これからもずっと続いていくよりよい世界をつくるための目標として注目されているSDGs。学校で話題になり、興味を持っているお子さんも多いのではないでしょうか。Martでは、週末に親子でお出かけがてらさまざまな体験ができ、楽しみながらSDGsについて学ぶことができる施設をご紹介します！
楽しみながら、自然の恵みを循環させる仕組みを学べる！
クルックフィールズは、千葉県木更津市の広大な農場を舞台に、「農業」「食」「アート」の3つのコンテンツを軸にした、サステナブル ファーム＆パークとして2019年11月にオープン。さらにこの秋、新たに宿泊施設「COCOON」や「地中図書館」などのオープンを控えています。
「次の世代も使い続けられる農地へ」という考えのもと実践されている有機農業は、10年前から開墾し、土づくりからこだわってきたもの。また、場内の電気は太陽光発電でまかない、下水は場内で浄化するシステムが
あるほか、動物の排泄物や生ごみを堆肥に変えて畑で活用しています。
ほかにも古材を再利用した施設があるなど、環境に配慮し将来を見据えたサステナブルな仕組みを実践しています。
クルックフィールズツアーでサステナブルな仕組みを学ぼう！
「クルックフィールズツアー」に参加すると、施設内でのSDGsへの取り組みを楽しく知ることができます。早速ツアーの内容をご紹介します！
【1】太陽光の恵みを光が織りなすアートで体感「アート鑑賞」
草間彌生「無限の鏡の間-心の中の幻/Infinity Mirrored Room-Illusion inside the Heart」（2018）
自然の中に現れる、草間彌生さんの作品。自然光を生かした「無限の鏡の間」は、太陽光があって初めて完成する作品。ソーラーエネルギーや植物が光合成で生きる仕組みを、アートから体感します。
【2】場内をめぐりながら微生物の働きで排水を浄化「バイオジオフィルター」
飲食店などの浄化槽から出る排水は、砕いたレンガが敷き詰められた道を時間をかけて通過します。この道は、レンガの小さな気泡に棲む微生物や、近くに植えてある植物が水の浄化を助ける、いわば自然の循環型ろ過装置。きれいになった水は自然へ戻されます。
【3】微生物やミミズの力を借りてごみを”堆肥”に再生「ミミズコンポスト」
この中に生ごみを入れて堆肥にします。
野菜くずとともに、ミミズを発見！
飲食店から出た野菜くずなどの生ごみを、堆肥にするコンポスト。中には土とともに生ごみを餌とするミミズが棲んでいて、熊手で掘るとその姿を観察できます。堆肥は場内の植栽や畑の作物に使われ、植物を育てる養分として活躍します。
【4】生き物と触れ合いながら種の多様性を肌で感じる「放牧見学」
飼育の難しい希少な水牛をはじめ、ヨーロッパで多く飼育されている牛のブラウンスイス、乳がシェーブルチーズに欠かせない山羊などを育てている酪農場があります。斜面の放牧地では、牛たちが草を食む姿を見られることも！
【5】ハーブの香りが立ち込め植物の豊かさが感じられるガーデン「エディブルガーデン」
ここではハーブや野菜、エディブルフラワー（食用の花）などが栽培されています。実際に触ったり、手に取ったりする体験も。同じハーブでも種類により葉や花の形が違ったり、香りが違ったりするのを観察できます。
ツアーを経験して感じたこと、学んだこととは？
動物の恵みをいただくありがたさを実感
牛や羊や山羊が餌を食べたり、走り回ったりする様子がとてもかわいくて癒されました。牛乳やチーズなど、こうした動物たちからいただく恵みからつくられるものを日々食べていることを改めて実感する、いい体験でした。
排水を自然に戻す仕組みにびっくり！
レストランから出る排水が、バイオジオフィルターを通過して浄化されているなんて、びっくりしました。砕いたレンガを掘ると、下のほうに行くにつれて湿ってきて、本当にここを水が通っているんだと実感できました。
いろいろなハーブの香りを嗅ぎ比べられた
エディブルガーデンでは、きれいなハーブを自分で摘んで香りを嗅ぎました。摘んだのはミントの葉だったけれど、アップルやレモンのような甘い香りやスーッとする香りなど、同じミントでも違った香りがして面白かったです。
クルックフィールズ
千葉県木更津市矢那2503
☎ 0438-53-8776
営業：10:00～17:00（ダイニングは11:00～17:00〈16:00L.O.〉）
休業日：祝日以外の火・水曜
https://kurkkufields.jp/
撮影／山辺恵美子 ヘア・メーク／室橋佑紀（乙黒さん分） 取材・文／加藤文惠 編集／倉澤真由美
2022年Mart秋号 お出かけついでに親子で学べる Mart流「SDGs」体験ツアーへGO！ より
