Mart世代が悩みがちな、友達には相談しにくいカラダのことを、産婦人科専門医高尾先生に相談しました!
答えてくれたのは
イーク表参道 副院長
高尾美穂先生
産婦人科専門医・婦人科スポーツドクター・ヨガ講師。女性の健康をサポートし、ライフステージ・スタイルに合った治療を提案している。
Q1 生理周期が不安定になり、量も月によって多かったり少なかったりと差があります。(40歳)
A1 まずは基礎体温をつけて、動きを見てみましょう。
「そもそも授乳をしている人や、40代に入った人は周期にバラつきがある人も少なくありません。45歳以降になると、さらに周期や経血量が大きくバラつくようになります。それ以外の性成熟期の女性には定期的に生理がきますが、正常周期も25~38日と幅があるので、周期が長めでもそこまで気にする必要はありません。治療対象となるのは、3カ月生理が来ない場合です。月経不順を主訴に受診する際は最低でも1周期分の基礎体温の記録を持参してください。記録があってはじめて、周期全体のホルモン変化が把握でき、診断が可能になります」
Q2生理痛がひどくピルを飲んでいます。ピルについて詳しく教えてください。(33歳)
A2上手に使えば効果的。必ず病院で処方を。
「もともとは避妊目的で使われていたピルですが、現在は生理痛が重い・経血量が多い・生理周期がバラバラ・PMS(月経前症候群)がつらいといった症状の改善目的でも多く使われています。ピルのいちばんのリスクは血栓症です。飲み始めの1~2カ月にリスクが最も高いことから、血栓症のハイリスク群となる40歳以降は飲み始められません。ただし、40歳前に飲み始めている場合は、50歳までもしくは閉経まで継続可能です。医師のフォローを受けて安全に使用する場合、ピルを飲むことで更年期症状も軽く済むなど、メリットが多いです」
Q3子宮頸がんの検査で経過観察となり、今後が心配です。(38歳)
A3まだがんにはなっていないということ。安心して定期検診を。
「検査で要経過観察になるのは稀なことではありません。なぜかというと、他の臓器と違い子宮頸がんは検査しやすい場所にできるため、かなり早期の段階で発見できるからです。経過観察を指示されると心配だしモヤモヤしますが、その後正常に戻る人も多いですし、医師に言われる間隔で受診していれば、進行したとしても重篤な状態になってから見つかる心配はありません。万一手術になったとしてもがんになる前段階(子宮頸がん前がん病変)での手術となるため、術後は生理も来ますし、妊娠も可能です」
Q4おりもののにおいが気になります。 病院に行ったほうがいいですか?(42歳)
A4大人の女性ならみんなあるもの。 状態を確認して。
「おりものの悩みで多いのがカンジダです。抗生剤を飲んだあとや、寝不足などで免疫状態が低下した際に発症し、かゆみを感じます。また、性交渉の直後におりものがいつもと違うという人も多いですが、2~3日で戻ることがほとんどです。様子を見ても違和感があれば受診してください。大事なのは『ベースに感染症がないこと』なので、パートナーが変わった際は、性感染症検査を受けるのも一つの選択肢です」
Q5生理前に便秘や下痢になるのですが、対処法はありますか?(39歳)
A5どちらも自然なこと。薬は低刺激のものを。
「生理前の便秘は、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲンの影響で腸が水分をため込み、ぜん動運動が弱まることが原因です。一方生理直前に下痢になるのは、プロゲステロン分泌が低下し腸の動きが戻るため。子宮内膜がはがれ始めてから、経血が体外に出るまでに3日前後のタイムラグがあるため、生理に先駆けて下痢が始まると理解してください。便秘がつらければ低刺激性の便秘薬を使うのもよいでしょう」
非刺激性成分の酸化マグネシウムを配合した便秘薬。服用してもお腹が痛くなりにくく、クセになりにくいのが特徴。コーラックMg( 40錠)¥680(大正製薬)
Mart4月号別冊付録 「カラダの不調」解決マニュアル より
撮影/志波真寿介、相澤琢磨(光文社写真室)イラスト/まるはま 取材・文/須賀華子 構成/上原奈緒
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