部屋の中を片づけたいけど、「物の適正量」や「捨てる基準」がわからないと何から手をつけていいかわかりませんよね。実は汚部屋出身という整理収納アドバイザーが、自身の体験や数々のお片づけから編み出した対処法をパターン別に教えてくれました。
片づける前に大切なのは、モノの適正量、減らし方を知ること!
北欧インテリアの素敵なおうちにお住まいの七尾さんですが、実は汚部屋出身。以前は片づけられず、床置きの荷物がいっぱいで自動掃除機ロボットさえかけられなかったと聞くと、親近感が湧いてきますよね。
ご自身の片づけられない体験から生まれた対処法だからこそ、捨てられないときの対処法やモノの適正量のアドバイスにも説得力があります。
「モノと向き合うのって、とても体力を要しますよね。でもズルズル先延ばしにすればするほど片づかない状態が続き、家が圧迫されていきます。片づけるというのは、〝物事にカタをつける〞という意味があると言われています。ぜひ、この対処法を目安にモノと向き合って自分の過去にカタをつけて、スッキリした暮らしを目指しましょう!」
では、七尾さんが提案する適正量のチェック方法を、「収納スペースに合わせて決める」「使うサイクルや買い物サイクルで決める」「自分の管理しやすい量で決める」の3パターンに分けてご紹介します。
①収納スペースに合わせて決める
好きでつい増やしてしまいがちなモノなどは、この考え方をよく使います。また、収納スペースが限られるマンション住まいなどのお宅では、この考え方を押さえておくのがとても大事になってきます。
【洋服】
ハンガー1本あたりに必要なスペースは幅3㎝が基本。クローゼット90㎝幅の場合、ハンガー数が30本だと出し入れしやすい目安になるとのこと。七尾家では、ハンガー掛けに使うMAWAハンガーの本数を決めて、それを適正量に。掛けきれなくなったらどれかを手放すようにコントロール。
【食器】
食器は洋服同様に増えやすいため、収納スペースの上限を決めるのがよいとのこと。七尾家では、普段使いの食器は食器棚の開き扉部分とシンク下引き出しの上段に入る量と決めて、その範囲に収納。
【おもちゃ】
おもちゃは〝このスペースに入る分まで〞というルールを決めるのが大事なポイント。使用頻度やお子さんの年齢に合わせて、しまう場所が分散しても構いません。例えば1軍おもちゃ→リビングのおもちゃラック1台分。2軍おもちゃは子ども部屋のクローゼットの箱2個分……など。それぞれの場所の上限を決めてキープするのが大切です。
②使うサイクルや買い物サイクルで決める
「必要最低限あればいい」というモノの場合は、自分の家の使用サイクルやお買い物のサイクルを考えながら適正量を決めて、それ以上は増やさないようにコントロールするのが大事です。
【タオル】
かさばるバスタオルやタオル類をスッキリさせるには、家族の人数×2サイクル分がちょうどいい適正量。七尾家では、バスタオルを毎日3 枚使ったあと、毎晩洗って乾燥機にかけるので、予備を考えても2サイクル分の6枚が適正量と決めているとか。
【日用品ストック】
毎日使う必需品については、1つずつストック。特売だからと2つ以上のまとめ買いや業務用の大容量パックは買わないのが七尾家のルール。というのも洗剤類は、週1回の買い物で十分間に合うから。家庭ごとの使用量を把握すれば、必要以上のストック品をためることなくスッキリします。
③自分の管理しやすい量で決める
収納力のある戸建てのお宅に当てはまるのがこの考え方。思い出のモノが詰まったダンボールが10 箱分あったとしたら、 どこに何が入っているか全部把握しきれるでしょうか? 中身が管理できない=ほぼ見返さないということ。見返さないモノはずっと放置されるので、持っていないこととあまり変わらなくなってしまいます。
【冷蔵庫】
七尾家のチルド食材は100円のカゴを大2 個、小3 個置き、それに入る量をおおよその目安と決めているとのこと。重ねられる冷蔵庫用のケースなどを置き、そこに入る量を目安にする決め方でも。自分の管理できる量を見極め、冷蔵庫内をスッキリさせることで賞味期限切れがなくなります。
【子どものもの】
子どもの制作物
子どもが描いた絵や作品
教科書や作品など、子どもの年齢が上がるにつれてどんどんモノが増えていきますよね。飾っておくモノは棚の上1カ所分、保管するモノは子ども1人につきボックス1個といった感じで、スペースで目安をつくるといいと思います。
教えてくれたのは
七尾亜紀子さん
LIFE WITH主宰、整理収納アドバイザー。ブログやYouTubeなどで発信する整理収納アイデアが人気となり、現在SNS総フォロワー数は12万人超。個人宅でのお片づけコンサルティングも実施。
Mart2021年7月号
「片づかない!」を乗り越える5つの対処法 より
イラスト/今井夏子 デザイン/大石妙子 編集・文/橋本嘉美 WEB構成/富田夏子