリー、大人も子どももともに入り混じって遊ぶ姿を多く目にします。世帯、世代を超えた交流の場になっていますね。」と、語ります。

高知の伝統木工技術「組子」があしらわれた階段。素晴らしい職人技にも触れられる貴重な体験。

他にはなかなかない木材を曲げる技法も珍しく、プロの建築家も多く訪れるほど注目されている。

およそ600平方メートルもの施設の中には、他ではなかなか出合うことができない国内外のもの、オリジナルのものを含めて約300種類もの木製おもちゃと手の込んだ仕掛けの空間が広がり、遊びながら学ぶことができます。

エントランスを入ると、まず目の前に現れるのが佐川の山を模した木のドーム。そしてその横には、ドラマでもすっかりお馴染みになった牧野博士が愛したバイカオウレンの群生を作る「まきのさんのはなばたけ」。白い可憐な花が咲き誇る様子はおもちゃと思えないほど美しく圧巻です。
こんなに小さな木でできた花も一つ一つ取り外すことができ、
逆さまにするとコマとしても遊べるんです。

壁一面のワカキノサクラやオンツツジなどを模したマグネットの花や蝶や鳥も取り外すことができます。また、歯車型になっている花は組み合わせながら回転させて遊ぶこともでき、自由に遊びをつくり出せるたくさんのきっかけに溢れています。
ドラマで牧野博士が愛用していた胴乱(どうらん)もツリーレザーで再現されています。胴乱とは植物採集に使われる肩掛けバッグのこと。子どもだけでなく大人も胴乱をかけて、木でできた植物や虫をバッグに集めて、植物採集気分を楽しんでいました。

マグネットで取り外し可能な花や鳥。壁面の木を回りながら、胴乱やガラスの採集ビンに花を摘んで入れて植物採集ごっこ!

そして驚くべきは一つ一つのディテール!小さな動物や花のパーツは本物さながらに繊細に描かれていて、同じものでも少しづつ違う様は感動ものです♡

森の遊びを体験できる「まきのさんのやま」が木製遊具として設置されています。都会ではなかなか体験できない遊び方が思う存分楽しめます。

森の中に立っているかのような自然木にはよく見ると所々小さな穴が空いていて、そこを先にマグネットがついた棒で引っぱると木でできたひっつきむしが取れる面白い仕掛けが!

大人も夢中になってしまう遊びの一つです。

また、いつも多くの人で溢れている人気エリアの一つが木のボールで埋め尽くされたプール!

およそ5000個の卵型の木のボールが敷き詰められた「たまごプール」では、木の感触を楽しめるだけでなく、化石のおもちゃを探して遊ぶことができます。

木のボールに埋もれて簡単に見つけることができないのでまさに宝探し♪泳いだり、埋もれたりして、夢中になって遊ぶ子どもたちの横で、パパやママは子どもそっちのけで童心に返って、数少ない化石探しに夢中になっていました。

小さな木のケースの蓋を開けると木に葉や虫が彫られた化石が出てくる♡

とにかく細かな仕掛けがそこここに隠れていて、それを探して歩くのは子どもだけでなく、むしろ大人の方がハマってしまいます♡

知ってそうで知らなかった、あの野菜の収穫体験も楽しい!

高知特産の野菜の畑や梨の木も再現されていて、こちらも全て取ったり、引っ張ったりして収穫体験を味わうことができます。

こちらが梨の木。白木にマグネットがついていて引っ張ると取れる仕組み。大きな窓の向こうには鮮やかな緑が眩しい山々が。

大根と人参の畑を模した木の土台。木でできた大根とにんじんは軽く引き上げるだけで抜ける。

高知を代表する特産物・生姜。こんなふうに土の中でつくれていることを意外と知らない人も多く、新たな発見に感激する子どもたちも多い。

その畑の横にあるのは、地元に伝わる「田舎寿司」をつくって遊べるお寿司屋さんカウンター!

なかなか渋いお寿司屋さんの佇まい。後ろには調理場や冷蔵庫まである。木の温かみがたまらない空間。

ネタはシャリのカーブに沿ってしっかりフィットするようにできている。高知ならではの野菜のネタだけでなくまぐろやはまちなど、十数種類ものラインナップ♡

高知特産のりゅうきゅう、いたどり、四方竹などを使った地元ではお馴染みの田舎寿司。

これがまた、大人でも夢中になってしまうほど可愛いんです!
ネタもシャリも食器も、全て木製。手に馴染む感覚、そしてこの精巧で気の利いたつくり、とても素敵です。女子の中には朝からずーっとここで遊んで離れない子もたくさんいます。この場の体験で野菜嫌いが克服できた子もいるそうです。

田舎寿司は併設されている「まきのさんの道の駅・佐川」でも販売されているのでぜひ、チェックしてみて下さい。(販売は不定期です)甘辛く煮た四方竹や椎茸、こんにゃくの寿司も絶品です。

丸一日遊び尽くして、山と海の美味しいものをまとめて堪能できる高知♪
地元のごちそう巡りとセットでお出かけしてみませんか?

入場料:こども(1歳〜中学生まで)¥500、おとな(高校生以上)¥800

佐川おもちゃ美術館

高知県高岡郡佐川町加茂2711-1
☎︎0889-20-9977
【営業時間・休業日】10時〜16時(最終入館15時30分) 水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始休
https://sakawa-toymuseum.info/

取材協力/連続テレビ小説を生かした博覧会推進協議会
撮影/志波慎寿介、八代恵美子、atrio 取材/八代恵美子

 

 

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