ほんのひと手間加えるだけで、絶品になる鮭の焼き方があります。焼き鮭は切り身をただ焼くだけと思いがちですが、ある材料をプラスするだけでふっくらおいしく大変身。さらに、後片付けが面倒とグリルでの焼き魚を躊躇しがちな方のための、片付けが楽になる方法も!Martでも活躍中の人気料理研究家・上島亜紀さんの著書「家ごはんの基本」から、さまざまなコツをご紹介します。
ひと手間でふんわり仕上がる 秘密はあの調味料
キーアイテムは「みりん」
焼き魚はただグリルで焼くだけと思われがちですが、実は、魚の表面にみりんを塗っておくだけで、驚くほどおいしく焼きあがります。
くさみがとれ、みりんの旨味が浸透するため、ふっくらと仕上がり味わいもアップ。お買い得品の安い鮭でもこのひと手間で何倍もおいしくなります。
「みりん」の選び方
スーパーマーケットの調味料売り場には、「みりん」の横に「みりん風調味料」も並んでいます。おいしい焼き鮭をつくるためには本物の「みりん」を選びましょう。そうすることで、特に塩鮭は塩分がまろやかになり、とてもおいしくなりますよ。
これで絶品!鮭の焼き方完全レシピ
材料(4人分)
- 塩鮭 4切れ
- みりん 大さじ1
- 大根おろし 適量
つくり方
- 塩鮭にシリコンのはけでみりんを両面しっかり塗り、5分おく。
- グリルで、①を盛り付けたときに上になる面から中火で焼く。皿にのせ、大根おろしを添える。
ポイント:動物の毛をつかったはけは、カビが生えたり虫が付く心配もありますが、シリコン製はきれいに洗えるのでおすすめです。
ポイント:返す時にグリルの網について身がはがれると見た目が悪くなるため、盛り付けたときに上になる面から焼きます。
「フライパンで焼き魚」をおすすめしない理由
魚を焼くときにフライパンを使うのは避けた方がいいです。グリルだと脂と一緒にくさみも落ちますが、フライパンだとそのまま魚にそのくさみが残ってしまい、味わいを劣らせてしまうからです。
フライパンでつくる鮭料理「ムニエル」
焼き魚はフライパンでの調理を推奨しませんが、どうしてもグリルを使いたくない場合は、フライパンでつくるムニエルはいかがでしょうか。おいしくて、しかもヘルシーな絶品ムニエルをつくる極意をご紹介します。
ムニエルをおいしくヘルシーにつくるコツ
ムニエルをおいしくヘルシーにつくるコツは、サケやサーモンの水気をしっかり取り除くことです。水分が残っていると小麦粉が多くついてしまい、カロリーも上がってしまうからです。
切り身の選び方と盛り付けルール
サケやサーモンの切り身はいろいろな形がありますが、盛り付けのことまで考えて選びましょう。お皿の上では身が厚いほうを左側にするのが正解です。こうしたことの積み重ねが、食育にもつながります。
サーモンのムニエルのレシピ
材料(4人分)
- サーモン 4切れ
- ハーブソルト 適量
- 小麦粉 大さじ2
- オリーブオイル 大さじ3
- ローズマリー 4枝
- レモン(スライス) 4枚
- 【レモンバターソース】
・バター 60g
・レモン汁 小さじ1+1/2
・レモンの皮のすりおろし 少々
・塩 小さじ1/2
・パセリ(みじん切り) 大さじ1/2
つくり方
- サーモンをキッチンペーパーに包んで10分おき、余分な水分を取り除く。ハーブソルトをふり、手でなじませてから小麦粉を薄くまぶす。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、中火で1を盛り付けたときに下になる面からしっかり焼き、返したらローズマリー、レモンスライスを加え、両面をしっかり焼く。
- レモンバターソースの材料をよく混ぜ、2に添える。
おいしく保存!冷凍と解凍のコツ
鮭の冷凍のコツ
塩鮭を冷凍するときは、冷凍焼けを防ぐためにすき間なくぴったりとラップで包み、ジップ付き保存袋に入れます。
鮭の解凍のコツ
解凍するときは塩鮭にみりんを塗ってから、自然解凍が基本。解凍のときにドリップが出ると同時に、みりんが鮭に浸み込むので、焼いたときにふっくら焼きあがります。
魚を焼いた後のグリルを簡単にきれいにするには
魚を家で料理しなくなる理由の1つが後始末ではないでしょうか。鮭を焼く際に使ったグリルは、「すぐ洗う」ことで後片付けの負担がぐんと軽くなります。
焼いたらすぐ魚焼きグリルを洗うメリットは、汚れがこびりついていないのでサッと洗うだけできれいになるから。放置すればするほど、においの原因になったり、魚の脂がこびりついてとれにくくなったりしてしまいます。
魚焼きグリルや焦げ付いた網を洗うときは、金タワシがおすすめ。スポンジは脂がしみ込んで匂いが付いてしまいます。
子どもの成長や家族の健康のために、毎日しっかり摂りたいたんぱく質。特に、体や脳にいい魚は、できれば毎日食べさせたいくらいですね。「魚は外食でしか食べない」という方も多数いらっしゃいますが、ほんのひと手間でおいしくつくれ、後片付けも簡単になります。ぜひチャレンジしてみてください。
上島亜紀さん
料理家。食育アドバイザーやジュニア・アスリートフードマイスターの資格を持ち、幅広いレシピ提案で女性誌やメディアで活躍中。 『考えなくていい冷凍作りおき』(ナツメ社)など著書も多数。
撮影/安彦 幸枝 フードコーディネート/上島 亜紀 編集・文/梅津 有希子 構成/小林 博子
Mart BOOKS
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