あらゆる企業がSDGsに取り組む今、化粧品業界に新たな旋風を巻き起こしそうな新商品がPOLA(ポーラ)から誕生しました。なんと、農産物の栽培過程でこれまで廃棄していた未利用資源から生まれた「ハンド美容液」だそう!その記者発表会にオンラインで参加してきたので、さっそくご紹介したいと思います。
「ハンドコンフィチュール」の香りと感触で手肌も気持ちも贅沢に潤う♡
こちらが、2023年1月に発売されるハンド美容液「ハンドコンフィチュール」です。ひと足先にお試しさせていただきました!
容器は、「ハンドコンフィチュール」に使われている島根県特産のブドウ品種「神紅」の色味を、フタは「神紅」から摘み取られる「副梢」を表現したそう。透明感のある美しいたたずまいのビジュアルで、リビングなど目につく場所にあえて置いておきたくなりますね。
フタを開けた瞬間、アールグレイ紅茶のような香りが広がります。この香り、「ハンドコンフィチュール」に使用されている島根県特産のブドウ品種「神紅」の芳醇な香りにインスパイアされて創り出したそう。また、美容液のなかに見える小さな粒は、ビタミンEなどをオレイン酸を含んだアーモンドオイルを入れ込んだメルティカプセル。手に塗り広げたと同時にカプセルからオイルが溶け出し、うるおいを閉じ込める働きをしてくれます。
「ハンドコンフィチュール」にはシンクエキスのほか、2種類のヒアルロン酸やオタネニンジンエキスなど、手肌を整えて、うるおいを満たす美容成分が配合されています。さっそく手に伸ばしてみました!
真珠1粒大を取り、マッサージするようになじませます。すると、みずみずしいクリームが手肌にスッと浸透。手肌の奥までしっかり潤いながらも、ベタつき感はまったくありません。家事をするときにも手の表面がサラッとしているのは嬉しいポイントですよね。塗ってから時間が経っても肌がしっとりしていて、うるおいのベールが手肌を守ってくれていること感じられました。
ここからは、POLA「ハンドコンフィチュール」が誕生した背景をご紹介。
これまで廃棄していた未利用資源に着目するに至った経緯や、島根県特産のブドウ品種「神紅」のこと、また、「神紅」から抽出された「シンクエキス」の驚くべき美容効果など、そこには多くのエピソードがありました。
島根のぶどうから生まれる未利用資源に着目!
2029年に創業100周年を迎えるPOLA(ポーラ)。ポーラ全社の取り組みとして掲げた「サスティナビリティ方針」を実現するために発足したのが、新プロジェクト「FROM LOSS TO BEAUTY」です。
新プロジェクトでは、〈失われるものを美しさに変えていく〉をコンセプトに、本来であれば捨てられてしまう資源を、美しさにつながる新しい価値へと転換することに挑戦。その第一弾として誕生したのが、ハンド美容液「ハンドコンフィチュール」です。
「ハンドコンフィチュール」には、島根県特産のブドウ品種「神紅」の栽培過程で摘み取られる未利用資源・副梢から抽出されたエキスが使用されています。さて、「神紅」とはどういうぶどうなのでしょうか?
生産者も限定されている!島根県のブランドぶどう「神紅」
「神紅」は、「神々に捧げる紅いぶどう」というコンセプトで誕生した島根県が誇るブランドぶどう。「神々にささげる」とつけられたのには理由がありました。
旧暦の10月を「神無月」と呼ぶことをご存知の方も多いはず。しかし、島根県出雲地方では、同じ月を神在月(かみありづき)と呼んでいるんです。この時期、出雲大社に日本中の神様が集まるという言い伝えがあり、そんな言い伝えから、「神紅」のコンセプトが生まれたそう。
シャインマスカットとベニバラードを交配させ、約10年もの歳月をかけて作出された「神紅」は、種無しで皮ごと味わえ、甘さは糖度20度以上。その鮮やかな色と芳醇な香りが特長です。
「神紅」の生産者は、島根県内7市町39名と少数(令和4年時点)。「神紅」のブランド価値を理解し、生産技術を確立した農家の方々が「神紅」の品質を守っています。その高品質な果実を栽培するには日当たりを確保をすることが大切で、秋~冬の落葉後の剪定と、春~夏に伸びすぎた不要な脇芽「副梢」の摘み取りをすべて手作業で行っているそう。想像しただけで、いかに大切に育てられているかがうかがえます。
摘み取られた多量の副梢や剪定枝は、これまでも「神紅」の土づくりに使っていたものの、基本的には廃棄するしかなかったそう。そのような理由から、「神紅」の生産者の方々は、廃棄していたものがハンド美容液に生まれ変わると知ったときに、とても驚いたそうです。それと同時に、視点を変えるだけで新たな価値が生み出されることに感動を覚えたとおっしゃっていたのが印象的でした。
「神紅」の副梢に高い抗酸化作用があった!
今回発売されるPOLA「ハンドコンフィチュール」には、「神紅」の副梢(春から夏に摘み取られる葉茎)から抽出されたエキス「シンクエキス」を配合。シンクエキスに驚きの美容効果が期待できることを示したのが下のグラフです。
島根大学とポーラとの共同研究によると、神紅の「副梢」には、剪定枝や果実に比べて高い抗酸化効果があり、ポリフェノールも豊富に含まれていることを発見。さらに、高いメラニン抑制効果もあり、肌を酸化ストレスから保護することが期待されるとのエビデンスが得られました。
このように、POLA「ハンドコンフィチュール」は、POLA・島根県・島根大学の「産官学」でのプロジェクトに誕生したサステナブルな化粧品。POLAでは「神紅」をはじめ、様々なプロダクトを検討しているとのことで、今後が楽しみです!
SDGsの考えが浸透してきた今、モノが誕生した背景にも注目が集まり、私たち消費者のモノを選ぶ視点も変わってきたように感じています。と同時に、個人的には、ご紹介したPOLA「ハンドコンフィチュール」のような、サステナブルな化粧品がこれから増えることを期待してやみません。
ただでさえ乾燥する季節ですが、手洗いやアルコール消毒を繰り返している手肌はいつもよりお疲れ気味。サステナブルなハンド美容液で手をいたわってみてはいかがでしょうか。
【「ハンドコンフィチュール」に関する問い合わせ】
ポーラお客さま相談室(フリーダイヤル)TEL 0120-117111
取材・文/古賀 美津恵 (写真の一部は㈱POLAより提供)