肉や魚を調味料に浸して冷凍する「下味冷凍」。調理のとき下ごしらえの手間がなく、美味しい一品があっという間に完成します。ここでは使い勝手のいい鶏もも肉と、ボリューミーなスペアリブの下味冷凍をご紹介。忙しい平日はもちろんのこと、リッチなテーブルを囲みたい週末など、あらゆる場面で大活躍すること、間違いなし!
下味冷凍すれば、生のまま調理するより美味しさアップ!
教えてくれたのは
上島亜紀さん
料理家。家庭料理をメインに、手早く本格的な味わいの調理方法が人気。下味冷凍のオリジナルレシピも多数。著書に『頑張らなくていい 仕込み1分の冷凍作りおき』(ナツメ社)など。
「私が下味冷凍をおすすめする理由は、肉や魚など生のままより下味冷凍したほうが軟らかくなり、うま味や味わいがアップするから。冷凍するときは、味が全体に染みわたるよう、マチなしの冷凍用保存袋に平らに入れ、金属製のバットにのせて冷凍するのがポイントです。冷凍庫の中にストックしておけば、あらゆる場面でパパッと一品がつくれて大活躍しますよ。1カ月以内ならば美味しく食べられます」
使える! 下味冷凍1
鶏もも肉×玉ねぎ×マーマレード×しょうゆ×にんにく
【材料】2人分
- 鶏もも肉 1枚(約300g)
- 塩 小さじ1/3
- 粗挽き黒こしょう 少々
- (A)玉ねぎ(薄切り) 1/2個
- (A)マーマレード 大さじ3
- (A)しょうゆ 大さじ1
- (A)にんにく(すりおろし) 小さじ1
【つくり方】
- 鶏もも肉はペーパータオルで水気をふき取り、肉の厚みが均一になるように開き、余分な脂を取り除く。半分に切り、塩、こしょうをふり、10分ほどなじませる。
- 冷凍用保存袋にAをすべて入れ軽く揉み、さらに1を入れ味が全体に絡むよう揉み込む。鶏肉が重ならないよう平らにし、空気を抜きながら密封して冷凍する。
【ポイント】
使える! 下味冷凍2
スペアリブ×セロリ×にんにく×オリーブオイル
【材料】2人分
- 豚スペアリブ 6本(約500g)
- セロリ 1/2本
- にんにく 1片
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩 小さじ2/3
- 粗挽き黒こしょう 小さじ1/4
【つくり方】
- スペアリブは切り込みを入れ、塩、こしょうをなじませて10分置く。セロリは斜め薄切り、にんにくは芽があれば取り除き、薄切りにする。
- 冷凍用保存袋に1のセロリとにんにく、オリーブオイルを入れ、全体に絡める。
- スペアリブの骨ではなく肉面にセロリが当たるように、重ならないように並べて、平らにして冷凍する。
【ポイント】
慌てずじっくり……上手な解凍方法
理想的な解凍方法は、使う半日前に冷蔵庫に移しておくこと。凍ったまま調理すると、中まで火が通りにくく、調理時間が余計にかかることになります。とはいえ、そんなに計画的にいくとは限りませんね。
今すぐ使いたいというときは、ぬるま湯を使って解凍を。ボウルやバットに、40~50℃のぬるま湯を張り、下味冷凍を袋のまま入れます。表面を触って袋の中の食材が軟らかくなっていたら調理可能です。今回のレシピの解凍時間の目安は、鶏もも肉が約10分、スペアリブが約15分です。
鶏もも肉の下味冷凍はこんな料理に使えます!
BBQ風チキンソテー
炙りチキンの北京ダック風
サテ ~インドネシア風焼き鳥~
スペアリブの下味冷凍はこんな料理に使えます!
ごろごろ野菜とスペアリブのポトフ
スペアリブと野菜のグリル クスクス添え
カスレ ~フランス風煮込み
調理時間の短縮になるだけでなく、美味しさもアップする下味冷凍。まとめ買いしたときやすぐに使わないときの保存にも便利です。簡単なので、常備してみては?
Mart冬号 平日、週末、キャンプ いつでも使える安定の4レシピ「下味冷凍」美味しい三段活用!より
撮影/小林愛香 取材・文・スタイリング/新里陽子 編集/富岡幸子