将来への備えとして興味のある人も多い「つみたてNISA」。でも、「何から始めればいいの?」「損しそうで怖い」と悩んでいる方も多いはず。そこで今回は、実際に「つみたてNISA」を始める方法について解説します。
「つみたてNISA」についてはこちらをご覧ください。
よく聞く「つみたてNISA」ってどんなもの?
教えてくれたのは
坂本綾子さん
20年以上、マネー誌などで記者として活躍後、ファイナンシャルプランナー坂本綾子事務所を設立。『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』(朝日新聞出版)などを執筆。
Step1 投資用の口座を開く
つみたてNISAを始める第一歩は、口座を開くこと。普通の預金口座や投資口座ではなく、つみたてNISA専用の口座をつくることが必要です。自分に合った金融機関を選ぶことができれば、その後の運用もスムーズにできるはず!
【1】金融機関を選ぶ
●面倒くさがりな人は「銀行」がおすすめ(※預金口座とは違います)
「証券会社より商品数が絞られているので、商品選びに迷いそうな人にぴったり。いろんな金融機関に口座があると把握しきれないという人も、普段使っている銀行を選ぶと管理しやすく、おすすめ」(坂本さん)
●不安があり相談したい人は「地元の証券会社」がおすすめ
「窓口で相談しながら投資をしていきたい人は、店舗で直接相談しやすい証券会社がおすすめ。特に地元密着型の証券会社にすると、じっくり相談にのってもらいやすく、納得しながら選べそう」(坂本さん)
●いろいろ見たい人なら「ネット証券」がおすすめ
「いちばん品ぞろえがいいのがネット証券。幅広い商品の中から選びたい、こだわりのある人にぴったり。つみたてNISAだけではなく、今後株などほかの投資もしてみたい人は口座を持っておくと便利です」(坂本さん)
【2】投資用の口座を開く手続きをする
【ここだけ気をつければOK】
●必要書類を用意
「本人確認書類(運転免許証など)、マイナンバーカードまたは通知カードなどをあらかじめ用意し、各金融機関で口座開設の申し込みを。相談に行く場合は、本人確認書類などを持って行くとスムーズです」(坂本さん)
●口座は特定口座(源泉徴収あり)を選ぶ
「口座を開く際は、〝つみたてNISA口座開設〞を選んで。また、証券口座の種類は、〝特定口座(源泉徴収あり)〞を選びましょう。つみたてNISAは非課税ですが、それ以外の投資をする際に確定申告せずに済みます」(坂本さん)
【通常1カ月のところ、最短即日!すぐにスタートできる制度も!】
NISAを始めるぞ!と思い立ったらすぐ始められる、NISA即日買付制度が2019年1月にスタート。NISA口座の利用には税務署の審査完了を待つ必要があり、申し込みから取引開始まで1カ月近くかかりますが、金融機関に口座を持っている人なら最短で即日、口座がない人でも最短1週間で可能に。金融機関により異なるので、気になる人は相談を。
Step2 積み立て金額を決める
口座を開いたら、次に決めるのは毎月の積み立て金額。非課税枠の年間40万円以内に収まるように計算をします。途中で金額を変えることもできるので、まずは家計を圧迫しない無理のない金額で始め、長期間続けていきましょう。
【始める前にこれだけは注意!】
・半年分の生活費を貯めておく
・投資額は手取り収入の5%以内にする
・値下がりしても待てる状態にする
「投資は余裕資金でやるべきもの。予期せぬ出費で安いときに売却せざるを得ない、なんてことのないように、緊急時の予備資金を貯めてから始めましょう。お子さんがいるなら、半年分の生活費が予備資金の目安です。また、手取り収入の1~2割程度を貯蓄するといいといわれますが、毎月の貯蓄額の一部を投資に回すようにするといいでしょう。投資額の目安は手取り収入の3~5%。長期間続けたほうが利益が出やすいので、無理なく続けられる額で始めて」(坂本さん)
【たとえばこんな積み立て方ができます!】
●地道にやりたい人は「毎月10000円」
「コツコツやりたい人は、毎月定額を払い続ける一般的な方法がぴったり。高値だと少なめに、安値だと多めに買って平均購入単価を下げられ、リスクが低め。続けられる金額から始めて」(坂本さん)
●出費が多い人は「毎月5000円/ボーナス20000円」
「投資にあまりお金を回せない人は、月々の支払いは少なめにし、ボーナスのときに金額を上乗せするのも手。ボーナス月にうまく安値のタイミングが重なれば、大きく増やせる可能性も!」(坂本さん)
●心配性の人は「毎日500円」
「ちょっとのことで不安になりがちな人は、毎日積み立てる方法も。毎日少しずつ積み立てることで、よりリスクが分散され損しにくくなります。500円貯金をするような感覚で続けられそう」(坂本さん)
●Mart読者は「月10000円&月5000円の人がほとんど!」
Mart読者のアンケート結果では、毎月積み立てに回せる金額で多かったのは5000
円と10000円で、半数以上がこの額でした。まずは1000円から始める人や、上限の約33000円にする人も。
Step3 買う商品を選ぶ
口座を開き、積み立て金額が決まったら、いよいよ商品選びです!初心者は「バランスファンド」がおすすめですが、自分で選びたい人は「インデックスファンド」を組み合わせても。
ある程度数が絞られているとはいえ、商品選びはまだまだ初心者には難しいもの。どのような商品をどう選べばいいかなどの基礎については、次回じっくり解説します。
※投資にはリスクが伴います。実際の運用はご自身の判断でお願いします。
※ボーナス時の増額や毎日積み立てができるかどうかは、金融機関により異なります。
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撮影/相澤琢磨(光文社写真室) イラスト/カツヤマケイコ 取材・文/酒井明子 構成/タカノマイ(Mart編集部)
Mart2019年8月号
少額からでも忙しくてもできる!将来の不安に備えて「つみたてNISA」の始め方 より