毎年この時期になると、花粉症のくしゃみや鼻水に悩まされている人も多いのではないでしょうか。花粉のピークはいつ? 今年の花粉は昨年と比べて多いの? など、今年は症状がひどくなりそうか気になりますよね。
今回は2024年の花粉飛散予測と、花粉症を根本から改善する方法を紹介します。花粉症がつらいという人は、ぜひ参考にしてくださいね!
2024年の花粉飛散予測は?
2024年のスギ花粉の飛散開始時期は、九州や四国、中国、東海、関東甲信の一部が2月上旬、近畿は2月中旬、北陸や東北南部は2月中旬〜下旬、東北北部は3月上旬〜中旬ごろの予想です。
おおよそ例年(過去10年の平均)並みか、例年より早いスタートのところが多いといわれています。
花粉の飛散ピークは、スギ花粉が2月上旬〜3月上旬、ヒノキ花粉は3月下旬〜4月上旬ごろと予想されています。ピーク期間は、10日〜1か月ほど続く見込みです。
ただし、急に気温が上がって春一番のような強い風が吹く日があると、花粉の飛散量が一気に増え、ピークの時期が早まる可能性があります。ピークを迎える前から、花粉症対策を始めましょう。
花粉の飛散量は、2023年の飛散量が多かったので、昨年よりは全体的に少ない傾向にあります。少ないといっても、例年並みか例年よりやや多い傾向にあるため、十分な花粉症対策は必要でしょう。
なかでも、北海道のシラカバ花粉は、例年比230%、昨年比630%と非常に多い見込みです。シラカバアレルギーがある人は注意してください。
花粉症とうまく付き合うことが大切
花粉症とうまく付き合うには、花粉症のメカニズムを理解しておく必要があります。
花粉症とは、植物の花粉(アレルゲン)に対する、からだの免疫反応です。花粉が体内に入ると、ヒスタミンという物質が放出されます。このヒスタミンがヒスタミンH1受容体に結合し、アレルギー反応として鼻水やくしゃみ、かゆみなどの症状がおきるのが花粉症のメカニズムです。
花粉症対策にはマスクの着用や薬の服用が一般的です。しかし、花粉症とうまく付き合うには、マスクや薬だけでなく、アレルギー反応の根本改善を目指せるような方法をとり入れるとよいでしょう。
たとえば、腸内環境を整えたりビタミンDを摂ったりすると、花粉に過剰に反応している免疫機能が調整され、症状が緩和される可能性があります。
また、耳鼻咽喉科で受けられる舌下免疫療法も、アレルギー反応の根本治療のひとつです。
ただし、上記のアレルギー反応を緩和させる方法は、数か月~数年かけて花粉症の症状がおきにくいからだを目指すため、即効性はありません。今年もすでに症状がある人は、前述した一般的な対策方法か、これから紹介する漢方薬がおすすめです。
症状を抑える&根本から改善する漢方が好相性
花粉症の症状を抑えるために、薬局で販売している鼻炎薬やアレルギー症状対応の薬を服用する人は多いでしょう。実は漢方薬は、今ある鼻水やくしゃみなどの症状を抑えながら、花粉症の根本改善も目指せるのでおすすめです。
漢方薬は医薬品としての効果が認められており、実際に耳鼻咽喉科やアレルギー専門外来でも花粉症に処方されています。
また、漢方薬には眠くなる成分が入っていないため、日中に服用しやすいというメリットもあります。
花粉症対策には、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状を抑える作用に加え、根本から改善するために「からだを温める」「水分の循環をよくする」「炎症を和らげる」「消化・吸収機能をよくして抵抗力を高める」といった漢方薬を選びましょう。
花粉症の時期は、環境の変化や仕事の繁忙期など、忙しい人も多いのではないでしょうか。漢方薬は毎日決まった量を飲むだけなので、忙しい人でもすぐに始められ、継続しやすい花粉症対策です。
花粉症に悩んでいる人におすすめの漢方薬
- 葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
鼻づまりがひどく、粘り気のある鼻水が出る人に。からだの冷えを改善し鼻粘膜の腫れをとることで、鼻水や鼻づまり、鼻の炎症を緩和します。 - 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
水のような鼻水や、アレルギー性の鼻炎に悩んでいる人に。水分循環を促して余分な水を乾かすことで、花粉症、アレルギー性鼻炎による鼻水やくしゃみなどの症状を改善します。
漢方薬は自然の生薬からできているのでからだにやさしく、あらゆる人に何らかの効果をもたらします。しかし、重要なポイントは「その人の状態や体質にうまく合った生薬を選んでいるか」という点です。うまく合っていないと、効果を十分に感じられないだけでなく、場合によっては副作用がおきることもあります。
どの漢方薬が自分に合っているのかを見極めるには、漢方のプロの力を借りましょう。最近は「あんしん漢方」などのAI(人工知能)を活用したオンライン相談サービスも登場しています。スマホで気軽に相談できるので、一度試してみるのもよいでしょう。
しっかり対策をして春を楽しもう!
花粉症がなければ、春の外出がもっと楽しめますよね。また、アレルギー反応による肌あれや、鼻のかみすぎによる乾燥などのトラブルも減るでしょう。
マスクの着用や薬の服用などの一般的な対策方法だけでなく、根本から花粉症の症状を緩和できるような免疫療法や漢方薬も検討してみてくださいね。
しっかり花粉症対策をして、春を楽しみましょう!
参考:2024年 春の花粉飛散予測(第3報) – 日本気象協会 tenki.jp https://tenki.jp/pollen/expectation/
<この記事を書いた人>
あんしん漢方 管理栄養士
小原水月(おはらみづき)
管理栄養士・健康食育シニアマスター。社員食堂で300以上の料理を修得、ダイエット合宿所・特定保健検診の業務に携わり600人以上の食事と生活習慣改善を個別サポート。
自身の出産後の体調不良から食事と漢方で体調改善/増進の経験を生かし、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。「心も体も食べたものだけで作られる」をモットーに簡単で時間もお金もかけずに元気になれるレシピを発信中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。