いま気になるハンドメイド作家を紹介する「今週のハンドメイド・アーティスト」。第4回は石けん作家・asakawaayanoさん（神奈川県在住）をご紹介します。
妊娠中に使ってみて驚いた手づくり石けんの使い心地
使い心地や香りの良さはもちろん、見た目がスイーツのようにかわいい石けんをつくるasakawaayano（アサカワアヤノ）さん（神奈川県在住）。石けんをつくり始めたきっかけは、二人目の子どもを妊娠中に妊娠性湿疹になったことでした。
「一人目を妊娠・出産したときはそれほどではなかったのですが、二人目の妊娠時は体質が変わったのか本当に肌が荒れてしまって。市販の石けんの成分を細かくチェックしながら使っていた頃、友人から手づくり石けんをもらって使ってみたら、しっとり感や使い心地のやさしさが今まで使っていたものとは全然違って驚いたんです。無添加だし自分の肌に合ったようで湿疹も良くなり、手づくりだったら材料がわかって単純明快！とハンドメイドソープに興味を持つようになりました」
子育てしながらスクール通い 本格的にハンドメイドソープを学ぶ
美術系の大学を卒業していて、版画や染め物などの経験がありもともと手仕事は好きだったというasakawaayanoさん。その後、3人目を妊娠・出産し、2018年には3人を子育てしながらスクールに通って本格的に石けんづくりを学びました。
「ハンドメイドソープは日本でこそ珍しがられますが、海外では自宅で気軽に石けんを作っている方が多くいらっしゃるそうです。海外のハンドメイドソープは派手でカラフルなものが多く、使い心地の良さを追求しながらも色で遊ぶことができるのが楽しくてどんどん石けんづくりにハマっていきました。保存料を使わないので、大人も子どもも顔から体まで全身どこを洗ってもOKなのが子育て中の自分にぴったりだったんです」
天然由来の成分でつくるから肌にやさしい
石けんづくりは材料や色、香りと組み合わせでいろんな種類がつくれるので奥深く、今も研究を重ねています。
「使うオイルはココナッツオイルや米油、アボカドオイルやお花から抽出されたオイルなど天然由来のものだから肌にやさしくて使い心地が良いんだと思います。ただ、ハンドメイドソープには日本では劇薬指定されている苛性ソーダという薬品を使うので、自宅では子どもたちが寝静まった後、夜な夜なキッチンで作業をしています。劇薬といっても海外では普通に漂白剤程度の薬品としてドラッグストアで売られていると聞きました。日本では購入時に様々な制約があるので、ハンドメイドソープの材料集めから挫折する方も多いのですが、石けんづくりがもっと広まっていってほしいと思っています」
バスタイムが楽しくなるようなカラフルでかわいい石けんづくり
現在はワークショップや石けん教室開講に向け勉強に励みながら、ハンドメイドイベントも積極的に主宰しているasakawaayanoさん。実際に石けんを使ったママ達からは、「石けんがカラフルでかわいいから、子どもが喜んで手を洗うようになった！」という声も。
「普段の生活の中で、手を洗う時間や洗顔タイム、バスタイムが楽しくなるような石けんづくりを心がけています。色が鮮やかなものやマーブル模様が人気ですが、シンプルな白い石けんは清々しい気持ちになれるので良いという方もいます。香りはふんわり香る程度にしていて、ラベンダーやイランイラン、オレンジスイートなど使う精油によって印象が変わりますね。はちみつ入りのハニーソープはしっとり具合が他とは違うなど、材料によって見た目や使い心地が変わるのが手づくりの魅力です」
ワークショップや教室でハンドメイドソープの魅力を伝えたい
「実は石けんを手づくりする人の平均年齢は高い」と言うasakawaayanoさんは、今後はママ世代だけでなく、OL世代やもっと若い人にも手づくり石けんの良さを知ってほしいと語ります。
「石けんを手づくりするのはハードルが高く感じるかもしれませんが、基本的には材料を混ぜて熟成させるだけの簡単なもの。かわいい石けんが洗面所やキッチン、お風呂にあればテンションが上がるし、自分でつくれば大切に最後まで使い切ろうという気持ちも生まれます。今年はたくさんワークショップを開催する予定です！」
【作品information】
＜教室＞
「石けん教室shanti」
神奈川県茅ケ崎市BRANCH1ハマミーナにて不定期で開催予定
shanti.soap13@gmail.com
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取材・文／富田夏子
