映画館のDolby Cinema(ドルビ―シネマ)って何?【映画ライターの体験レポート】

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ドルビ―シネマ

ドルビーシネマ、4DX、IMAXなど、映画鑑賞料金にプラスして特別料金を払うスクリーンがある映画館、増えましたよね。Martの読者さんやライター仲間からも「それってどんなもの?」「子どもと一緒に行って大丈夫?」などと聞かれる機会が多く、今回改めて体験して記事にすることにしました。この記事では「Dolby Cinema(ドルビ―シネマ)」について紹介します。

Dolby Cinema(ドルビ―シネマ)とは?

Dolby Cinema®︎(ドルビーシネマ)は、最先端の光学・映像処理技術を採用した「ドルビービジョン プロジェクションシステム」と、立体音響システム「ドルビーアトモス」の両技術を取り入れ、洗練されたシアターデザインと一体化させたシステムのこと。

【映像】

鮮明な色彩とコントラストが特徴のドルビービジョンでは「今まで黒と思っていた色は本当の黒ではない」とされるほど、画面が暗転するとスクリーンも館内も真っ暗になります。

【音響】

ドルビーアトモス技術によって360度音に包まれ、音が縦横無尽に空間内を移動するので、背後から近づく足音は背後から、空から落ちる雨や雷音は空から聞こえてくるかのようです。

実際に体験してみてどうだった?

ティジョイ横浜のドルビ―シネマ

今回ドルビーシネマを体験したのは横浜駅からすぐ、NEWoMan横浜に直結しているT・ジョイ横浜。宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』を鑑賞しました。

【スクリーン】

Tジョイ横浜のスクリーン

スクリーンサイズは劇場によるのですが、T・ジョイ横浜は2020年開業で最初からドルビーシネマ用のスクリーンを導入しているため、わりと大きめでした。通常の横長のスクリーンよりは高さもあります。

【音響】

ドルビーシネマのスクリーン

目立ったスピーカーは見当たらなかったのですが、(株)ティ・ジョイの担当者によると、あらかじめ天井や両サイドと背後の壁にも音響設備が埋め込まれているのだとか。そのため360度音に包まれているような感覚になります。

【座席】

黒を吸収する座席

黒を吸収する特殊な布地を使った座席

Tジョイ横浜の座席

かなり傾斜があり、見やすくなっています。

T・ジョイ横浜の場合、座席のシートもドルビーシネマ向きにしてあるのが特徴。黒色をより黒く見せるため、黒を吸収するような材質の布地を使った椅子になっているそうです。カラーコントラストに関しては、かなり力を入れていることがわかります。

【どんなシーンで効果を感じた?】

実際に『君たちはどう生きるか』でドルビ―シネマの効果を感じたシーンを紹介します。

  • 暗闇のシーン…自分の手や白いスニーカーも見えなくなるくらい、本当に漆黒の暗闇になり驚き!
  • 後ろから人が近づいてくるシーン…背後から音が聞こえたので振り返りそうに。
  • 火事や花火のシーン…火がバチバチ燃える音、花火が上がる音の臨場感がすごい。
  • 弓をひく音、波音、鳥の羽音…目を閉じれば自分のそばで弓矢や鳥が飛んだり、海が近くにあるように感じるほどリアル。
  • キャストの声…色んな方向からクリアに声が聞こえるので作品世界に没入しやすい。

あまりネタバレできない作品のため詳しくは書けませんが、ドルビーシネマの効果も相まって、個人的には宮崎駿アニメの新作として十分に楽しめました!

料金など気になるポイントを解説

Tジョイ横浜入り口

【料金】

劇場によりますが、通常の映画鑑賞料金に+600~700円の追加料金がかかります。

【子どもと一緒に観られる?】

特に年齢制限はないので、親子で観ることができます。ただ、真っ暗闇を怖がるようなお子さんは避けた方がいいと思います。

ドルビ―シネマで観るのが向いている映画は?

ドルビーシネマロゴ

360度の立体音響なので、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)や『ロケットマン』(2019年)といった実在のミュージシャンの伝記映画などは、ライブ会場さながらの臨場感を味わえます。

今回観た『君たちはどう生きるか』のようにアニメ作品の上映も増えています。中でも『リトル・マーメイド』(2023年)や『ONE PIECE FILM RED』(2022年)といった、歌唱シーンが話題の作品は向いていると思いますし、親子で楽しめます。

黒が漆黒レベルになることや、足音など音が四方八方から聞こえてくる特徴を考えると、SF作品やホラー映画はかなりの迫力を感じるはず!

ドルビ―シネマが観られる映画館

ドルビーシネマの客席

2023年8月現在、ドルビーシネマのスクリーンは、関東から九州まで全国9スクリーン。立体音響技術ドルビーアトモスに対応した映画館は全国32か所40スクリーン(2023年冬開業予定含む)となっています。(Dolby公式サイトより)

ドルビーシネマ自体、日本には2018年に導入されてからまだ5年の新しいシステム。対象の作品も増えているので、スクリーンもこれから増えていくのではないでしょうか。

以上、ドルビーシネマについて詳しく紹介しました。ドルビーシネマ未体験の方、次の映画をドルビーシネマで観るか迷っている方の参考になったら幸いです。

<今回体験した映画館はこちら>

Tジョイ横浜

T・ジョイ横浜

取材・撮影・文/富田夏子 (取材協力・一部写真提供/T・ジョイ横浜)

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