やりがいがあっても、母親になった先の働き方が見えない。両立はできても、「小1の壁」が乗り越えられない……。女性として働き方の岐路に立つごとに真剣に悩み、自分と家族にとって最良だと思える新たな道を模索してきたMart読者の大谷奈央さん。「これだ」 と思える働き方に巡り合えた今の気持ち、そしてこの先の「働き続けること」への思いを聞きました。
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【PROFILE】
大谷奈央さん（40歳）神奈川県川崎市在住／かならぼPR
化粧品メーカー「かならぼ」にPRとして勤務。気になるコスメや健康グッズを試すことが趣味。目下、在宅勤務での運動不足解消のために健康グッズにハマり中。夫と長女（小3）、長男（年中）の4人家族
猛烈な忙しさを経験して至った働き方改革。
育児を中心にしたベストなワークバランスを実現（後編）
（前編から続く）
当時上の子は５歳で小学校入学を控えた時期。噂に聞いて気になっていた“小1の壁”を何とかしなくてはという気持ちが加速した。
「帰宅した子どもをもっとケアしたい。でも今の働き方だと難しい……。そんなタイミングで声をかけてくれたのが、以前から知り合いだった『かならぼ』の社長でした。商品の魅力だけでなく、自己判断で在宅ワークも取り入れられる柔軟な働き方も魅力で、2度目の転職を決断しました」
母としての自分と、仕事人としての自分をかなえられた
2年前に現在の会社に転職して以来、オフィスに出社して仕事をするというワークスタイルを基本的に選んできたものの、帰宅も以前に比べずっと早くなり、学童が終わる18時までには娘を迎えに行けている。
「在宅で働けることをコロナ禍で〝発見〞して以来、娘が帰宅すると『お帰り』と迎えてあげられる日常も実現しました。仕事がある以上、自分が幼いころ、専業主婦の母にしてもらったようにはしてあげられませんが、できることはしてあげたいという気持ちがありました。そういう意味では、子どもが帰宅したときに家で迎えてあげることができ、自分の仕事の世界も持てているという今は、すごく幸せだと思えています」
これまで2度の転職で働き方を整え、 自分の思い描くワークスタイルを実現できてきたことは自信につながっていると大谷さん。
「この先も子どもたちの成長に伴って、生活スタイルは変化していくと思います。でも、その都度諦めることなく、自分と家族にとって必要な働き方を実現していきたいと思っています」
仕事も家族もどちらも大事だから諦めない。そんなシンプルな決意が、大谷さんを明るい明日へいざなっている。
月に一度、娘と楽しむ「秘密の日」
弟が生まれて以来、どこか「ママをとられちゃった感」を募らせてきた娘をケアする目的で、娘が年少のころから月に一度「秘密の日」と称して二人きりで過ごす日をつくっている。「コロナ前は二人で映画やディズニーランドに行ったこともありましたが、最近ではカフェでお茶とケーキを楽しむなど、ささやかな時間に。家だと娘の話を聞きながらもつい家事の手を動かしてしまいますが、カフェに行くと、娘の話にだけ耳を傾けてあげることができるので、娘も私も満喫できています」。撮影協力／水谷珈琲（神奈川県川崎市中原区木月1-32-16 TEL044-577-4288）
オンとオフとでメリハリをつけるマイルール
在宅勤務でかえって根を詰めすぎてしまい、「このままではまずい」 とメリハリをつけるためのマイルールをつくったという。＂18時になったら一度PCを片づける＂＂仕事のLINEもなるべく見ない＂＂土日は仕事をしない＂＂空いた時間で子どもとの時間をつくる＂というもの。「子どもとの時間は短くとも、全力で向き合うようにしています」。最近よくするのは親子トランプ。「みんなで本気で遊べるので、食後お風呂前の時間によくやっています」
在宅勤務での運動不足を解消中
「在宅勤務の最大のデメリットは運動不足」。 コロナ禍の外出自粛も手伝い、4㎏太ってしまったという大谷さん。現在、オンラインレッスンでのエクササイズに励むほか、肩こりや腰痛解消のために各種健康グッズをお試し中。「夜寝る前が私のエクササイズタイム。ランブルローラーやストレッチポールを使って筋膜リリースをしています。リフレックスボールも愛用中です」
《仕事の日のSchedule》
6:30 起床
7:00 朝食
7:30 子どもたちを送り出す、家事・身支度
9:00 家を出る
9:30 出勤
17:30 退勤
18:00 学童に子どもを迎えに行く
18:30 買い物
19:00 帰宅し子どもたち入浴
19:30 夕食・家事
21:00子どもたち就寝、翌日の食事づくり
22:00 入浴
23:00 ストレッチ・美容時間
24:00 就寝
Mart2021年1月号 働くMartミセスより
撮影／平林直己（BIEI） 取材・文／須賀華子 構成／長南真理恵
