炊きたてのご飯、だしの香る味噌汁、焼き魚に副菜。一汁三菜が並ぶ理想の朝ごはんは、栄養バランスもよく、憧れているという人も多いのではないでしょうか。
料理家・上島亜紀さんご自身も、「わが家ではパン食だった時期もありましたが、やはりご飯のほうが腹もちもよく、和食に戻りました」と話します。ダンドリを工夫すれば、忙しい朝でも30分でつくれるので、ぜひ試してみてください。
ポイントをおさえれば「一汁三菜」が30分で完成
だしをひいて味噌汁をつくり、鍋でご飯を炊く。一見大変そうに思えるかもしれませんが、手際よくダンドリを組めば、それほど大変でもないのです。ポイントは、常備菜をつくっておくことと、だしをまとめてひいておくこと。夕食の味噌汁をつくるときに、翌朝分のだしもひいておけば、忙しい朝でも無理なくだしのきいた味噌汁を出せます。
ご飯は、夏は米を前の晩から水につけて冷蔵庫に入れておけば、30分で炊けます。ただしその際、鍋ごと冷蔵庫に入れておくと炊くときに温まるのに時間がかかるため、ボウルで浸水させるようにしましょう。あとは、魚を焼く際、水なしグリルの場合は受け皿にアルミホイルを敷いておきましょう。これで面倒な洗い物が一つ減らせます。
パン食のほうが手軽に思われるかもしれませんが、卵料理やベーコンを焼いたり、サラダやスープを用意したりと、実はけっこう手間がかかるうえ、バターやドレッシングなど、意外と油が多いのです。体のことを考えると和食のほうが健康的ですし、前の晩に飲みすぎた夫も「温かい味噌汁が飲みたい」と言いますし(笑)、和食は家族全員にとってうれしい朝ごはんなのです。
このダンドリさえ身につけば、“理想の朝ごはん”も楽勝です!
30分でつくるための朝のダンドリ
【ダンドリ1】朝起きたらまず冷蔵庫からだしを出す
かつお節と昆布の合わせだしは一度に多めにひいて冷蔵保存。 次に、サケの表面にみりんを塗っておきます。
【ダンドリ2】鋳物ホーロー鍋でご飯を炊く!
お米は前の晩から浸水させておくと朝の手間が省けます。鍋だと中火で5分、弱火で10分、蒸らし10分の30分以内で炊き上がり、実はとても早いのです。
【ダンドリ3】味噌はお椀のなかで溶く
味噌汁の具材は、ストックしておいただしで 煮ます。 煮えたところで、1人分の味噌を入れたお椀に注ぎます。
【ダンドリ4】常備菜を盛りつけてできあがり
あらかじめつくっておいたひじきや切り干し大根などの常備菜を小皿に盛りつければ、朝食の完成です。
上島亜紀さん
料理家。食育アドバイザーやジュニア・アスリートフードマイスターの資格を持ち、幅広いレシピ提案で女性誌やメディアで活躍中。 『考えなくていい冷凍作りおき』(ナツメ社)など著書も多数。
撮影/安彦 幸枝 フードコーディネート/上島 亜紀 編集・文/梅津 有希子 WEB構成/長南 真理恵
Mart BOOKS
ファミレスよりおいしい 家ごはんの基本 より再構成