皆さんはコミュニケーションが難しくなる思春期の子どもにどのように向き合っていらっしゃいますか?「伝えたいことはたくさんあるのに、顔を合わせるとケンカに…」というママの声も多い中、思春期の息子さんにお弁当で思いを伝え、「反抗期でも会話がなくてもお弁当は最強のコミュニケーションツール」だという人気インスタグラマーママがいます。今回は、そんな最強ママ・佐藤照美さんにお話をうかがいました。
インスタフォロワー10万人超え&中学2年の息子さんとの「弁当記録」が話題
佐藤照美さん
中学2年生の息子を持つ母親。〝コミュニケーション弁当〞をSNSに日々アップ。関西弁のノリのいいメッセージが、親世代を中心に人気となり話題に。Instagram @superbba8747
お弁当メッセージに同世代の親も共感
幼稚園、小学校と給食だった息子さんのために、佐藤さんがお弁当づくりをスタートしたのは中学入学時。お弁当箱を購入して実際につくり始めると、ご飯を入れるスペースが広く、真っ白なままなのがつまらないと感じたそうです。そこで思いついたのが、のりでメッセージをつくるというもの。「始めたのは息子に何かを伝えたいというよりは、単純に真っ白なスペースがもったいないという理由でした。スタート時は刻みのりで文字をつくっていたため、今見ると不格好ですよね。息子にも何が書いてあるかわからないと言われました」。
メッセージを入れたお弁当をSNSにアップすると、少しずつですが同世代の親から反響が。それと同時に、佐藤さん自身も「お弁当を通して息子に何か伝えられれば」と思うようになったそうです。
短い3行だからこそ必要なことだけが伝わる
思春期を迎え、以前よりも自宅で話をしてくれなくなった息子さんに、思いを伝えるコミュニケーションツールとなっていったお弁当。「顔を見るとついつい余計なことまで言ってしまい、息子はさらに反抗してしまうかもしれません。ですがこの方法なら、3行で言いたいことだけをシンプルに伝えられる。その分息子にも、伝わりやすいのかもしれません。メッセージの内容はあまり難しく考えず、その日に思ったことを書くようにしています」。小言のようなことばかりにせず、息子さんが荒れているなと思うときは、応援メッセージを伝えることも。カッコつけた文章ではなく、思ったことをそのまま伝えることが、毎日のお弁当づくりを苦ではなく楽しく行えている秘訣だそうです。
メッセージも家庭の味も将来、宝物になるはず
毎日母のメッセージ入りのお弁当だと嫌がられそうなイメージですが、「やめてほしい」と言われたことは一度もないそう。「メッセージに対してリアクションをしてくるわけではありませんが、文句を言わず食べて帰ってくるのが返事だと思うようにしています」
また、佐藤さん自身、学生のときにつくってもらうお弁当が、毎日楽しみで仕方がなかったとか。「同じことを息子にもしてあげたい」という思いが、今のお弁当の形に繋がっています。「大人になったときに、思い出の味として残っているとうれしいな。また、伝えているメッセージを通して、〝自分はひとりで生きているのではない、まわりへの感謝の気持ちを忘れない〞という思いを持ってほしい。言葉を交わすことが少なくなってしまった今、お弁当というコミュニケーションツールがあってよかったです。来年は受験生。将来に悩んだときも、お弁当を通して応援ができればと!」
お弁当箱は「フードマン」を愛用。スリムで、バッグに縦に入れても中身が崩れないところが優秀!
文字はクッキングシートを重ねてハサミでカット。ご飯を冷ましておくと、のりを貼りやすいそう。
お弁当のデザインは前日にスケッチブックに書いておくように。
パンチやピックなどのグッズは、工具箱にまとめて入れておくと便利。
ご自宅のリビングには、幼いころから電車が好きな息子さんが描いた、宝物の絵が飾られていました。
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撮影/平林直己 取材・文/酒井明子 構成/タカノマイ(Mart編集部)
Mart2019年10月号
ラクして続く「お弁当革命!」コラム②反抗期でも会話がなくてもお弁当は最強の「コミュニケーションツール」です!より