静岡県西側の都市・浜松市で生まれた独自のお好み焼き「遠州焼き」。戦後、食糧難だった時代に、市内に広がる台地で収穫された大根をたくあんにして、高価だったキャベツの代わりに入れて焼いたことがはじまりとされています。関西や広島のお好み焼きに比べて生地が平べったく薄いこと、2~3枚に折りたたむことが大きな特徴で、浜松市民には小腹が減ったときのおやつ代わりとしても親しまれているレトロ感たっぷりのB級グルメです。
そんな「遠州焼き」を求めて訪れたお店は浜松市にある「駄菓子屋 笑話」さん。笑話と書いて“しょうわ”と読むこのお店は8年前、オーナーの粂田さんが定年退職する前に思い切って始めたそう。「僕が子どもの頃、駄菓子屋さんはお年寄りから子どもまで皆が集まる憩いの場だった。昭和の時代のように皆が集まって笑って話ができる。そんな場所を平成、令和の時代につくりたいと思っていました。」と語ります。
お店を始める前は海外を飛び回る生活が長く、アメリカや中国では雑貨店を何店舗もつくっていた粂田さん。懐かしのレトロ雑貨と色とりどりの駄菓子が店内を彩っています。遠州焼きと同じB級グルメで名高い「静岡おでん」も味わうことができます。
イートインスペースも有り。老若男女、親子連れを問わず気軽に楽しむことが出来ます。
お好み焼き(遠州焼き)¥398(税抜) ※2019年10月より¥480(税込)
粂田さんが一番美味しい状態で提供するためにこだわっているのは鉄板の温度。しっかり熱しないと生地がふんわりとならないそう。また、あらかじめ冷蔵庫で生地と具材をねかせておき、混ぜすぎないことも大事なポイントだとか。カリカリの食感を出すためにトッピングされた天かすも良い役割を担っていました。
小さく切られたコリコリのたくあんは良いアクセントとなり、ふんわりと焼かれた生地の表面にはお店こだわりのウスターソースがしっかりと染みわたっています。笑話のウスターソースは通常のウスターソースに甘みや辛みを加えたこだわりの調合。常連ともなるとその人指定のソースがあるそう。ソースとたくあんの程よい塩気が「もう一口……」と食欲をそそり、あとをひく美味しさ!
おやつ感覚でも軽めのランチとしても楽しめる遠州焼き。浜松市内には遠州焼きを味わえるお店が点在しています。訪れた際にはぜひ、一度味わってみてください!
【お問い合わせ先】
駄菓子屋 笑話
営業時間 11:00~19:00
火曜日、金曜日定休
静岡県浜松市中区佐鳴台3-28-18
TEL:053-489-4766
取材・文・撮影/松下文香
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