手づくりのお弁当を通して父と息子の絆を描いた映画『461個のおべんとう』が11月6日から全国公開されます。Mart編集部では、登場するお弁当に毎日必ず入っている「卵焼き」に注目! 長年Mart誌面で映画コラムを担当していたライター富田が、見どころと合わせてご紹介します。
親子げんかしても、仕事がハードでも二日酔いでも……つくり続けたお弁当がつなぐ親子の絆
<STORY>
人気ミュージシャンの鈴本一樹(井ノ原快彦)は妻と別れ、15歳の息子虹輝(道枝駿佑)とふたり暮らしを始める。受験に失敗し、1年遅れで高校に合格した虹輝から、お昼ごはんは「父さんのお弁当がいい」とリクエストを受ける一樹。この瞬間「3年間、毎日お弁当をつくる」「3年間、休まず学校へ行く」という“大切な約束”が生まれた。ライブの翌日も、二日酔いの朝も、けんかをした翌日も……一日も欠かすことのない一樹のお弁当を通して、すれ違いがちだったふたりの心が近づいていく。
今年結成30周年を迎えた音楽ユニットTokyo No.1 SOUL SETの渡辺俊美のエッセイを原作にした実話をもとに、映画『キセキーあの日のソビトー』(17)の兼重淳監督が映像化した心温まるヒューマンドラマ。
【見どころ1】登場するお弁当がとにかく美味しそう! お弁当箱や調理道具の工夫も
高校3年間、合計461個のお弁当のうち、映画に登場するのはほんの一部ですが、どれも見事に美味しそう! 彩りや栄養、コスパや調理時間などルールを決めてつくるあたりがパパ弁当らしい。100円ショップで買ってきたキッチングッズで肉そぼろ用の菜箸を自作したり、お弁当箱を新調してテンションを上げる姿は微笑ましく、お弁当づくりに疲れたママたちも、この映画を観ればきっと初心に帰れます。
▶ここに注目!豊富な卵焼きバリエ
一樹パパがつくるお弁当のおかずで、毎食必ず入っているのが卵焼き。原作本の中でも卵焼き愛が語られているように、これが一番のこだわりポイント。明日から参考になる、卵焼きバリエの一部をPICK UP!
①紅しょうが&ねぎ
みじん切りのした紅しょうがとねぎを加えた卵焼き。1年遅れで高校生になったため気後れしていた虹輝と、クラスメートとの距離が縮まるきっかけにもなったお弁当です。紅しょうがとネギの香りが食欲をそそり、おつまみにもぴったりの卵焼きです。
②桜エビ&小松菜
香ばしい桜エビとゆでた小松菜をトッピングし、卵焼き自体の彩りも豊かに。小松菜は小エビとの炒め物にも登場。ごはんの上に海苔や鮭、梅干しも乗ったボリュームたっぷりのお弁当は、息子に「おいしい」と言われた一樹パパがノリノリでつくりました。
③ニラ&じゃこ
じゃこの塩味と、ニラのシャキシャキ食感の組み合わせが楽しい卵焼き。虹輝がダイエット中のため、ごはん少なめでおかずがいっぱいのお弁当になっています。
④ハム&セロリ
ハムだけだと普通ですが、そこに刻んだセロリの風味を加えるのがポイント。こちらもダイエット弁当のため、ビタミンや食物繊維たっぷりの野菜を多くし、カロリーを抑えようという工夫が感じられます。
【見どころ2】イノッチのナチュラルな演技と道枝くんの透明感に引き込まれる
井ノ原快彦さんは、演技なのかな、素なのかな?と感じるくらい、ナチュラルに主演を務めていて、作品世界にものすごく溶け込んでいました。いつも前向きで、お弁当を通して息子との距離を測っているパパ役が印象に残ります。関西ジャニーズJr.内ユニット・なにわ男子メンバーの道枝駿佑くんは、高身長でスタイルが良い正統派イケメン♡ 現役高校生でもあり、少しおっとりしているけど芯がある役柄がぴったりで、まぶしいほどの透明感にため息が出ちゃいます。道枝くんは撮影後時間た経った今でも井ノ原さんのことを「パパ」と呼んでしまうほど馴染んでしまったらしく、親子役がぴったりでした。
【見どころ3】こだわりの音楽シーンは聴き応えあり!
作品中でバンドを組んでいる設定の井ノ原快彦さん、KREVAさん、やついいちろうさん。3人とも実際にライブ慣れしていることもあり、演奏も歌声もMCも堂に入っていてかっこいい! 3人の登場シーンでは、バンドのマネージャー役の俳優・野間口徹さんが「なんであんなことできるんだろう」と度肝を抜かれるほどスッと演技に入っていたとか。
ほかにも学園ドラマや大人の恋など、見どころいっぱいの作品。詳細はInformationの公式サイトをチェックしてくださいね。
<Information>
タイトル『461個のおべんとう』
出演:井ノ原快彦、道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)、森 七菜、若林時英、工藤遥・阿部純子、野間口徹、映美くらら、KREVA、やついいちろう/坂井真紀、倍賞千恵子
原作:「461個の弁当は、親父と息子の男の約束。」渡辺俊美(マガジンハウス)
監督:兼重淳
公式サイト:https://461obento.jp/
©2020「461個のおべんとう」製作委員会
取材・文/富田夏子